日本ドライケミカル株式会社 様

NDC atWill導入によって受注から設計、生産、出荷まで一気通貫
個別受注生産品の作業工程を可視化し原価分析・リアルタイム在庫管理を可能に

課 題
  • 量産品と個別受注生産品が混在し、生産管理・原価計算が複雑化していた
  • 周辺システムとの連携機能がなく、手作業での集計など非効率な業務が常態化していた
  • 原価や作業工程を可視化して原価を抑えるポイントを分析したい
解 決
  • atWillで生産管理・原価計算ともに一元的に管理され、多種多様な製品の対応が可能に
  • 図面管理、BOM、会計、販売管理などの周辺システムと自動連携され月末月初の業務負荷が半分以下に軽減
  • 作業工程実績収集機能で一人ひとりの作業状況が可視化され、原価分析やリアルタイムでの在庫管理が実現
日本ドライケミカル株式会社 様

日本初の粉末消火器や世界初のアルミ製容器を採用した粉末消火器を開発したパイオニア。独自の技術を生かしたさまざまな製品の企画・開発・施工・メンテナンスを行うことで幅広いニーズに応え、日本の防火・防災に貢献してきた総合防災企業グループ。「消火・防災のプロフェッショナルとして、人々に安心と安全を提供する」という企業理念を掲げ、防災設備・メンテナンス・防災機器・消防自動車など防火・防災に関するトータルソリューションを提供している。

所在地
〒114-0014 東京都北区田端6-1-1 田端ASUKAタワー
資本金
700百万円
URL
https://www.ndc-group.co.jp/
亀井 正文 氏
日本ドライケミカル株式会社
取締役管理本部長
企画・IR部長
亀井 正文 氏
片桐 努 氏
日本ドライケミカル株式会社
情報システム部
部長
片桐 努 氏
鈴木 崇 氏
日本ドライケミカル株式会社
福島製造部 部長代理
兼 機器製造管理課長
兼 総務経理課長
鈴木 崇 氏
小池 翔太 氏
日本ドライケミカル株式会社
福島製造部
総務経理課 主任
小池 翔太 氏
工藤 光美 氏
日本ドライケミカル株式会社
福島製造部
機器製造管理課 主任
工藤 光美 氏

 消火器、消防自動車、スプリンクラー、自動火災報知設備など、さまざまな防災機器や設備の開発、オフィスビルや複合施設の消火設備の施工、メンテナンスなど手がけている日本ドライケミカル。同社の取締役であり、管理本部長 企画・IR部長の亀井正文氏は「当社は火の検知から消火まで幅広くカバーした製品を開発、製造しているメーカーであり、装置や設備の施工も行うエンジニアリングカンパニーでもある、総合防災企業です」と説明する。

 特殊用途に用いられる「化学消防車」、泡で消火活動を行う「泡消火設備」、データセンターなどで使われる「ガス消火設備」、錆びにくく軽量、環境にも配慮された「アルミ製消火器」など、特別な機能を持つ機器も数多くラインアップしている点も強みとしている。
「消火はもちろん、火事が起こる手前の『予防防災』という観点に立った次世代型の防災にも取り組んでいます。そのような活動によって、人の命、社会のインフラに対して、より大きな安心安全を提供していくことが私たちの目指しているビジョンです」(亀井氏)

多種多様な製品で「安心・安全」を創造する総合防災企業。
現場の声を聞き柔軟に改善・拡張できるシステムへ

多種多様な製品で「安心・安全」を創造する総合防災企業。現場の声を聞き柔軟に改善・拡張できるシステムへ

 そんな国内最大級の防災メーカーの多種多様な機器、設備を製造し、ものづくりをリードする製造拠点の福島工場では、長年にわたりパッケージ型の生産管理システムを活用してきた。福島製造部 部長代理 兼 機器製造管理課長 兼 総務経理課長の鈴木崇氏は「福島工場では、大量生産する量産品よりも、お客様の注文にあわせて設計、製造する個別受注生産品の比率が高いのです。いろいろなタイプの製品を並行して生産する複雑なものづくりをしているので、工程管理、納期管理が難しく、生産管理システムのちからを借りずには回りません」と生産管理システムの重要性を説明する。

 しかし、旧生産管理システムの老朽化が課題となっており、他にも販売管理、経営システムなどとの連携ができず、原価計算は表計算ソフトを駆使して集計するといった非効率な作業が常態化しており、これらの課題も併せて解消したいと考えていた。

 そこで2021年に採用したのがSCSKの「atWill」だった。主要な機能をテンプレートとして用意しているatWillは、そのテンプレートをベースに、atWillが装備している高速開発ツールを用いてアドオンや開発を行うことで効率よく構築していける。

 情報システム部 部長として選定に関わった片桐努氏は「以前から会計システムとしてSCSKのERPパッケージProActiveを利用していました。ProActiveと相性が良くて連携しやすく、生産管理や原価計算の機能を備えているatWillは、当社の目的に合致していました」と採用理由を述べる。
「当社には、導入後も現場の声を聞きながら改善していく文化があるので、柔軟性、拡張性が高い点も評価しました」(片桐氏)

