IDaaSとは?機能とメリット、導入時の選び方、課題をわかりやすく解説
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クラウドとはクラウドコンピューティングの略称。インターネットを通じてアクセス可能なコンピュータリソース(共有できるサーバやストレージ、アプリケーションなど)にアクセスし利用できるモデル、またクラウドベンダー(サービス提供事業者)が管理するそれらをユーザーが使用料を支払うことで利用できるサービス形態を指す。
クラウドコンピューティング、略してクラウドは、経済産業省およびIPAの資料において次のように定義されています。
「共有化されたコンピュータリソース(サーバ,ストレージ,アプリケーションなど)について,利用者の要求に応じて適宜・適切に配分し,ネットワークを通じて提供することを可能とする情報処理形態」
(出典)経済産業省:クラウドサービス利用のための情報セキュリティマネジメントガイドライン 2013 年度版, p4
「クラウドコンピューティングは、共用の構成可能なコンピューティングリソース(ネットワーク、サーバー、ストレージ、アプリケーション、サービス)の集積に、どこからでも、簡便に、必要に応じて、ネットワーク経由でアクセスすることを可能とするモデルであり、最小限の利用手続きまたはサービスプロバイダとのやりとりで速やかに割当てられ提供されるものである。」
(出典)独立行政法人 情報処理推進機構:NIST によるクラウドコンピューティングの定義 米国国立標準技術研究所による推奨, p2
例えば、従来はあるソフトウェアを利用する場合、購入したソフトを自分のパソコンにインストールする方法が一般的でした。そのため、ソフトウェアをインストールできるPCが無かったり、動作させるためのリソースがPCに無かったりする場合は使用することができません。
一方クラウドでは、クラウドベンダーがITリソースを全て所有して用意しており、ユーザーは自分でソフトウェアを所有する必要はありません。使いたいソフトウェアがある場合はインターネットを通じてそのソフトウェアが存在するクラウドに接続し、料金を支払って「使用」することになります。このようにクラウドサービスでは、インターネットにアクセスできるデバイスがあれば、「いつでも・どこからでも・簡単に・必要に応じて」サービスを利用できるようになっています。
また企業においても、従来は自社で購入・準備した物理的なサーバなどのITインフラを、自社内に構築し、そこでソフトウェアアプリケーションや基盤などを管理・運用する、オンプレミスと呼ばれる方法が多く使われていました。オンプレミスはセキュリティ面の堅牢性やカスタマイズのしやすさなどメリットがある反面、クラウドと比較してコストが高いこと、運用までの時間がかかることなどから、現在は企業においても運用コストの低いクラウドの利用が拡大しています。
クラウドのメリットはアクセスの容易性、コスト効率などがあります。誰でも手軽に、インターネットに接続さえできれば利用できること、必要な分だけに課金すればよく費用をコントロールできること、ITインフラの所有が不要なためメンテナンスなどにかかるコストを削減できることなどが挙げられます。その他、クラウドベンダーが提供する新しいソリューションを迅速に導入できる点もメリットといえます。
一方で、クラウドのデメリットとしては拡張性の低さ、セキュリティリスク、クラウドベンダーのポリシーに左右される点などがあります。ただし拡張性やセキュリティ性能については、近年の大手サービスではかなり力を入れており、信頼性の高いサービスを提供しています。
一般的にクラウドと言う場合、「パブリッククラウド」を指すことが多いようです。パブリッククラウドはその名称(Public:公共の、共有の)どおり、複数のユーザーでリソースを共有するクラウドサービスです。利便性が高く費用が抑えられる反面、セキュリティ面でのリスクが懸念されます。
一方、「プライベートクラウド」は、特定の組織(企業、事業者など)のための専用のクラウドを指します。プライベートクラウドにはパブリッククラウドの中で仮想的に区切られている「ホステッド型プライベートクラウド」と、その組織内にクラウド環境を設置・構築する「オンプレミス型プライベートクラウド」があります。不特定多数のユーザーと共有しないためセキュリティが高いメリットがあります。
またこれらのクラウド環境を要件に応じて使い分けることができる「マルチクラウド」、オンプレミスも含めて併用できる「ハイブリッドクラウド」というサービスもあります。企業がクラウド環境を使う場合は、コストだけではなくクラウドごとの特性を理解して最適なクラウド環境を選ぶ必要があります。
【図】パブリッククラウド・プライベートクラウド・ハイブリッドクラウド・マルチクラウドの関係