Sysdigで始める「守りのセキュリティ」:コンプライアンスチェック機能の重要性と活用術
みなさん、こんにちは!SCSKの鳥飼です。
SCSK技術者によるSysdigブログ、第37回となる今回は、Sysdig Secureの強力な機能の一つである「コンプライアンスチェック機能」をご紹介します。
「コンプライアンス」と聞くと、法規制への対応というイメージが強いかもしれませんが、クラウドネイティブな環境においては「設定ミスによる事故を防ぐためのガードレール」として非常に重要な役割を担います。
🌟コンプライアンスチェックの位置づけ
Sysdig Secureには大きく分けて3つの柱となる機能があります。それぞれの役割を整理してみましょう。
| 機能 | 役割 | 具体的な内容 |
|---|---|---|
| コンプライアンスチェック | 事前の防御 | KubernetesマニフェストやOS、クラウド設定の不備(設定ミス)をチェックする |
| 脆弱性検知 | 資産の健全化 | コンテナイメージやOSパッケージに含まれる脆弱性(CVE)を検知する |
| ふるまい検知 | 侵害時の対応 | システムコールやログを監視し、リアルタイムに不審な動きを検知・遮断する |
ゼロトラストの観点では、侵害をいち早く検知するふるまい検知がSysdigの要です。
しかし、「攻撃者に狙われる隙(設定不備)をあらかじめ最小化しておく」ことも、被害を未然に防ぎ、万が一の際の被害を最小限に抑えるために極めて重要です。これがコンプライアンスチェックの役割です。
🌟Sysdigのコンプライアンスチェックが選ばれる理由
Sysdig Secureのコンプライアンスチェック機能には、運用負荷を下げつつセキュリティレベルを維持するための工夫が詰まっています。
- 複雑な設定不要で即開始: 膨大なフレームワークがプリセットされており、環境を連携させるだけで、すぐにスキャンを開始できます。
- 24時間ごとの自動スキャン: 一度のチェックで終わらせず、定期的な自動実行により「気づかないうちに設定が変わっていた」という事態を防ぎます。
- 具体的な修正案の提示: 単に「NG」と出すだけでなく、「どう直すべきか」というガイドが表示されるため、エンジニアの作業効率が格段に向上します。
🌟対応フレームワーク一覧 (2026年3月10日時点)
Sysdigは、クラウド、Kubernetes、OSまで幅広くカバーしています。以下は、Sysdigがデフォルトで提供するフレームワーク一覧です。Sysdig Secure上では、「ポリシー」という単位で管理されます。
1. CISベンチマーク (業界標準のセキュア設定基準)
世界で最も信頼されているプラットフォーム別の設定基準です。
- クラウド(CSP): AWS (v5.0.0対応), Azure, GCP, Oracle Cloud
- Kubernetes: 各種マネージドサービス(EKS, AKS, GKE, OKE)および OpenShift に対応
- OS: Amazon Linux, RHEL 8/9, Ubuntu (24.04対応), Windows Server 2019/2022, さらには Bottlerocket 等のコンテナ最適化OSまで
- アプリ: Docker, Apache
2. NIST規格 (米国国立標準技術研究所)
政府機関やグローバル企業で採用される、非常に厳格なフレームワークです。
- NIST CSF 2.0 / Privacy Framework
- SP 800シリーズ: SP 800-53 (High/Mod/Low), 800-190 (コンテナセキュリティ), 800-218 (SSDF) 等
3. Sysdig独自・リサーチベース
Sysdigのセキュリティ専門チームが策定した、実戦的なベストプラクティスです。
- AWS/GCP/Kubernetes 向けの独自ベンチマーク
- Rancher (RKE2) や Mirantis (MKE) 等の特定ディストリビューション向け
4. 地域別・公的規制
各国の法的要件や、特定の業界で求められるガイドラインです。
- グローバル: GDPR, SOC 2, PCI DSS (v4.0.0対応), ISO 27001
- 米国/欧州: FedRAMP, HIPAA, DORA (金融), NIS2
- アジア/その他: 日本の基準に近いものから、インド(DPDP), オーストラリア(ISM)など各国の規制を網羅
5. 脅威ベース・技術特化
- MITRE ATT&CK / DEFEND: 攻撃手法に基づいたチェック
- NSA/CISA: Kubernetes Hardening Guide
- OWASP: Kubernetes Top Ten
🌟まとめ
今回は、設定ミスから環境を守る「コンプライアンスチェック機能」をご紹介しました。
クラウドネイティブな環境は変化が激しく、手動でこれら全ての基準をチェックし続けるのは困難を極めます。まずはSysdigで現在の状況を可視化し、優先順位の高いものから修正していく。このサイクルを回すことが、安全なインフラ運用の第一歩となります。
「自社の環境が今の基準で合格点なのか知りたい」「最新のPCI DSS v4.0に対応したい」といったご要望があれば、ぜひSCSKまでお気軽にご相談ください!