周辺システムとの連携が進み、
受注から出荷まで一気通貫の管理が可能に

 2022年4月、福島工場でatWillは稼働を開始した。まず導入効果として挙げられるのが、周辺システムとの連携により、受注から出荷まで一気通貫での管理が可能になったことである。図面管理、BOM、会計、販売管理などの周辺システムと連携できる機能もSCSKに依頼して追加開発している。
「これによって、販売管理などの周辺システムとの連携も実現でき、受注から設計、生産、出荷まで一気通貫できるシステムが完成したことは大きなメリットといえます」(鈴木氏)

経理や生産管理担当者の事務作業も
大幅軽減

 経理を担当する総務経理課 主任の小池翔太氏は、かつての状況を「月末、月初には、旧生産管理システムからデータを抽出し、大量のシートを表計算ソフトで作成しながら決算業務を行っていました。限られた決算期間のなかで、月末、月初は残業しなければ決算報告が間に合わない状況でした」と説明する。

 しかしatWill導入後は、帳票出力後にいくつかのデータを加工するだけで済むようになった。小池氏は、「作業は半分以下に減り、残業を減らすことが出来ました。自動化が進んで手計算が減ったので、原価計算の正確性も向上しています」と評価する。
生産管理を担当する機器製造管理課 主任の工藤光美氏も、作業の負荷軽減の恩恵を受けていると話す。
「以前のMRP(所要量計算)は実行時間が長く、処理中は他の作業ができません。そこで業務に影響を出さないよう就業時間後に残業して処理していたのですが、atWillではその処理が一切不要で、計画担当者が各自でMRPを回せるようになりました」(工藤氏)

作業工程実績収集機能で一人ひとりの仕事
を見える化、原価分析にも生かす

 さらにatWillに追加開発した機能に「作業工程の実績収集機能」があった。一点物となる個別受注生産品では作業工程や原価計算がそれぞれに異なる問題の解消が目的である。
「多能工による多工程持ちという体制で、一人の作業者が作り上げる形になるため、進捗などが見えにくいという問題がありました。従来は作業者が毎日書く日報で管理、運用していましたが、atWillでは、日報をシステムに組み込む形にして、作業者が費やした時間を管理し、その実績工数を原価計算までつなげられるようにしました」(鈴木氏)

 それらの開発にもテンプレートであることが功を奏した。パッケージ製品であれば、「既存機能に項目を追加して対応」ということになりがちだが、atWillではテンプレートを生かして柔軟、かつスピーディに新たな機能を開発できた。

 また部品のピッキング作業にタブレットを導入し、部品の在庫管理との連動性を高めた。
「1製品に何百という部品を使うので、ピッキングだけでも結構な時間を要します。以前はピッキングが終わった段階でまとめてシステムに登録していたので、タイムラグが生じて実際の在庫にズレが発生していました。しかし今ではタブレットを使ってピッキングと同時に登録されるため、システム上の在庫と現物在庫がリアルタイムに連動するようになっています」(鈴木氏)

成果をもとに他の生産ライン、
工場への横展開も視野に

成果をもとに他の生産ライン、工場への横展開も視野に

 atWillによって複雑なものづくりにおける生産管理も行いやすくなった。この成果を受けて、福島工場内で新しく設置しようと計画している生産ラインもatWillを利用するべく検討を始めている。また、同社の千葉工場でも導入の可能性があると見て、今後検討を進めていく予定である。
「総合防災企業として、さまざまな分野の多種多様な製品群を持っていますので、異なる分野に横串を通すような開発を進めやすくしたいと考えています。今後福島工場、千葉工場のそれぞれの技術、知識を連携し共有しやすくすれば、新しいものづくりが期待できます。今回はそういう土壌ができたわけですから、さらに発展させていくためにもSCSKと意見交換しながら改善を進めていきたいと思います」と鈴木氏は期待を込めた言葉を口にした。



atWillの代表的な導入事例
生産管理
KIRIU

株式会社キリウ 様

一気生産の強化に向け、atWillをベースに生産管理システムを構築。
生産に関する全社のデータを一元的に見える化に成功。
柔軟なカスタマイズで、現場の声もスピーディーに反映
生産管理
4R ENERGRY

フォーアールエナジー株式会社 様

半年後に迫った工場開所に間に合わせるため、
テンプレート式の生産管理システムatWillでシステム構築。
リサイクル事業特有の原価分解の機能も搭載
アフターサービス
WE LOVE RICE SUZUMO

鈴茂器工株式会社 様

修理の内容、進捗情報をatWill Templateアフターサービスで一元管理。
販売からアフターサービスまで一気通貫の情報管理で顧客満足度の向上へ
生産管理
株式会社エノモト

株式会社エノモト 様

金型製作から製品完成までのものづくりをatWillで一元管理。
IoTやEDI連携により生産現場と管理部門のリアルタイムなデータ共有が可能に。
生産進捗・設計・在庫・原価の見える化で現場業務の改善へ

【事例1】 通信機械器具製造業

業務状況と経営情報の見える化、原価改善により競争力強化を実現した事例です。
生産管理

【事例2】 金属製品製造業

適正量発注による在庫削減、経営情報の見える化によりスピード経営とコスト削減を実現した事例です。
生産管理

【事例3】 化学工業品製造業

属人的に行われている業務をシステム化により標準化・一元化することで、業務改善とコスト削減に成功した事例です。
生産管理

【事例4】 清涼飲料製造業

業務の再構築と計数情報の見える化により、業務改善とコスト削減に成功した事例です。
生産管理