省人化とは

省人化(しょうじんか)とは、業務の無駄な工程を削減し、人員を減少させる取り組みのこと。単に人員を減らすのではなく、業務効率を高めることで人員削減を実現し、ひいては生産性の向上を実現させる点が重要となる。

省人化とは|概要

省人化とは、企業や組織においてデジタルツールなどを活用して業務の無駄な工程を削減し、雇用人員を減少させる取り組みを指します。省人化と言う場合、単に人員を減らすのではなく、業務効率を高めることで人員削減を実現し、企業の生産性向上を実現させる点がねらいであることがポイントです。

近年は少子化による労働者不足が顕在化しており、人材不足を補うためのITツールの活用や事業の効率化がうたわれています。

例えば、省人化の具体的な導入方法として以下が考えられます。

  1. 製造業における自動化設備の導入で生産工程の自動化を進める。またIT化により製造工程全体の見直しと一元管理を行う(PLMの活用など)
  2. サービス業において、コールセンターを自動音声認識システムやAIチャットボットで代替する。人はより複雑なカスタマーニーズに対応することができる。
  3. 小売業において、レジ業務をセルフレジシステムで代替する。

(参考)経済産業省:第1部第1章第2節 人手不足が進む中での生産性向上の実現に向け、「現場力」を再構築する「経営力」の重要性:2018年版ものづくり白書 (meti.go.jp)

省人化の目的と実現手段、注意点

省人化の目的と実現手段、注意点

省人化を企業や組織が行う目的

  1. 少子化による人材不足への対処の一環
  2. DX推進、デジタルツール活用による業務効率化と生産性の向上に伴うもの
  3. 働き方改革による労働時間の短縮やワークライフバランスの改善
  4. 人件費の削減

省人化を実現する手段の例

  1. 業務プロセスの見直し、棚卸しを行う
    無駄な作業や重複する作業がないか見直す
  2. IT/ICTIoTツールの導入
    自動化できる作業はITツールなどを導入し代替する
  3. 作業の標準化(属人化からの脱却)、知識の共有
    作業手順や業務に関する知識、職人の技術などをITツールを活用してデータ化し、標準化する。これにより一部の従業員しかできない作業や業務をなくし、誰でも効率的に作業できるようにする。また得られた知見や知識は全体で共有し、企業や組織の知的資産として管理する(ナレッジマネジメント)。
  4. アウトソーシングの活用
    IT/ICTの活用や導入、運用、従業員への訓練には時間やコストがかかるため、専門性の高い業務は外部の業者に委託する

省人化を取り入れる際の注意点

省人化によって人員削減を行う場合は、労働者(従業員)の雇用への影響へ配慮する必要があります。冒頭でも述べたとおり、ただの人員削減は省人化ではありません。

また省人化はITツールの導入によって実現しますが、一方でITツールの導入には初期投資費用や運用のための継続的なコストがかかります。さらに、それらを十分に従業員が活用できるようにスキル習得のための教育を行い、時間をかけて組織に定着させていく必要があります。

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