Well-Beingに関するデータ分析

産学共同研究によるWell-Beingデータ分析

SCSKでは、Well-Beingに関するデータ分析を京都女子大学の中田喜文教授にご協力いただき、産学共同研究として推進しています。分析では当社のWell-Being経営の主要テーマである、働きやすさ、働きがいを生み出すメカニズムの解明、等の分析を進めています。

その結果は、社内に共有することで組織マネジメントの考え方や対策に活用するとともに、社外へ発信することで、社会のWell-Being向上へご活用いただきたいと考えています。

Well-Beingに関するデータ分析を京都女子大学の中田喜文教授にご協力を頂き、産学共同研究として推進

「働きやすさ」と「働きがい」の実感値を高めている指標

「働きやすさ、働きがいを生み出すメカニズムの解明」のひとつで、25の指標との相関分析した結果(2025年度)が下図の通りです。
25の指標のうち、働きやすさ、働きがいと相関が高かったそれぞれ10指標、合計13指標を抽出して弁図の形で表現しています。
衛生要因が働きやすさに、動機付け要因が働きがいに影響するだけでなく、両方に影響する指標が存在しています。当社では当初、衛生要因が働きやすさに影響し、動機付け要因が働きがいに影響すると考えていました。 しかし、実際の実感値は両方に働く衛生要因と動機付け要因が発生しており、社員の実感値は複雑なものであることがわかりました。

【図】「働きやすさ」と「働きがい」を高めている指標の弁図

働きやすさ」と「働きがい」を高めている指標の弁図

「働きやすさ」と「働きがい」を生み出すメカニズム分析

「働きやすさ、働きがいを生み出すメカニズムの解明」のもう一つの分析として、パス解析を実施しました。
情熱を除く24の指標から7つの因子グループを特定し、その直接的・間接的な影響を、図の左から右へと表現しています。
この結果から、SCSKでは、左側の衛生要因(DEI/働き方/健康)を土台にしながら、動機付け要因のキャリア、組織やりがい、未来創造、やりがいが高まり、働きやすさと働きがいを高めている、という関係になっていることがわかりました。
この分析結果は、2012年から当社が働き方改革を始めとする人事施策に本気で取り組み続けて来たことに意味があったことを示しています。
当社では、この結果を各組織長と共有し、衛生要因の重要性を再認識してもらいました。

【図】パス解析(2025年度Well-Being調査結果)

パス解析(2025年度Well-Being調査結果)

企業業績につながる指標と「働きやすさ」「働きがい」の関係性(2025年度)

企業業績に繋がると考えられる2指標「パフォーマンス発揮度」、「能力発揮」と「働きやすさ」、「働きがい」の関係性を分析しました。
当社では、この4指標を経年開示項目としておりますが、これまで別タイミングの別調査に存在しており、関係性を分析できませんでした。
今年度、同時期、同じ方式で初めて調査できたことで分析が可能になりました。

Well-Beingデータ分析調査結果の分析

下図は、パフォーマンス発揮度との関係です。
Well-Being調査の項目、働きやすさを横軸に、働きがいを縦軸にとり、5択の、1,2,3,4,5を回答した人を、各マス目にプロットしました。
そして、各マス目ごとに社員のパフォーマンス発揮度の回答(0~100の実数)の平均値を算出しました。その数字のレベルごとに色分けをしており、オレンジ色が濃いほど、パフォーマンス発揮度が高いことを意味しています。
この結果では、働きやすさと働きがいの実感値が高い人ほど、パフォーマンス発揮度も高いということがわかりました。
このことは、働きやすさ、働きがいを高めなければ、社員のパフォーマンスは高まらない、とも考えることができます。
働きやすさ、働きがいは企業の生産性や価値創出の向上にとって重要な要素であるといえる可能性があります。

【図】「働きやすさ」「働きがい」と「パフォーマンス発揮度」の関係

働きやすさと働きがいとパフォーマンス発揮度の関係性を示すグラフ

下図はWell-Being調査の指標である「能力発揮」を使った同じ形式の分析です。
結果は同様で、働きやすさと働きがいの実感値が高い人ほど、能力を発揮できています。
ただし、あくまでも関係性を表現していますので、能力が発揮できたから、働きがいも高まった、という見方もあります。

【図】2025年度 「働きやすさ」「働きがい」と「能力発揮」の関係

働きやすさと働きがいと能力発揮の関係性を示すグラフ

先に示した相関分析にパフォーマンス発揮度を加えたものが下図です。
パフォーマンス発揮度にも影響している指標は、体や心の健康の他に、仕事の質、ワークライフバランス、能力発揮、情熱、役割期待となりました。
「能力発揮」は、「働きやすさ」「働きがい」「パフォーマンス発揮度」のすべてにおいて重要な指標となっています。

【図】「働きやすさ」「働きがい」と「パフォーマンス発揮度」の実感値を高めている指標

パフォーマンス発揮度を加えた相関分析図