コラム/技術的な情報

用語解説「QoS」

 南波真之氏より、「QoS」について解説いただきました。


 ネットワークトラフィックの増加が進む中、ネットワーク上のさまざまな通信を安定して使えるようにするための対策が必要です。

QoSとは

 QoS(Quality of Service)は、ネットワークの通信の安定化のためのデータ通信の順番や量の制御を行うことを指します。

 身近なところでは、動画の閲覧、オンラインミーティングでのビデオ通話、大容量のファイルダウンロードをする際には大容量のデータ通信が行われます。ここで、通信が安定していないと、以下のようなことが発生します。

  • 動画の閲覧が都度止まる
  • オンラインミーティングの際の音声やビデオが途切れる、カクつく
  • 大容量ファイルのダウンロードに何十分もかかる

 この3つを考えたときに、オンラインミーティングと動画閲覧はリアルタイム性が高いため優先的にネットワークを使い、大容量ファイルダウンロードは優先度として3番目とするように、データの順番やデータの量を調整すると効率的です。この場合にQoSを考えます。

 ネットワーク機器には受信したデータを一時的に保存しておくキューという場所があり、QoSはキューへデータをどのように保存しておくのか、どの順番で、どのくらいの量で取り出すのかを制御するものです。

 QoSは、データの処理方法として、まずクラス分けを行います。クラスは、IPアドレスやプロトコルのタイプなどさまざまな情報から分類を行います。そのうえで優先度を割り当てるマーキング、キューに格納するキューイング、キューにあるデータをどのタイミングで送信するかを決めるスケジューリングと進みます。

 また、データの制御方法としては、クラス分けを行ったデータをマーキングで優先度を決めた優先度で送信をする優先制御と、なにか特定の通信において帯域幅を指定し、指定した帯域にてデータをやり取りさせるという帯域制御が行われます。

QoSを実現するために

 こういったQoSを実現するためにはアプライアンス(専用機器)を利用します。PureFlowもその一つで帯域制御や、マイクロバーストと呼ばれる非常に短い時間にトラフィックが集中することによるパケットロスの発生も抑えることができるようになっています。
 また帯域制御の際、精度の高いシェーピング方式(※1)により、オンラインミーティングのようなリアルタイム性の強い通信が混在するネットワーク環境においても最適なパケット送信を行うために、通信品質を高める事が可能となります。

(※1)
通信量を一定の水準に抑える帯域制御の方式の一つ。規定の通信容量を超えるデータを機器内部に保存し、容量に空きができたときに送信する方式。

詳細はPureFlowのページをご覧ください 。

プロフィール
南波真之(なんばさねゆき)
新卒でWordPressのトップ企業に入社し営業、マーケティング、ディレクションを経験、その後SaaSサービスを開発、提供する会社にてパートナーセールスを行いながらWeb、営業、マーケティング、SaaSなどの情報発信を続けている。

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