ユーザ会:開催予定とアフターレポート

ADVENTURECluster ユーザ会 2018 アフターレポート

2018年7月6日(金)

2018年7月6日(金)、株式会社アライドエンジニアリングとSCSK株式会社の共催による「ADVENTURECluster ユーザ会 2018」を開催しました。ADVENTUREClusterは、ADVENTUREプロジェクト(設計用大規模計算力学システム開発プロジェクト=日本学術振興会未来開拓推進事業)の成果をもとに、SCSKグループの株式会社アライドエンジニアリングが開発した国産の大規模並列構造解析システムです。

10回目のユーザ会となる今回は、大阪大学 接合科学研究所 准教授 堤様の基調講演をはじめ、ユーザ各社様の先進的な活用事例講演や、開発元である株式会社アライドエンジニアリングからの最新トピックスの発表など、充実した内容を取りそろえてご紹介しました。

当日は、300名を超える多くのお客様にお申込みいただき、大盛況のうちに終えることができました。 たくさんのお客様のご来場、誠にありがとうございました。

日立建機株式会社
主催 株式会社アライドエンジニアリング/SCSK株式会社
協賛 日本ヒューレット・パッカード株式会社
開催日時 2018年7月6日(金) 10:30~17:00 17:30~懇親会
会場 名古屋マリオットアソシアホテル
所在地 〒450-6002 愛知県名古屋市中村区名駅1-1-4
対象 1. ADVENTUREClusterのユーザ様
2. ADVENTUREClusterにご興味・ご検討いただいているお客様

基調講演「非線形CAEを活用した疲労き裂発生伝播寿命評価と最適接合プロセス条件の探求」

大阪大学 接合科学研究所

大阪大学
接合科学研究所
准教授  
堤 成一郎 様

本ユーザ会の基調講演には、革新的な疲労性能予測に取り組まれている大阪大学 接合科学研究所 准教授 堤様にご登壇いただき、「非線形CAEを活用した疲労き裂発生伝播寿命評価と最適接合プロセス条件の探求」と題し、ご講演いただきました。

競争力の高い高度なものづくりを実現するためには、各種材料からなる構造体に生じる変形・破壊・疲労現象の深い理解に基づく高度な力学設計と、その構造を実現する最適プロセス設計の両者を高次に機能させる必要があります。

講演では、まず、鋼構造を対象とした非線形FEM/X-FEM解析技術を活用した疲労き裂発生/伝播寿命評価手法について解説いただきました。あわせて、溶融池形成解析技術との連成による最適プロセス条件の探査など、構造体の疲労き裂発生寿命評価に関する諸研究事例について、各種シミュレーション例を交え詳細にご説明いただきました。

ユーザ様事例発表①「ADVENTUREClusterを活用したガスケットシール性評価事例」

株式会社豊田自動織機

株式会社豊田自動織機
コンプレッサ事業部 技術企画部
設計室 設計第3グループ
松本 和也 様

株式会社豊田自動織機様では、コンプレッサ設計・開発において、製品の付加価値向上・開発期間 短縮を目的に、多くの業務で解析が取り入れられています。

本セッションでは、カーエアコン回路内の冷媒ガスを高温高圧に圧縮するコンプレッサにとって、非常に重要な機能であるシール性評価において課題となっているガスケットのモデル化方法について、ご説明いただきました。また、ADVENTUREClusterを導入することで、計算時間が大幅に短縮でき、計算効率が向上した設計への適用事例も、ご紹介いたただきました。

ユーザ様事例発表②「ADVENTUREClusterを活用したバンパ金型設計品質向上への取組」

トヨタ車体株式会社

トヨタ車体株式会社
プレス化成生技部
第2化成技術室
樹脂型設計G
玉城 誠志 様

トヨタグループの中枢ボデーメーカーであるトヨタ車体株式会社様では、バンパ金型設計の型費低減につながる形状探求、および成形品質の向上のために、型構想段階からADVENTUREClusterを活用いただいています。

本セッションではまず、金型設計の解析手法および問題点について整理しご説明いただきました。続いて、バンパ金型設計において、流動解析との連成解析を行うことで剛性解析の精度を高め、ロバスト性を確保した金型設計を行うプロセスを構築し、解析精度の向上をはじめ、脱型時のキズ不具合予測などに効果を示したADVENTURECluster適用事例についてご説明いただきました。

