Case 2 全社的なUX向上への取り組み

N.S.
ビジネスデザイングループ
ビジネスデザイングループ統括本部
事業企画推進部
自然科学研究科修了|1999年入社
(退職後2021年リ・ジョイン)

学生時代はデザインを学び、人にとって使いやすいシステム開発がしたいと入社。当時はまだUXという概念はなく、ユーザビリティ向上のためのスキルを高めるべく光学機器メーカーに転職。そこでUXを意識した製品作りを学び、2021年にSCSKに復帰。現在は新規事業を支援・伴走する事業企画推進部に所属し、クリエイティブ視点で各プロジェクトをサポートしている。

K.N.
事業革新推進グループ
技術戦略本部
S-Cred+推進部
外国語学部卒業|2009年入社

金融関連企業に常駐しシステム開発を行っていた頃、仕様通りに開発・納品しても業務にそぐわない、使いづらいという課題が発生。その原因がユーザビリティにあると考えたことからUXに興味を抱く。その後、全社横断でUX推進に取り組む部署に異動し、さまざまなシステムのユーザビリティ改善や、開発標準プロセスの策定に携わったが、そこでUX向上の仕組みづくりが必要だと確信し現部署に異動。全社的なUX向上のための取り組みに携わっている。

記事内の情報は2023年度取材当時のものです

UX向上に
取り組む背景

利用者のことを考えたシステム開発や
事業創出をするために

使う人に喜んでもらえるサービスを提供するためには、ユーザー体験(UX)を考慮した開発が必要です。しかし、一般にSIerのシステム開発はBtoBビジネスであり、サービスを提供する企業に対してシステムを提供し、実際にサービスを利用するエンドユーザーとの接点は間接的であることが多いです。つまり、ユーザーの実態が見えにくく、真のユーザーニーズや課題に気づきにくいです。またシステム開発はプロジェクト単位で進められているため、UXに関する知見を得ても、それが他のプロジェクトに共有されにくいといった課題があります。
私が所属するS-Cred+推進部では、各事業部やプロジェクトが同じようなことで悩まないで済むように、社内での実績やノウハウを集約して、UXデザイン・UIデザインに取り組むための仕組みや標準を整備し、提供しています。『UXデザイン標準プロセス』はUXデザインの進め方を標準化したガイド。また、UIデザインの生産性向上には、デザイン原則やガイドライン、画面部品等を共有・再利用可能にした「S-Cred+デザインシステム」が役立ちます。これらの元になっているのは、過去10年にわたるUX向上やユーザビリティ改善に取り組んだ際の工夫や苦労です。(K.N.)

新事業を
創出するための
取り組み

ユーザー要求に基づく仮説検証で、
ユーザー体験を設計

SCSKでは、社会課題の解決に向けた新規事業の創出に取り組んでいます。私が所属する事業企画推進部では、様々な事業テーマに対してユーザ視点からのアプローチを重視するUXデザインの観点で、事業創出、サービス開発支援を行っています。具体的には、ユーザー要求を起点とした仮説検証を繰り返しながらユーザー体験の設計を進めます。このような取り組みを通じて、社会課題を解決するための事業開発の現場で、デザインの力を発揮できるのは、UXデザイナーにとっての醍醐味の1つです。

事業創出の道しるべとして活用しているのが「事業創出手引書」です。この手引書は、デザイン思考やリーンスタートアップの考え方をベースに事業企画推進部で作成したものです。事業創出の現場で得た知見を加えながら、手引書の改訂を続けるだけではなく、より具体的にUXデザインの導入が進められるよう、サービスデザインのためのガイドラインの制作も進めています。

また、今後さらに増加するであろう新規事業創出やお客さまとの共創プロジェクトにも対応できるように、UXデザイナーの増強や人材育成といった、長期的な体制づくりにも重点を置いています。そのために、K.N.のいる技術戦略本部や各事業グループなど、組織を横断した活動として取り組んでいます。(N.S.)

事業部のUX力を
高めるための
取り組み

実践的なUX講座や
勉強会を開催

SCSKでは、まだUXやサービスデザインが一般的でなかった2010年から全社員向けの社内研修「UX講座」を開催しています。また、事業部やプロジェクトの状況に合わせたワークショップ型の勉強会開催を通じて、これまでにのべ4,104人(2023年3月末時点)が受講しました。研修も勉強会も、人間中心設計をベースに理論と実践を学べる内容になっており、受講者が現在進行しているプロジェクトを題材にしたケーススタディやユーザビリティ評価など、実戦に即した内容も組み込んでいます。システムやサービスを利用する人々への理解を深めてUX要求と課題を整理し、アイデア発想の上でカタチにして、利用者視点で評価する。こうした一連の流れへの理解を深められるようにさまざまなコンテンツを用意しました。もちろん、我々が所属するS-Cred+推進部や事業開発推進部のメンバーが講師をつとめています。(K.N.)

今後の
目標・ビジョン

UXデザインを
社内のすべての活動の日常に

まずは、社内のすべての活動で、UXデザインが当たり前に適用される状態を定着させることが大きな目標です。また、個人的には、使えない/使いにくいシステムを、使いやすい/使いたくなるシステムに生まれ変えていきたいです。そのためには、デザイナーとエンジニアで協力して、コト/モノ作りに取り組む体制づくりが必要。そして「選ばれる、喜ばれるものを生み出せたね!」と、みんなで楽しく仕事をしていきたいです。(K.N.)

社内では、まだサービスデザインやUXデザインの必要性を認識されていないことが多いので、まずはそれを改善していきたいです。と同時に、私自身もデザイナーとしてのスキルを磨き、専門性を高めて、今後も新しいことに積極的にチャレンジしていきます。(N.S.)

Message

学生へのメッセージ

SCSKは技術の会社ですが、文系出身者でも活躍できるステージはたくさんあります。UX/UIもそのひとつ。楽しく、やりがいのある仕事をしたいなら、ぜひSCSKの取り組みに注目してください。(K.N.)

SCSKはやりたいことを実現できる会社です。今は実現不可能と思えることでも、どれほど突飛なアイデアでも、挑戦したいと言い続ければ、その機会は与えられます。(N.S.)