Mobility モビリティ

T.A.
モビリティシステム第一事業本部
プロダクトサービス部 課長
理工学研究科修了|2010年入社

入社後、R&Dを行う部門(現:技術開発本部)に配属され、クラウド基盤に関する研究開発やオープンソースの利活用業務を担当。2016年よりモビリティシステム事業部門にてQINeSに関する製品開発やAUTOSAR Adaptiveの標準化WG活動に従事。現在はQINeSに関する新たな製品開発にチャレンジするのと共に自動車メーカーとの協業活動にも携わっている。

記事内の情報は2023年度取材当時のものです

次世代の車両に向けた
車載ソフトウェア開発

モビリティ事業の特色

100年に1度の変革「MaaS」

「モビリティ」は、クルマを始めとした乗り物など、人の移動に関する用語として使われていて、AI、IoT、さらにはIoEなどの最先端技術により大きな変換期を迎えている分野です。
モビリティ・サービス(MaaS: Mobility as a Service)とは、複数の公共交通機関やカーシェアリング等の移動サービスを最適に組み合わせて、検索・予約・決済等をひとつのプラットフォームで行うサービスを指します。つまり、従来クルマが提供していた移動手段だけではなく、移動を取り巻く様々な仕組みを、ITを駆使して統合し、これまでにないサービスを作り上げていくということです。
モビリティ事業では、ソフトウェアの力で人の移動に関わる様々な課題を解決していきます。SCSKでは、モビリティ事業を新しい価値創造に向けたイノベーションを実現する事業と位置づけています。

独自プロダクトの開発

車載ソフトウェア開発を
支えるQINeS

モビリティ業界は近年、ソフトウェア中心のものづくり・サービスづくりに移行してきています。これまでのクルマは、車両のデザインやエンジン性能、つまりハードウェアが重要視されてきました。しかし今後は、自動運転や、クルマが外部の通信とつながるコネクテッド、クルマが周囲の情報をドライバーに伝えるADAS(先進運転支援システム)など、様々な機能を支えるためのソフトウェアが増えていきます。モビリティ業界におけるソフトウェア中心のものづくりへの変化は「Software Defined Mobility(SDM)」と呼ばれ、年々注目度を増しています。
QINeSは、SDM時代に対応するための、高品質で高効率な車載ソフトウェア開発を支える、一連のソリューションです。AUTOSAR準拠のBSW、開発・管理プロセス構築、教育、およびエンジニアリングサービスをワンストップで提供し、SDMの基盤ともいうべき、自動車の高度化・高機能化への取り組みを支えています。

顧客企業との共創へ

次世代の車両開発に向け、
Hondaとの
戦略的パートナーシップを締結

SCSKと本田技研工業株式会社(以下 Honda)は、新たな開発体制を構築するために、2023年に戦略的パートナーシップを締結しました。これは、Honda が持つモビリティ開発やシステム制御技術と、SCSKの持つ IT 領域での豊富な開発経験といった互いの強みを持ち寄り、SDM時代に対応するモビリティエンジニア集団を作り上げることを目指しています。
私は、Hondaとの戦略的パートナーシップ締結によって、SCSKのモビリティ事業をもう一段高い次元に引き上げることを目指しています。今後もソフトウェア中心のクルマ作りが加速していく中で共創を成功させるには、SCSKとしてもHonda社員同等の立場で上流工程から一緒に取り組んでいくことが求められています。今までのように「仕様通りに作る」のではなく、Honda社員と同じ目線で「実現したいことはなにか?どうすればそれが実現できるのか?」を考えられるエンジニアが求められています。より広い視野を持つこととチャレンジする気持ちが重要です。

モビリティ事業の今後

幅広い顧客基盤を武器に、
これまでにない価値を創出

今後、Hondaとは、次世代電子プラットフォームのオペレーティングシステムや電動パワートレーン、先進安全、自動運転に関わる開発を進めるとともに、ソフトウェアエンジニアの育成や新たな開発用ツールの共同開発などにも着手します。そのために、Honda向けのITエンジニアを2030年までに1,000名規模に増員する予定です。また、SCSKにはこれまでに培ったあらゆる事業領域における顧客基盤があり、モビリティ業界にとどまらない分野で、MaaSの観点から新たなサービスを提供できると考えています。これまでにない価値を創出し社会に提供する――100年に1度の変革期は、その目的を達成する大きなチャンスです。

Message 学生へのメッセージ

モビリティはSCSK内でも注目を集めている事業であり、今後ソフトウェア領域の重要性はますます高まっていきます。クルマから生まれる新たなサービスや仕組みを考えられる人材が求められていますので、ぜひチャレンジしてください。