組織としてレベルアップできるきっかけになりました
トラスコ中山株式会社
RPA利用部門責任者 通販東京第一支店 中山 達也 支店長(左) |
RPA導入プロジェクト責任者 IT企画課 本間 靖隆 課長(右) |
RPA利用部門担当者 通販東京第一支店 坂本 寛幸 さん(真中左) |
RPA導入プロジェクト担当者 IT企画課 遠藤 真奈美 さん(真中右) |
利用部門責任者 通販東京第一支店 中山 達也 支店長(左) |
導入PJ責任者 IT企画課 本間 靖隆 課長(右) |
利用部門担当者 通販東京第一支店 坂本 寛幸 さん(真中左) |
導入PJ担当者 IT企画課 遠藤 真奈美 さん(真中右) |
トラスコ中山は、工場や建築現場で働いている"モノづくりのプロ"たちが生産活動で扱う工具といった生産用副資材の卸売を全国に行う専門商社だ。お客様にとって利便性の高い企業となることを目指し、継続したIT力強化を図っている同社が選んだ業務効率化の手段はRPAによる業務の自動化だった。
RPA導入のきっかけ
坂本 当社では人がやらなくても良い仕事をいかに減らし、人がやるべき仕事をいかに増やすかを追求しています。それにRPAはうってつけでした。
坂本 RPAは手作業の自動化という特性上、専用システムほど完成度は高くありません。それでも、人による作業時間を大幅に減らすことができ、その分人がやるべき仕事に時間をまわすことができます。
遠藤 これまでのIT活用はシステム開発が中心でした。ですが、業務システムの改修は期間や費用の問題だけでなく、他案件とのバッティングで実施が1年先になってしまうこともあり、早期の実現には様々な調整が必要でした。
遠藤 現場からの要望に対してこのような調整でうまくいかないこともありましたが、RPAで吸収することができるようになると考えました。開発期間が短いというのは魅力です。
WinActorで自動化した業務

坂本 当社と大きな取引をさせていただいている、あるお客様との受発注業務の一部をWinActorで自動化しました。具体的には「在庫商品の納期回答」と「在庫なし商品のメーカー様への見積依頼」です。
坂本 そのお客様からは1日に200~300件問合せをいただくのですが、在庫あり商品の在庫数を確認したり、在庫なし商品をメーカー様へ見積依頼し、お客様に納期回答するといった作業を1件ずつ、すべて手作業で行っていました。非常に高い業務負荷がかかっていました。
坂本 これまで在庫数の確認は担当者が業務システムから行っていましたが、WinActor導入後はWinActorが人に代わり確認し、さらに納期を判断したうえでFAXで回答してくれるようになりました。
坂本 在庫していない商品は業務システムからメーカー様へ見積依頼を行いますが、そちらもWinActorが代わりにしてくれるようになりました。
WinActorで即時対応が可能に
坂本 お客様からの納期確認は1時間ごとに定期的に届くのですが、担当者は別の業務も行っているため、どうしても即時に対応することが難しかったです。在庫商品の納期確認はもちろん、在庫なし商品はメーカー様への見積依頼が必要になりますが、初動が遅れるとお客様への回答がその分遅くなってしまいます。
坂本 それが、1時間に1回WinActorをスケジュール起動させすぐに処理を始めることができるようになりました。これまでやりたくても出来なかった即時対応ができるようになったのです。これは当社だけでなく、お客様にも、さらにその先のユーザー様にも大きなメリットです。
RPAに向いている業務
坂本 私は社内でWinActorの取組みについて話をする機会が多いのですが、単純作業にも関わらずミスが許されないために、どうしても人がやらなくてはいけない仕事にWinActorは最適だという話をしています。
坂本 作業ミスがなく、人でなくても正しく判断して進めてくれることは非常に大きなメリットです。
RPA導入のきっかけ

本間 そもそもはSCSKさんに提案いただいたことがきっかけです。各社からちょうどRPAというキーワードが出だした頃でした。他社からもいくつか提案は受けていましたが、SCSKさんからは具体的な提案をいただけたので、社内に適用できそうな業務がないかヒアリングをかけたのが始まりです。
本間 通販の部署で大量データに苦労している状況は以前から認識しており、解決策を模索していたこともあって、使えそうだなという感触は当初からありました。
坂本 WinActor導入以前にも効率化には取組んでいました。お客様からの納期確認をシステム上で確認していた運用をエクセルでのやり取りに変更したり、エクセルマクロでの自動化も一部では行っていました。しかし業務システムとエクセルという2つのアプリケーションの連携は自動化できず、どうしても手作業となっていました。
坂本 今回、WinActorのお陰で2つのアプリケーション間の連携も自動化できるようになりました。
RPA導入中の気づき

