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クラウドとネットワークの深い関係~忘れちゃいけない4つのポイント~

クラウド
2022.03.15

クラウドを利用するときのネットワークについてお話します。(ここでのネットワークは、「ネットワーク回線」を指します) 実は、というほどではないですが、クラウドとネットワークは、切っても切り離せない関係性にあります。
「クラウドとは」を説明する際に引用されることの多かったNIST(米国国立標準技術研究所)の定義でも、冒頭文に「~ネットワーク経由でアクセスすることを可能とする~」という一文があるくらいです。
クラウドは、利用者から離れた場所にあるサービス基盤に対してアクセスすることで成り立つわけですから、当たり前の話ではあるのですが、その当たり前の話をうっかり忘れてしまうと、クラウドを活用するために必要な考慮も漏れてしまうことになります。

では、ネットワークを通じてクラウド環境にアクセスする際、どんなことに考慮しておくべきでしょうか?
大まかに以下4つのポイントになると思います。

①2つの通信 ②接続方法/手段 ③必要帯域 ④距離が離れる影響

これらはクラウドに限定されず、「離れたところにアクセスする」ときの考慮に等しいので、データセンターの利用時にも同様のことが 言えます。
では、各ポイントで何を考えるとよいのかについてお伝えしています。

① 2つの通信

これは、クラウドで稼働させたいシステムに対して、利用者がシステムを使うための通信、いわば「表」の通信と、利用者にシステムを提供するために必要なサーバ間通信や管理者のメンテナンス通信といった、「裏」の通信の2つがありますよ、ということです。
社内システムのように、表と裏の通信がいずれも社内ネットワークから行われるのであれば、②接続方法/手段と③必要帯域への考慮は1つですが、ECサイトのように利用者が社外の場合は、表にインターネット、裏に閉域網を用意するなど有り得るので、表の通信、裏の通信それぞれについて、②③の考慮を行う必要があります。

② 接続方法/手段

これは、端的に言うと、閉域網かインターネットか、インターネットなら暗号化通信か否か、を指しています。
前項①で出てきた「表の通信」を行うのが消費者やモバイル端末等であれば、接続方法はインターネットを、秘匿情報のやり取りがあれば、サーバ証明書等の暗号手段を選ぶことになります。
「裏の通信」については、インターネットならば暗号化は必須と言え、サーバ間接続では、IPsec等の暗号手段を選ぶことになります(いわゆるインターネットVPN)。また、閉域網を使う場合は、各通信キャリアから提供されている広域イーサネットやIP-VPNを選択します。
ちなみに、SCSKのプライベートクラウド「ユーサイズ」は特定の電気通信事業者に依存しないマルチキャリア対応のため、接続方法についてもシステムの特性や要件に応じて柔軟に選択できます。

3.帯域

表と裏の通信に対して、必要となる帯域を検討します。スタートアップなどでどのくらいの帯域が必要か分からない場合は、帯域変更が柔軟なサービスを選ぶことも一つの手です。例えばUSiZEのオプションサービスUSiZE Connectでは、物理構成に手を加えず、依頼ベースで帯域の変更が行うことができます。

4.距離が離れる影響

この点は、特に既存システムをクラウド化する際に考慮が必要です。今まで隣にあったサーバが離れたところに行ったら、パフォーマンスに影響があるか?ということです。
特に1処理に多くのサーバ間IOを繰り返すシステムが要注意です。極端な例で言えば、たった1msec(ミリセック)の回線遅延でも、1処理に1,000IOを要す処理であれば、1秒の遅延に繋がってしまうからです。
こういった場合は、IOの相互依存性が高いサーバは全てクラウドに載せるとか、データセンターのハウジングと組み合わせてハイブリッド型にするといった、別のアイデアが考えられます。

これらのポイントを押さえてネットワーク選びをすることで、クラウドのメリットをより享受できるようになるでしょう。

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