テレワークによるネットワーク遅延・パケットロスの課題を解決する方法
新型コロナウイルス感染症が世界規模で広がった2020年以降、世界各地で生活様式とビジネスに大きな変化が発生しており、それは日本も例外ではありません。
日本におけるビジネス上の大きな変化といえばテレワーク(在宅勤務)の浸透です。
テレワーク自体は、以前より政府がワーク・ライフ・バランスの実現を目的に推進してきましたが、なかなか浸透せず、このコロナ禍で感染拡大防止を目的に急速に浸透したという状況です。
そのため、オフィス内で業務を執り行うことを前提としたネットワーク環境のまま、急遽テレワークに突入したという企業がほとんどで、多くの企業がテレワークに伴い通信の流れが変わりネットワークの帯域不足や回線の遅延などの問題に悩まされています。
テレワークにおけるパケットロスやネットワーク遅延の原因とは
テレワークになった社員の多くが感じている不具合といえば、システムにアクセスしづらい時間帯があったり、TV会議や通話の画像・音声が途切れたりといったことです。
こうしたことが起きる原因には主に以下の点があげられます。
- ① テレワーク拠点での仮想デスクトップ利用時、オフィス拠点やインターネット、WAN経由で社内サーバやクラウドサービスに対するアクセスが集中することによる輻輳・遅延・パケットロス
- ② オフィス拠点より、WAN経由で社内サーバやクラウドサービスに対するアクセスが集中することによる輻輳・遅延・パケットロス
- ③ テレワーク拠点より、インターネット経由で社内サーバやクラウドサービスに対するアクセスが集中することによる輻輳・遅延・パケットロス

これらの課題の解決策として多くの企業が回線の増速を考えますが、実際これだけでは課題の解決には至りません。
なぜなら、バースト性のある通信が一時的に帯域を多く消費したり、集約ポイントや帯域速度差の発生するポイントで輻輳したりといった事象は解消しないからです。
また、増速というアプローチの場合、通信量が増加する度に回線を増速しなくてはなりませんので、コストがかさむのはもちろんですが、その都度、労力もかかりますので得策とはいえません。
限られた帯域の有効活用の観点より、テレワーク課題を解決する必要性があります。
帯域の有効活用はQoSの観点でネットワークを構築する
では、テレワークでも通信の品質が担保される環境にするにはどのような設計をすればいいのでしょうか。
そのポイントは「QoS」にあります。
QoSとはアプリケーションの通信要件に応じて、データを流す順番や量をコントロールする技術です。
この中でも特に帯域制御(Bandwidth control/management)という特定通信に帯域を保証/制限する技術を用いることで、限られた帯域を有効活用し企業内ネットワークの安定稼働を実現できます。
SCSKでは帯域制御を高精度に行えるPureFlowをおすすめしています。
下図のように、拠点やユーザー単位・アプリケーション単位・IPアドレス・VLANなどの条件で物理回線を仮想的に分割することができますので、互いの通信の干渉を防いだ通信環境の実現が可能です。

PureFlowシリーズは、高精度シェーピング技術によるパケットバーストの平滑化と、設定帯域ポリシーに基づいた的確な制御によって、パケットロスが発生しにくいネットワークを可能とします。
次回は「PureFlow」を利用した通信の品質担保について説明したいと思います。
本コラムはいかがでしたでしょうか?興味がありましたら製品担当と情報交換することもできます。お気軽にお申し付けください。
お問い合わせはこちらから:https://itps.scsk.jp/pureflow/inquiry