PaaSとは

PaaS(読み方:パース)とはPlatform as a Service の略。システムやアプリケーションを実行する「プラットフォーム」を、インターネット上に用意して提供するサービスを指す。

PaaSとは|概要

【表1】IaaS/PaaS/SaaSの違い

IaaS、PaaS、SaaSサービスの違い

PaaSとは“Platform as a Service”の略で、IaaSのインフラストラクチャに、アプリケーションなどの開発、テスト、管理を行うためのOSやネットワーク、開発環境などの「プラットフォーム」をインターネット経由で提供するサービスを指します。

PaaSを利用することで、開発前に必要となるプラットフォーム環境の準備を省略でき、集中してアプリケーションの開発に取り組むことができます。また開発後も、初期投資費用や運用にかかるプラットフォーム環境のメンテナンスなどにリソースをかけずに済み、コスト削減を実現できます。

PaaSの利用は自由度の高い開発環境とコスト削減を同時に可能にするため、ビジネスにおける「迅速な価値の提供」を実現できるとされます。そのため、現在は多くの企業が新しいアプリケーションの開発や既存アプリケーションの最適化(モダナイゼーション)にPaaSを活用しています。一方で、導入前にはPaaSの特徴を知り、運用のためのメリットとデメリットを把握しておくことが重要です。

PaaSを利用するメリット

PaaSを利用するメリットには、主に以下の4つがあります。

【メリット1】開発に取り掛かる準備が不要、開発にのみ専念できる

PaaSは、アプリケーションの開発と運用に必要なインフラストラクチャとツールを提供するサービスです。そのため、開発前の環境準備や設定は不要になり、開発にすぐ取り掛かれ、専念することができます。

【メリット2】コスト削減が可能

PaaSでは、従量課金制の場合、費用は使った分だけが発生します。オンプレミスで開発する場合と比較するとハードウェアやOSの購入が不要になり、またそれらを設置する場所の確保と継続した費用もかかりません。スペックの増減が発生した場合は、状況に合わせて利用する容量などを変更できます。そのため全体的に見れば、コストを抑えた運用が可能です。

【メリット3】開発プロセスが高速化する

PaaSが提供するツールとサービスを使用することで、業務全体の効率化が進み、開発プロセスが高速化します。これによりアプリケーションの市場投入までの時間が短縮します。

【メリット4】プラットフォームの保守・運用を提供事業者に一任できる

アプリケーション構築後のプラットフォームの運用・保守管理を全てサービス提供事業者に一任できます。これにより開発プラットフォームの保守を担う専門要員の配属も不要になりコスト削減につながります。

PaaSを利用する際の注意点

PaaSの利用にはデータセキュリティやプラットフォームへの依存度などの問題もあります。また、特定のPaaSプロバイダの環境に特化したアプリケーション開発は、そのプラットフォームに縛られる可能性があります。

特に、PaaSは比較的開発環境の自由度は低めといわれることも多いため、サービス提供事業者に対し、どの程度の制約があるのかをあらかじめ契約前に確認する必要があります。ただし自由度を高くできる場合はコストもかかることが多いため、その点も注意が必要です。

ほか、セキュリティの高さについてはサービス提供事業者によって異なるため、こちらも事前の確認は必須といえるでしょう。これらの課題を理解し、適切なPaaSプロバイダを選択することが重要です。

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