ユーザ様事例発表③「型構造解析精度向上に向けた取り組み」

三菱自動車工業株式会社

三菱自動車工業株式会社
生産技術本部
板金樹脂生産技術部
先行計画Gr.
田中 宏城 様

三菱自動車工業株式会社様では、板金部品の製品設計・生産において、プレス金型の強度不足が原因と考えられるプレス金型部品の破損および板金部品の成形性不良の事例がこれまで多く確認されており、事前検討による型不具合・強度不足への対策が必要と考えられていました。しかしながら、実型プレス時の成形途中における金型変形挙動を定量的に測定した事例は少なく、構造解析結果と実型との整合性評価は困難となっていました。

本セッションでは、広範囲のひずみを測定可能な機器を活用し、これまで明らかにできなかったプレス成形途中における金型変形挙動を分析し、ひずみ測定結果と構造解析結果との整合性を評価した事例についてご紹介いただきました。

ユーザ様事例発表④「大型溶接構造物の高速溶接変形解析」

株式会社日立製作所

株式会社日立製作所
研究開発グループ
材料イノベーションセンタ
材料プロセス研究部
材料M1ユニット
村上 寛企 様

日立グループ様では、革新的新材料や材料プロセス技術を活用することで、お客様の課題解決に寄与するソリューションの提供に取り組まれています。

本セッションではまず、製品の信頼性・品質確保に影響を及ぼす溶接技術および溶接部品質の重要性について解説いただきました。 あわせて、溶接変形を考慮した大型構造物の設計に対し、高速で溶接解析が可能な手法をADVENTUREClusterに適用し、計算時間や解析精度について検証した事例についてご紹介いただきました。

ユーザ様事例発表⑤「ADVENTUREClusterを活用したダイカスト製品寸法予測CAEの紹介」

トヨタ自動車株式会社

トヨタ自動車株式会社
パワートレーンデジタル改革部
生技デジタルエンジニアリング室
CAE2G
吉田 尚弘 様

トヨタ自動車株式会社様では、パワートレーンの開発において、もっといいクルマを短期間にお客様に提供できるよう、デジタル技術を用いた設計・生技・製造部門の同期開発を推進されています。中でも、ダイカスト鋳造製品の開発では、製品や金型のさまざまな要求品質を短期間で造りこむためにADVENTUREClusterなどを活用したCAEによる事前評価、および製品・金型構造の検討を実施されています。

本セッションでは、要求品質の一つである製品寸法の評価を目的とした製品変形解析にADVENTUREClusterを活用し、肉厚誤差の予測精度向上および実機との変形傾向一致を実現した事例についてご紹介いただきました。

最新トピックスのご紹介

SCSK株式会社

SCSK株式会社
製造エンジニアリング事業本部
解析ソリューション第三部
中山 啓

SCSK株式会社

SCSK株式会社
製造エンジニアリング事業本部
解析ソリューション第三部
川島 正道

本セッションでは、ADVENTUREClusterの最新トピックスとして、SCSKが取り扱うCAEソフトが利用でき、ADVENTUREClusterとの連携解析、大規模解析にも対応したクラウド環境を提供する「CAEクラウドサービス」、解析手法の技術構築やリソース不足をサポートする「受託支援サービスサービス」、CAE初心者の皆様向けに材料力学の考え方や基礎知識をお教えする「CAE基礎講座」についてご紹介しました。

あわせて、ADVENTUREClusterの連携解析の取り組みとして、設計空間探索プラットフォーム「pSeven」、ケーブル・ハーネスシミュレーション「IPS Cable Simulation」、エンジン性能解析ツール「Ricardo Software」との連携についてご紹介しました。

プレポスト、ソルバ最新バージョン(v2018)の機能のご紹介

株式会社アライドエンジニアリング

株式会社アライドエンジニアリング
ADVC事業部
大窪 敏裕

株式会社アライドエンジニアリング

株式会社アライドエンジニアリング
ADVC事業部
大山 知信

ADVENTUREClusterプリポストの新機能として、「ADVENTURECluster Builder、Visual」の新機能についてご説明するとともに、「ADVENTURECluster ソルバ」の新機能についてご紹介しました。

懇親会

懇親会
懇親会

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