遠藤 まずは小規模のPoCを一部の業務で行いました。そこでWinActorの使い方や効果を理解した上でPoCの対象業務を他部署、他業務に展開していきました。PoCを行った部隊の担当者からは業務が楽になったと、とても前向きな言葉をもらうことができたので、手ごたえを感じながら進めることができました。
遠藤 ただ、実際にロボットが動いている様子を目にしたときに、そんなに速くないのだなと思いました(笑)手作業だと時間がかかっていた作業が、自動化したら速くできるようになるのかなと想像していたのですが、実際はそうでもありませんでした。
遠藤 それでもWinActorに任せて他の作業をすることで2つの仕事を並行に進めることができるようになるので、業務効率を向上させることができると感じました。
遠藤 あとは、クセはあるなと感じます。WEB画面が切り替わる際に待機処理を入れたりする部分で時間がかかりがちなので、やはりそういったRPAならではの作法はあるのだなと。
坂本 私の気づきとしては、人が手で作業しているやり方そのままでロボットを作ってしまうと、うまくいかない場合があるということです。例えば、業務システムのメニューをマウスでクリックしても、キーボードでショートカットを使っても、どちらでもそのメニューに入れるのですが、SCSKさんはショートカットを選択していました。その方が間違いなくメニューに入れると判断してのことだったのですが、その感覚が身についていないうちは、素人が作るには少し難しいのかなという気はしました。
遠藤 ロボット作成ツールそのものはシンプルで、モジュールを組み合わせカスタマイズすることで作れるようになっていたので、自分たちでも作れそうなイメージを持つことができました。
RPA導入を経験して持った課題
坂本 RPAの導入は初めてだったので、最初はどのように進めて良いのかまったくイメージできませんでした。一度プロにお任せして、ロボットの作り方を経験して初めて自分で考える土台を作ることができました。最初から自分たちだけでは厳しいと思います。
遠藤 今回PoCを行った坂本が所属する部署はシステム化に長けた部署なので要件の整理もスムーズでしたが、そうでない部署もあるため、要件整理にある程度時間がかかるのではないかという懸念があります。やはりRPAはスピード感も重要な部分だと考えていますので、そこをどう追及していくかは今後の課題だと感じています。
遠藤 また、PoCを行った部署とそれ以外、特に地方の拠点になるとやはり温度は変わってきます。すでにWinActorを導入している部隊のナレッジと情シスとしてわれわれが理解しているナレッジをどんどん社内に展開していく必要があると感じています。
RPAを導入したことの成果

中山 色々なレベル感で非常に役立っています。単純に支店内の業務負荷が軽減されたので、そこの時間を使って他の業務により集中できるようになったこと、さらに全体の業務時間も削減できたということがひとつの効果です。
中山 これらは当初より期待していたものでしたが、予想外に得られた良い効果もいくつかあります。ひとつは、仕事が属人的にその人の判断に基づいて行われているような仕事をRPAというフィルタを通すことで細分化できたことです。これまで人があたかも判断しているように見えたものでも実は判断ロジックが決まっていたというようなことをあぶりだすことができるようになりました。
中山 そして、そういう視点で各業務を考えられるようになりました。自動化できるか否かもそうですが、仕事を標準化することは組織にとっては非常に重要ですので、そのような視点を持つことができるようになったことは、組織としてひとつレベルがあがるきっかけになったと思います。
中山 あとは、仕事は自動化できるという実感が得られたので、前後の仕事を整理することを意識するようになりました。例えば、手書きのFAXをシステムに入力する作業を自動化することは難しいですが、後々自動化することを考えると、そもそも手書きのFAXにならないような運用に変えていく必要があるのではと。そのような視点で物事を考えられるようになりました。
中山 私が所属する部署でもそうですが、全社に対してもそのような視点で考えると改善できる仕事はたくさんあると思うので、全社的に広げていく必要性を感じています。私が所属する部署でコストをかけロボットを作らせてもらっている分、リーダーシップを取っていかなければいけないと強く感じています。
本間 情報システム部としても、RPAを導入する効果を実感できたという点は非常に大きかったと考えています。これから全社展開をしたときに会社全体として非常に効果があることが見えました。そこに向けてこれからどうすべきかを計画する第一歩になりました。
本間 今回SCSKさんにご支援いただき、全社展開していくうえでベースとなる開発ガイドラインを作っていただけたので、スタートとして非常に良い形で切れたと考えています。この取り組みをどうやってさらに広げていくか、今後も取り組んでいきます。

東京都港区新橋四丁目28番1号 トラスコ フィオリートビル
03-3433-9830(代表)
http://www.trusco.co.jp/
https://www.orange-book.com/c/index_s.html
オレンジブック.Comは工場・作業現場のプロツール総合サイトです。
他の導入事例をみる
-
企業合併時のシステム統合にRPAが大活躍!
建築マーケットで幅広く活躍する同社が、企業合併によるシステム統合の混乱を乗り越えた、その方法とは。
SMB建材株式会社