ユーザ会:開催予定とアフターレポート

ADVENTURECluster ユーザ会 2017 アフターレポート

2017年7月7日(金)

2017年7月7日(金)、株式会社アライドエンジニアリングとSCSK株式会社の共催による「ADVENTURECluster ユーザ会 2017」を開催しました。ADVENTUREClusterは、ADVENTUREプロジェクト(設計用大規模計算力学システム開発プロジェクト=日本学術振興会未来開拓推進事業)の成果をもとに、SCSKグループの株式会社アライドエンジニアリングが開発した国産の大規模並列構造解析システムです。

9回目のユーザ会となる今回は、近畿大学 理工学部 機械工学科 教授 和田様の基調講演をはじめ、ユーザ各社様の先進的な活用事例講演や、開発元である株式会社アライドエンジニアリングからの最新トピックスの発表など、充実した内容を取りそろえてご紹介しました。

当日は、250名を超える多くのお客様にご来場いただき誠にありがとうございました。

ユーザ会 2017
主催 株式会社アライドエンジニアリング/SCSK株式会社
協賛 日本ヒューレット・パッカード株式会社
開催日時 2017年7月7日(金) 10:30~17:00 17:20~懇親会
会場 東京コンファレンスセンター 品川
所在地 〒108-0075 東京都港区港南 1-9-36 アレア品川5F
対象 1. ADVENTUREClusterのユーザ様
2. ADVENTUREClusterにご興味・ご検討いただいているお客様

基調講演「CAEにおけるディープラーニング活用 ~重合メッシュ法によるき裂進展挙動学習~」

近畿大学

近畿大学
理工学部 機械工学科
教授
和田 義孝 様

本ユーザ会の基調講演には、計算力学、破壊力学、非接触ひずみ計測をご専門とされている近畿大学 理工学部 機械工学科 教授 和田様にご登壇いただき、「CAEにおけるディープラーニング活用 ~重合メッシュ法によるき裂進展挙動学習~」と題し、ご講演いただきました。

「ILSVRC 2012(ILSVRC:ImageNet Large Scale Visual Recognition Challenge コンピュータの物体認識の精度を競うコンテスト)」で、ディープラーニング(深層学習)の有効性が画像認識において示され、その可能性に多くの人々が期待する状況になり、5年が経ちました。しかし現在においても、計算力学やCAEといった分野こそ、ディープラーニングとの親和性が高いと期待するものの、その応用方法・利用方法については先行研究事例すら少ない状況にあります。

講演では、コンピューティングパワーにより学習用データを大量生成し、何をどのように学習するのが最も効果的かつ効率的かをき裂進展挙動を通して考察いただくとともに、並列計算環境におけるディープラーニングの学習データ生成についてもご説明いただきました。また講演の終わりには、「最適な学習用データの収集・厳選は困難。しかし、CAEとディープラーニングの融合は適材適所のテクノロジーといえ、ディープラーニングによる汎用技術はCAEにおいても適用の可能性は高い。CAE(Computer Aided Engineering: コンピュータ援用設計)からA2E(Artificial intelligence Aided Engineering:AI援用設計)への進化が期待できる」と話されました。

ユーザ様事例発表①「ADVENTUREClusterを用いた大型溶接構造物の信頼性向上」

日立建機株式会社

日立建機株式会社
実験解析評価センタ
三井 和麻 様

建設機械・運搬機械および環境関連製品などの製造・販売を手掛けられている日立建機株式会社様の実験解析評価センタでは、FEM解析を用いた油圧ショベルの強度評価に関する高度化に取り組まれています。

本セッションでは、超大型ショベルにおける大型溶接構造物の信頼性向上という課題に対し、破損が起こりやすい溶接不溶着部にかかる負荷の事前評価手法について、機構解析と組み合わせたADVENTREClusterの適用事例をご紹介いただくとともに、ADVENTUREClusterを適用することにより、得られた効果についてもお話しいただきました。

ユーザ様事例発表②「ダイカスト製品の金型への抱き付き力および残留応力解析事例」

株式会社アーレスティ

株式会社アーレスティ
生産技術部
設計課
植田 将志 様

オート向けを中心としたダイカストの大手製造メーカーである株式会社アーレスティ様では、アルミダイカスト設計業務において、ダイカスト製品の疲労寿命や寸法精度向上に対し、離型力、残留応力、熱変形など熱的な影響に考慮した解析が必要となっています。しかし、これらの解析には、金型を含めた解析モデルの大規模化に加え、材料クリープ特性などへの考慮も必要となることから、解析負荷の増加が大きな課題となっています。

