メディカル事務はビジネスルールの集合体(第2回) ~レセプト点数計算ルールは具体的にこう変わる~
2021.09.22 InnoRules
本エントリーはイノルールズ株式会社 白石浩一様が寄稿したエントリー(https://business.facebook.com/innorules.co.jp/)を転載したものとなります。
第2回はレセプトの点数計算ルールがどの様に改訂されるかを具体的に見てゆきます。
私たちが風邪などで病院にいくときに身近で起こる具体的な例で記します;
【例:病院で医師から告げられる薬の名前と薬局でもらう薬名が異なるケース】※最新の内容ではありません。
医師が指定するのは薬の名前、例えば痛み止めなら"ロキソニン"であり、電子カルテにもロキソニンなどの薬の名称で入力されます。しかし病院から出される処方箋には"ロキソニン"ではなく一般名処方である成分名"ロキソプロフェン"が記載されます。一般名処方に変換すると病院側に3点(従来は2点)の加算されるようになりました。(1点=10円)既存のルールと改定後に追加されたルールです;
既存ルール:
(条件)交付した処方箋に1品目でも一般名処方された医薬品が含まれる場合
(アクション)一般名処方加算は2点とする
追加新設ルール:
(条件)交付した処方箋に含まれる医薬品のうち、後発品薬品が存在するすべての医薬品が一般名処方されている場合
(アクション)一般名処方加算は3点とする
※既存ルールと追加新設ルールは排他的に実行される
薬局は処方箋を受け取ると、当該成分が含まれる後発医薬品(ジェネリック医薬品のこと、以降ジェネリック)が複数ある場合はその中からどの薬を選ぶかは薬剤師の裁量で決めることができます。ジェネリックを推進して医療費を削減する方向にガイドする国の施策が背景にあります。大病院では医師が端末で先発医薬品を指定してもシステムでジェネリックに自動変換されることが多くあります。頻繁に目にする先発医薬品(先発)とジェネリックの組み合わせです;
胃薬:ムコスタ(先発): レバミピド錠(ジェネリック)
降圧:ブロブレス錠(先発): カンデサルタン(ジェネリック)or アムロジピン錠(ジェネリック)
アレルギー:アレグラ錠(先発): フェキソフェナジン塩酸塩錠(ジェネリック)
医療費を削減する方向へとルール改訂が行われるので上記のように"条件が強化され点数が増えるルールが追加される傾向"となります。レセプトシステムにBRMSを導入する場合はルール改訂の方向性を事前に把握しておくとよいでしょう。
今回は診療報酬点数計算に関するルールについて記しましたが、次回は病院診療と査定についてみていきたいと思います。
参考資料)平成28年3月20日発行「日医ニュース 第1309号」