担当者紹介
- 担当者名
- 鳥飼
- コメント
- Sysdigを中心にコンテナ、Kubernetes、クラウド領域の業務に従事しています。
- 保有資格
- Certified Kubernetes Administrator
SCSK技術者ブログ
Sysdigで始める「守りのセキュリティ」:コンプライアンスチェック機能の重要性と活用術
Sysdigで実現するKubernetesのSOAR!新機能「Automation」でセキュリティ運用を自動化してみた
今のSysdig Secureはどう選ぶ?現在のライセンス体系を分かりやすく解説
FIM Policyで可視化する コンテナ内ファイルの変更
Sysdigのサプライチェーンポリシーを試してみる
Sysdig MCP Server x Claude Desktopを試してみました【セットアップから実践まで】
Sysdig運用の基本!トラブルシューティングのポイントを解説
クラウドにおけるサーバーレスワークロードの保護:Sysdig Secureによるアプローチ
Platform Engineering Kaigi 2025 参加レポート
検知から対応をシームレスに! Sysdigの新機能「Response Action」でインシデント対応を迅速化
【SCSK技術者によるブログ】生成AIでSysdigエージェントのアップグレードを効率化 〜Helm values.yamlの移行作業を自動化〜
【SCSK技術者によるブログ】Sysdigの「Search」機能を体験!生成AIでクエリの学習コスト無しに脆弱性調査
【SCSK技術者によるブログ】ゼロトラスト文脈でのクラウドセキュリティ、そしてSysdig
【SCSK技術者によるブログ】Sysdigと組み合わせて効果的なソリューションのご紹介 ~ネットワークポリシー編~
【SCSK技術者によるブログ】生成AIで過検知対策を効率化!Sysdig Sageの実力検証
【SCSK技術者によるブログ】なぜ今、Sysdigが選ばれるのか?動画で解説!クラウドネイティブセキュリティの最前線 - SCSKの日本語伴走サポートで安心導入
【SCSK技術者によるブログ】Serverless AgentがAzure Container Appsに対応しました
【SCSK技術者によるブログ】システムコール分析における生成AIの活用
【SCSK技術者によるブログ】Sysdig情報アップデート~AWS連携にS3オプションが追加されました~
【SCSK技術者によるブログ】Falco初学者講座 - Exceptions編
【SCSK技術者によるブログ】Falco初学者講座 - List/Macro編
【SCSK技術者によるブログ】コンテナの電力消費をSysdig Monitorで監視してみよう
【SCSK技術者によるブログ】Sysdigの脅威検知はFalcoだけじゃない ~Contianer Drift編~
【SCSK技術者によるブログ】~Falco初学者に送る~ Sysdig SageでFalcoを勉強してみよう②
【SCSK技術者によるブログ】~Falco初学者に送る~ Sysdig SageでFalcoを勉強してみよう①
【 SCSK技術者によるブログ】Sysdigの設定をTerraformで管理してみた(Monitor編)
【SCSK技術者によるブログ】Falco初学者講座 - condition編
【SCSK技術者によるブログ】Sysdig Sageを使ってみた
【SCSK技術者によるブログ】Sysdigと組み合わせて効果的なソリューションのご紹介 ~ポリシーエンジン編②~
【SCSK技術者によるブログ】Sysdigをセキュアに使おう~IP Allowlist編~
【SCSK技術者によるブログ】Node ExporterをSysdig Monitorに連携してみた
【SCSK技術者によるブログ】Sysdigの設定をTerraformで管理してみた
【SCSK技術者によるブログ】CNAPPの理解とSysdigのカバレッジ
【SCSK技術者によるブログ】Sysdigの脅威検知はFalcoだけじゃない ~マルウェア検知編~
【SCSK技術者によるブログ】Sysdigのライセンス体系
【SCSK技術者によるブログ】Sysdig とMicrosoft Entra ID間でSAML認証設定を試してみた
【SCSK技術者によるブログ】Sysdigと組み合わせて効果的なソリューションのご紹介 ~ポリシーエンジン編~
【SCSK技術者によるブログ】Sysdigの脅威検知はFalcoだけじゃない ~AWSサインインなりすまし検知編~
【SCSK技術者によるブログ】Sysdig SecureのRisks機能を試してみた