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ビジネスルールにおける10のROI - The best 10 ROI of Business Rules ~BRMS導入におけるロードマップ~

2021.09.22 InnoRules

本エントリーはイノルールズ株式会社 白石浩一様が寄稿したエントリー(https://business.facebook.com/innorules.co.jp/)を転載したものとなります。

BRMSを導入したいが、どこをルール化したらよいかが分からないという声を聞きます。業務パッケージやソリューションを導入する場合は解決したい課題があるため、「なんでこのパッケージを入れたの?」といったブレは比較的少ないようです。例えば、BPM(Business Process Management)製品導入の場合だとプロセス改善で30%業務効率UPといった大目標があり、無駄な作業の排除や工程の効率化など課題解決する中でプロセスが最適化されます。改善途中で新たな目標が増えたりすることはありますが、「なんでBPM?」という事態に至ることは少ないでしょう。BRMS導入の場合はどうでしょうか?私が経験した中では、最初に製品選定作業をしてしまい、導入後になぜこの製品でなければならなかったか、スクラッチでもよいのでは?という流れになってしまう事態です。最初の製品選定ではBRMSベンダ毎に製品を横並びにし機能を洗い出して「機能の有無」や「機能の特徴」「機能の種類」などを比較することが頻繁に行われます。製品比較はある時点では必要な作業になるかもしれませんが、その前にもっと大切なことがあると考えます。それは"何の為にルール化するのか"を明確にしておくことです。BRMSのROIとして私が考えるベスト10を挙げてみます;(順不同)

  • 新規開発コストの削減
  • 保守コストの削減
  • オペレーションコストの削減(スタッフ数維持で業務処理量UP)
  • オポチュニティコストの削減(新商品投入時間を大幅短縮しビジネス機会増加)
  • 違約損失コストの削減(業務停止等の排除)
  • ゴールトレーサビリティ(業務目標の達成に貢献したルールのトレース)
  • アジリティ(agility : ビジネス主導のIT利用)
  • 可視化(visibility : 可視化による証明や監査に耐える仕組み提供)
  • ビジネスコントロール(ビジネスユーザがルールを変更できる)
  • ビジネス最適化(ビジネスユーザが良い意味のサンドボックス環境でルールシミュレーションができる)

上2つはシステム系の対応力に貢献し、3つ目以降はビジネス系の対応力に貢献できるでしょう。システム系からのアプローチでは開発コストの削減効果のみにフォーカスしがちで、実際ユーザへヒアリングをするとビジネス的な要求事項が導きだせることがあります。例えば、

"他社よりも早く新商品をリリースしたい"(生損保)

"定期的な法改定に対応できる俊敏なシステムで業務を推進したい"(医療・電子レセプト)

"引受査定で自動引受率を上げたい、繁忙期最短2営業日"(生保)

"マーケティングナレッジをルール化し、売上げ向上につながる仕組みを見える化したい"(小売)

"COBOLからビジネスルールを外出し、ルールサービス基盤化しマルチプラットフォーム対応を可能にしたい"(生保)  etc.

BRMSの導入が目的ではなくビジネスの目標を正しく捉えてからルール化を検討する事が遠回りですがとても重要です。何の為にルール化するかを関係者全員で共有すれば、達成に必要なアイデアや可能性は無限に広がります。それによって得られるメリットは計り知れません。Proof of Concept(PoC)の後、ユーザ社内で上申が通らないケースはこれらを踏まえていない事が理由の1つとも言われています。ビジネスの目標を正しく捉えていれば非機能要件も自ずと見えてきます。非機能評価軸の例を1つだけ挙げると、バッチ業務における自動引受査定で自動引受率を上げたい場合オンライン系よりバッチ系に強くパフォーマンスを発揮できる製品が採用されるべきです。処理件数が増加しても初期の性能値から必要リソース増分を予想できるかといった評価軸も重要になってきます。この段階ではルールエンジンのアルゴリズム(処理方式)の比較も必要になってくるでしょう。BRMS製品選定にはユーザが求めるビジネス目標を最も確実に達成できる製品はどれかという視点で検討するべきです。

最後にこれからのビジネスルールの可能性について;

日本ネクサウェブ株式会社主催のグランドセミナーで斎藤昌義氏の基調講演を拝聴して、将来 "ルールはそれ自体で商品価値を持つ" 自立的な存在になるのではないかと感じました。またBRMSツールの取り扱い方法についてもプログラムから切り離してユーザが利用できるツールから、DevOpsとして利用者の立場で開発サイドと連携して振舞えるインテリジェントなツールへと進化しBRMSから得られるROIも多様化していくと思います。

参考資料)Lux Magi (http://www.luxmagi.com), 日本ネクサウェブ株式会社主催グランドセミナー基調講演資料(斎藤昌義氏)