
背景と考え方
デジタル社会へ移行する現代社会において、ITはお客様の新たなサービスやビジネスの創出に欠かせないプラットフォームとして、ますます重要な位置を占めるようになりました。多くの活動がデジタル化され、データ連携が加速することで、業界の垣根を越えてつながりあう巨大な社会インフラとなり、その安定運用は安心・安全な社会に欠かせないものとなっています。
一方、このような複数のプラットフォームで構成された社会インフラは、システムの複雑性が高まるとともに、個人情報をはじめ機密性の高い膨大なデータが集積されることになり、高度な情報セキュリティが求められるようになりました。
SCSKグループはこれまでも多種多様な業界やお客様をつなぐビジネスプラットフォームの構築・運用を支援してきました。社会インフラとなったITを安心・安全に提供することはITプロフェッショナルとして期待される役割であり、その責任や社会的意義は非常に大きいものととらえています。SCSKグループはお客様と共に、強靭かつ信頼できるビジネスプラットフォームを提供することで、日常生活や企業活動の質を高め、安心・安全な社会を支えていきます。
取り組み事例
コロナ禍におけるお客様の事業継続環境を迅速に提供する「SASEソリューション」
背景となる社会課題
- 新型コロナウイルス感染拡大による迅速なリモートワークへの対応
- デバイスの多様化とリモートワークの急増によるセキュリティ脅威の拡大
- データセンターへの負荷急増によるパフォーマンスの低下
社会へ与える価値
- 事業活動継続のための環境を迅速に構築
- ゼロトラスト・アーキテクチャに基づく安全性の高いセキュリティを提供
- クラウド型セキュリティ・ネットワークサービスの提供で負荷を軽減

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に対し、各国で外出の禁止や自粛などの感染拡大を防止する対策が講じられ、人々の生活に大きな変化をもたらしました。
多くの企業がこの未曽有の事態のなか、社員の感染予防と事業活動の継続を両立するため、テレワーク制度やシステム導入を急速に進めるようになりました。
一方、以前より企業内に配置していた業務システムやデータのクラウドへの移行が加速したことで、データセンター、回線、ネットワークセキュリティ機器の負荷が増加し、社員の業務効率の低下を引き起こしました。加えて、モバイル端末の普及やデバイスの多様化によるセキュリティの脅威とその制御の在り方への対応など、さまざまな課題が顕在化しています。
このような環境下で社員がいつでも、どこからでも、安心・安全に業務が可能かつクラウドサービスとの親和性が高いアーキテクチャとして「ゼロトラスト・アーキテクチャ」への注目が集まりました。
ゼロトラスト・アーキテクチャとは、「すべてを信用しない」という前提に立ち、「適切な認証を受けたユーザーと端末だけが、許可されたアプリケーションやデータにアクセスできるようにする」という考え方です。SCSKでは、ゼロトラスト・アーキテクチャに基づく、ネットワークサービスとセキュリティサービスをクラウド上で一体型で提供するフレームワークである「SASE(Secure Access Service Edge)」ソリューションを用いることでネットワーク負荷を低減し、さまざまな働き方のお客様へ安心で安定したネットワーク環境の迅速な提供を実現しました。
SCSKでは、豊富な知見と実績、確かな技術力を基にお客様に最適なSASEソリューションをご提供することで、今後もお客様の企業活動を支え、安心・安全な社会の実現に貢献していきます。
統合AMLプラットフォーム
背景となる社会課題
- 日々高度化・複雑化する金融犯罪の増加
- 金融犯罪の未然防止に向けた対応強化によるコスト増加
社会へ与える価値
- 金融犯罪の未然防止
- 信頼できる金融サービスの実現
マネー・ロンダリングやテロ資金供与、振り込め詐欺などの特殊詐欺など、金融犯罪は日々高度化・複雑化が進み大きな社会問題となっています。金融機関では、金融犯罪の未然防止に向けた対応強化によるコスト増加や、関係当局による金融犯罪に対する規制強化により事務作業が増大するなど大きな負担となっています。
SCSKでは、金融不正取引の早期発見・未然防止を支援するシステムとして、統合AMLプラットフォーム「BankSavior®シリーズ」を提供しています。BankSavior®シリーズは主に三つの機能から構成されています。
①モニタリング(BankSavior ® Monitor ):日々の取引をモニタリングし、疑わしい取引の検知から報告までの一連の業務を支援。
②フィルタリング(BankSavior® Filter):反社会的勢力、経済制裁対象者、各国政府関係者や公的要人(PEPs)など、複数のリストと一括照合。
③顧客リスク評価(BankSavior® ScoreBoard):顧客情報を一元管理し、顧客の属性情報や取引情報を基に、顧客ごとのAML(AntiMoney Laundering)リスクを算出。

③で算出したリスク評価は、「BankSavior® Monitor」へ自動連携されモニタリングに活用されます。
金融犯罪が多様化・複雑化するなか、BankSavior®シリーズの三つの機能が連携することで金融機関の業務負荷を低減するとともに、より高い水準のAML管理を実現します。BankSavior®シリーズの提供を通じて、金融犯罪の未然防止に貢献し、信頼できる金融サービスを実現することで、安心・安全な社会に貢献します。
その他事例
サイバーセキュリティに対応できる人材を育成
背景となる社会課題
- 増加するサイバー犯罪への対応コストの膨張(サイバー攻撃や不正アクセス、情報漏えいなど)
- 社会的不安の増大
社会へ与える価値
- セキュリティ犯罪/事故発生の可能性を低減し、より快適で安心できる情報基盤を提供
最先端のセキュリティリスクを理解し対応できる技術者を育成することは、企業や組織のさまざまなシステムの安全性を高め、維持することにつながります。 SCSKでは、社会的に不足するセキュリティ人材の育成を重要な課題ととらえ、組織的・体系的な取り組みを進めています。専門的なキャリアパスを通じて育成された人材は、お客様やSCSKデータセンターにおいてシステムの安全運用を実現すべく活躍しています。
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セキュリティ人材不足の解決
情報技術の加速度的な進化により発生するセキュリティリスクを回避するため、セキュリティ人材不足の解決策に焦点をあて、組織的な取り組みを進めています。