連成解析
連成解析とは、2つ以上の物理現象が相互に及ぼす影響を考慮した解析をすることを指します。例えば、高温・高速流体が構造体に衝突する際、熱伝播や変形に大きな影響を与え、それにより発生した流体力がさらに大きく構造体の変形に影響を与えることがあります。このようにお互いに影響を及ぼし合う事象を正しく評価するには、連成解析が必要となります。一般に連成解析には双方向連成と片方向連成があり、以降で紹介する内容は片方向連成となります。片方向連成は、解析時間ステップごとに相互にデータをやり取りします。また、最近では製造プロセスで発生する因子を設計段階で考慮することも少なくもありません。この観点で最近よくお聞きする連成解析の利用シーンを以下に示します。
連成解析が必要となるシーン(例)
製品設計
- 鋳造品
- 製品の機能に影響を与えるような反り/焼けが発生
- 鍛造品
- 熱処理済み後、製品の部位ごとに強度が異なり、一部破損が発生
- 樹脂製品
- 製品の機能に影響を与えるような反り/引け/白化が発生
型設計
- ダイカスト金型
- 製品の機能に影響を与えるひび割れの発生 バリ発生/スライドのかじり/離形時の押しピン損傷/熱による金型疲労寿命 残留応力の違いによる強度ばらつきがあり/破損が発生
- 射出成形金型
- バリ発生/スライドの機構のかじり/熱収縮のアンバランス/反りの発生
- プレス金型
- プレス型崩れによる製品寸法のずれ/成形中の型損傷/スプリングバックの予測と型見込み
他ソフトと連成解析をすることで、より正確な評価検討が可能です