帯域制御装置を導入するメリットとは?
企業内のネットワークトラフィックが増加する中、ネットワーク帯域を効率的かつ安定的に活用するためにはQoSが有効です。今回はSCSKが推奨する帯域制御装置「PureFlow」製品の特長と導入効果について、SCSK株式会社プラットフォーム事業グループ ITプロダクト&サービス事業本部 ネットワーク部 営業第一課の柚木 千歳に聞いてみました。興味がある方はぜひご覧ください。
――PureFlowとはどのような製品でしょうか?
PureFlowは、トラフィックを条件に応じて分類し、各トラフィックの必要となる最低帯域や上限帯域を設ける装置です。また、瞬間的に大量のパケットが流れるバーストトラフィックの平滑化に秀でたアプライアンス製品です。
例えば、複数のユーザーやトラフィックが相乗りするポイントで、ネットワークの負荷が高い状態になり、テレビ会議システムの映像や音声の品質劣化、ファイルのアップロードやダウンロードの遅延、基幹系システムなどのレスポンス悪化が発生します。
このような問題は、瞬間的にトラフィックが急増したことで、特定ユーザーやアプリケーションなどの通信により帯域の占有・輻輳が起きている状況です。このような状況下では、本来重要な通信が流れない、ネットワークが遅い、パケットロスが発生するといった問題が生じています。
この問題を解決するには、データを流す順番や流量をコントロールする必要があります。
PureFlowは、拠点やユーザー単位、アプリケーション単位、IPアドレス、vLANなどの条件を設定した仮想回線へ分割することで、互いの通信の干渉を防いだ通信環境を実現します。
- QoSとは・・・
- アプリケーションの通信要件に応じて、データを流す順番や量をコントロールする技術です。
帯域制御(Bandwidth control/management)はQoSの一部で、特定通信に帯域を保証/制限する技術です。
――PureFlowを採用されるお客様はどのような企業でしょうか?
本製品は通信の干渉を抑制し、重要通信の保護を実現する製品特性上、トラフィックの遅延やパケットロスにシビアな通信や、ミッションクリティカルなシステムを抱える金融系や公共系のお客様に多数の導入実績があります。
近年の傾向としては、新型コロナウイルス禍の背景もあり、VDI等リモートワークの普及、Zoomのようなテレビ会議ツール、Microsoft365などのクラウドサービスの利用が拡大し、回線が逼迫するケースも増えています。このような課題を解決するため、他のエンタープライズ系ユーザーの利用も増えています。
――金融系や公共系以外でも活用されていると聞きますが、どのように活用されていますか?
グループ会社間で回線を共有している場合や、ホスティング、ネットワークベンダーのような設備を提供する企業においても、多くの導入実績があります。データ、音声、ビデオなど性質の異なるトラフィックがネットワークに混在する企業では、アプリケーション毎に異なるネットワークの通信品質の維持のため、PureFlowを活用頂いています。また、ネットワークが複雑化している現在、運用管理や障害切り分けなどの負担が増加し、トラフィック管理を希望する企業が増えています。そのような企業にはPureFlowの本体と合わせて、モニタリングマネージャというPureFlow専用のトラフィック可視化ツールをご提供しています。
他にも、クラウドサービスを展開している企業が、帯域保証サービスを提供するために採用するケースもあります。
――記憶に残っている事例やエピソードがあれば教えてください。
<ケース1>
映像配信事業者において、別通信の影響により、映像に乱れが生じている事象が確認されたため原因追究した結果、バーストトラフィックにより、配信用通信の必要帯域が利用できず、乱れが発生していることが判明しました。PureFlowをテスト的に導入したところ事象が解消されたため、採用が決定したケースがあります。
<ケース2>
PureFlow販売当初より導入いただいている金融系企業では、勘定系などの重要通信に加え、昨今の音声やクラウド利用などの情報系通信、バックアップ通信が増加したことにより、利用帯域が増大しました。
開発元であるアンリツ株式会社と当社が連携して、10Gbpsまで制御可能なPureFlow GSXという上位モデルの開発計画を進め市場投入したことで、採用いただくこととなりました。
――対象製品の注目ポイントや個人的にその製品の好きなところがあれば教えてください。
PureFlowは国産メーカーであるアンリツ株式会社によって開発されました。
アンリツ株式会社は、国産メーカーならではの製品の信頼性とサポート力を誇っており、過去導入いただいた企業からは高い評価を頂戴しています。
また、PureFlowは帯域制御に特化したシンプルな製品であるため、競合製品と比べても比較的求めやすい価格帯です。
――導入されたお客様からの評価について教えてください。
「この製品は安心して利用できる」と言われたことが記憶に強く残っています。
PureFlowは障害率が低く、不具合発生時の迅速な対応が可能です。また耐障害性にも優れており、製品導入後は安心して長期間ご利用いただけるため、費用対効果の高さも評価いただいています。
――PureFlowに対してのSCSKの強みや、検討されるお客様にメッセージをお願いします。
当社は企業ネットワークの課題に対し、長年PureFlowの販売代理店として培った技術力やノウハウにより、導入・保守サポートまで一貫して対応可能です。
通信量が増加するたび、回線増速するだけでは大きなコストと労力が必要となる上、トラフィックの集約ポイントは通信経路上存在し続け、またバーストトラフィック自体の解決は難しく、通信品質の低下は免れません。PureFlowを採用いただくことで、限られた帯域の効率的な利用が可能です。
テレワーク利用など、ネットワークの運用で課題を抱えているお客様にはぜひご検討いただきたいと思っております。
高精度帯域制御(QoS)アプライアンス「PureFlow」については以下をご覧ください。
「PureFlow」の特徴
https://www.scsk.jp/sp/pureflow/feature/index.html
「PureFlow」のラインナップ
https://www.scsk.jp/sp/pureflow/lineup/index.html
「PureFlow」ケーススタディ
https://www.scsk.jp/sp/pureflow/casestudy/index.html