Healthcare ヘルスケア
ヘルスケアセンター
ヘルスケア事業企画部
文学部卒|2018年キャリア入社
新卒で入社したソフトウェア会社では、公共インフラや飲食サービスなど、さまざまな業種向けのシステム開発プロジェクトに従事し、2018年にSCSKに入社。以来、ヘルスケケアセンターに所属し、ビジネスクリエーターとして、ヘルスケア領域の新規事業企画を担っている。
記事内の情報は2023年度取材当時のものです
ヘルスケア事業の特色
医療機関を中心とした
ヘルスケア領域の
社会課題解決を目指す
日本では国民皆保険制度の下で、あらゆる人が質の高い医療サービスを受けることができます。しかし、医療を提供する病院は、医療従事者の不足、高度医療を担う病院への患者集中により医療現場がひっ迫するなど、多くの社会課題に直面しています。これに加え、2024年には医師の長時間労働規制が施行され、医療の質を維持しながら医師の労働時間の短縮を実現するためには、医療現場の業務効率化(働き方改革)が急務となっています。
SCSKのヘルスケア事業では、病院やヘルスケア産業と共創し、ヘルスケア領域における社会課題の解決と事業性の確立を目指す新事業の創造に取り組んでいます。
具体的な取り組みについて
コミュニケーション
プラットフォーム「Dr2GO」
現在は、1人の医師が1人の患者を診る主治医制による診療が主流です。医師の働き方改革を実現するためには、複数の医師が1人の患者を診療するチーム診療制への移行が不可欠となります。Dr2GOは、チームによる診療を支援するコミュニケーションプラットフォームです。複数の医療者間で、患者の情報を共有しながらコミュニケーションを取ることで、チームによる継続性のある医療の提供を支援します。
Dr2GOの最大の特徴は、病院と共創して開発を行った点にあり、現在も医師や看護師に利用いただきながら、継続的にサービスを進化させています。このため、多くの病院から医療現場の業務にフィットするとの評価をいただいています。現在は、病院内のコミュニケーションだけではなく、地域の病院間で、患者の転院調整業務を支援する地域コミュニケーション基盤としてもご活用いただいています。
AIを活用した「Dr2GO」の高度化
チーム診療の実現には、どの医療者が診ても同じ品質の医療が提供される事が重要です。このため医療者は診療のガイドラインや薬の情報など多くの情報を参照しながら、日々の診療業務にあたっています。しかし、参照すべき情報が、病院内やインターネットに点在しているため、目的となる情報を検索する事に多くの時間を費やしているという課題があります。
この課題を解決するために、AIを活用しています。Dr2GOを利用したログをもとに、点在している情報から目的となる情報を自動的に探し出し、医療者に配信するサービスを提供しています。このサービスにより、情報検索にかかる時間の短縮に加え、ガイドラインに即した標準的な医療の提供を支援できると考えています。
また、患者治療に不可欠な薬や医療機器の情報を、ヘルスケア産業と共創し、配信することで、ヘルスケア産業の業務確認にも寄与できる仕組みとなっています。
今後の挑戦・可能性
ヘルスケア領域の社会課題の根源の一つに、医療データの分断があると考えています。例えば、大きな病院に入院し手術を受けたデータと、手術後に転院した地域病院でリハビリを受けたデータは連続性のあるデータにはなっていません。このため、地域で一貫性のある医療を患者に提供できない、という問題が発生します。まずは、Dr2GOを多くの病院に提供することで、患者が集中している大病院の院内業務の効率化と、地域病院への転院調整業務の効率化を目指します。並行して、退院後の患者の回復を支援する健康増進サービスを企画しています。将来的には大きな病院の受診データと地域病院の受診データ、退院後の生活データをつなげることで医療データの分断を解決し、データを活用した医療の高度化に寄与する新事業の企画を目指します。
私個人としては「Dr2GO」に携わったことでキャリアビジョンが大きく広がりました。医師や看護師の実業務に触れたことで、多くの病院から医療現場のDX化に関するコンサルティング依頼をいただくようになりました。これまで培ったITの専門性に加え、医療における専門性を高め、医療現場の多くの課題を解決する事業を企画することを目標に、日々の仕事に取り組んでいます。