本セッションでは、これらの課題の解決に向け、従来ソフトとADVENTUREClusterを解析精度と解析時間の観点で比較した事例をご紹介いただくとともに、金型への抱き付き力および残留応力の解析にADVENTUREClusterを適用した事例について詳しくご紹介いただきました。

ユーザ様事例発表③「ADVENTUREClusterを活用した高周波焼入れ解析」

ヤンマー株式会社

ヤンマー株式会社
中央研究所 基盤技術研究部
生産技術グループ
上田 英明 様

ヤンマー株式会社様では、適正な品質・価格・タイミングで製品をお客様に提供することを目指し、さらなる解析技術の高度化および適用範囲の拡大を図っておられます。

本セッションでは、エンジン部品の高周波焼入れ解析において、製造時の残留応力予測や処理条件導出に適用するためユーザ関数機能を活用した解析技術を構築し、計算精度や計算時間、計算効率などの基本性能について、従来ソフトとADVENTUREClusterとの比較検証を行った事例について詳細にご説明いただきました。

ユーザ様事例発表④「プレス金型におけるADVENTUREClusterの活用事例」

株式会社ヒロテック

株式会社ヒロテック
金型技術部
金型設計一課
窪岡 正記 様

自動車部品開発・製造メーカーである株式会社ヒロテック様は、フタ物と排気系に特化することにより、開発から生産のすべての領域において改善と改革を推進し、オンリーワンの技術を通して世界一のエンジニアリング会社を目指されています。

本セッションでは、プレス金型の製造において、部品・工程の単位で理想的金型構造を追及するためにADVENTUREClusterを導入し、金型の変位やたわみに関して活用した4つの事例についてご紹介いただきました。

ユーザ様事例発表⑤「CAE工数削減のためのADVENTURECluster 多並列化の検討」

いすゞ自動車株式会社

いすゞ自動車株式会社
CAE・デジタル開発推進部
PT-CAEグループ
杉安 孝幸 様

トラックをはじめ、バスやピックアップトラックなどの自動車、およびエンジンを主要製品とされている、いすゞ自動車株式会社様では、解析件数の増加、解析内容の高度化に対し、CAEの期間短縮が必要であるとかねてから考えられ、改善活動に取り組まれています。こうしたなか、人による手作業が多いためモデル作成には時間を要しており、期間短縮について改善の余地を残していました。

本セッションでは、モデリング時の煩雑な設定を廃し、また、細かいメッシュコントロールをオートで実施し、計算負荷が増大した分についてはADVENTUREClusterのスケーラビリティを活かした多並列化により計算時間をカバーすることで、モデル作成期間短縮を実現した取り組みについて詳細にご紹介いただきました。

最新トピックスのご紹介

SCSK株式会社

SCSK株式会社
製造エンジニアリング事業本部
解析ソリューション部
中山 啓

SCSK株式会社

SCSK株式会社
製造エンジニアリング事業本部
解析ソリューション部
峯村 貴央

本セッションでは、ADVENTURECluster最新トピックスとして、SCSKが取り扱うCAEソフトが利用でき、ADVENTUREClusterとの連携解析、大規模解析にも対応したクラウド環境を提供する「CAEクラウドサービス」、解析手法の技術構築やリソース不足をサポートする「受託支援サービスサービス」についてご紹介しました。

あわせて、ADVENTUREClusterの構造最適化新機能についてご説明するとともに、活用事例についてデモンストレーションを交えてご紹介しました。

プレポスト、ソルバ最新バージョンの機能のご紹介

株式会社アライドエンジニアリング

株式会社アライドエンジニアリング
ADVC事業部
大窪 敏裕

株式会社アライドエンジニアリング

株式会社アライドエンジニアリング
ADVC事業部
大山 知信

ADVENTUREClusterプリポストの新機能として、「ADVENTURECluster Builder、Visual」の新機能についてご説明するとともに、「ADVENTURECluster ソルバ」の新機能およびユーザ関数機能の使用例についてご紹介しました。

懇親会

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