導入事例

商社

企業合併時のシステム統合にRPAが大活躍!

SMB建材株式会社

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RPA導入プロジェクト担当者
 財経本部 情報システム部
 武居 氏(真中)
 財経本部 情報システム部 大木 氏(左)
 財経本部 情報システム部 高松 氏(右)

SMB建材は、三井物産・住友商事・丸紅グループの一員として、「総合力」、「信用・信頼」、「技術力」を基盤に、建築マーケットにおける原材料・製品の輸出入(貿易)から物流、多種多様な建材の販売、各種建築工事の請負、工法開発まで幅広いフィールドで活躍する建材総合商社だ。

2017年1月に合併した三井住商建材、丸紅建材のシステム統合により生じた、複雑で煩雑なシステム操作から現場を救ったのは、システム自体はそのままに、操作だけを効率化するRPAならではの解決方法だった。

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RPA導入のきっかけ

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榎本 2017年1月に三井住商建材と丸紅建材が合併し、4月にシステムが統合されました。当時は現場がかなり混乱していて、残業時間も非常に増えていました。

武居 現場は、やるしかないという感覚だったと思います。合併してもそれぞれの業務自体は変わらなかったのですが、システムが新しくなったことと、商流変更などの調整も発生したことで、さまざまな問題が発生していました。

榎本 なんとか現場の業務を効率化、省力化する必要があると考え、システムの機能追加はもちろんのこと、それ以上に効率化を図りたい思いで、実現できる方法を探し始めました。

榎本 セミナーへ参加したり、専門誌を購読したり情報収集を続けるなかでRPAの存在を知りました。システム開発するよりも短期で導入でき、即時に効果を出すことができるので、これはうってつけだと思いました。

製品選定のポイント

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榎本 当社ではシナリオ作成を内製化できることが必須条件でした。ポイントは3点です。コストが多くかからないこと、シナリオ作成ができるだけ簡単であること、そしてスモールスタートできることです。

榎本 当社に最適なRPA製品を選ぶにあたって、いくつかのRPA製品からこの3つに合致する製品をまずは絞込みました。そこから2つの製品でトライアルを実施して、それぞれのシナリオ作成の簡易性や機能性などについて評価し、最終的にWinActorを選定したのです。すべての面でWinActorが一番でした。

武居 比較検討した2つの製品は、予め用意した評価項目ごとにしっかりと評価を行いました。WinActorは何より見た目が分かりやすかったことと、直感的に操作できたことが非常に強く印象に残っています。

武居 ある業務をサンプルとして、まずはWinActorでシナリオを作成し、続いてもう1つの製品でも作ったのですが、同じシナリオを作るのに、こうも大変さが違うものかと驚かされました。

利用拡大に大切なこと

榎本 それは「相乗効果」だと思います。

榎本 WinActorの導入を決定し、続いてRPA化に適した業務を調べていくなかで、いろいろな部署で共通している業務が多くあることに気が付きました。営業部が違っていても取扱っている製品が同じだったり、本部ごとに取引形態が共通していたりと。

榎本 例えば、ある営業部にWinActorを導入し自動化シナリオを作成するとします。同時に、そのシナリオは他の部署でも使える「共通」のシナリオでもあるのです。実際、別の営業部に見せると「おお、これは使えそうだ」と感心されるのです。

榎本 それだけではありません。よその部署で作られた自動化シナリオを見るなかで、そこからさらに、「こういった業務にも使えるのでは?」という新しいアイデアが生まれることもあります。当社の場合、このように一つの成功がどんどん広がっていく相乗効果が功を奏して、RPAが社内に拡大しています。

榎本 あとは、効果を共有することもとても大事です。

榎本 当社では、RPA専用のコンテンツを社内向けポータルサイトに随時公開しています。各営業部がどのようなシナリオを実行し、どれくらい作業時間の削減効果があったかを共有するようにしているのです。それと同時に、シナリオがどのようなものかを視覚的に見てもらえるように、動画も公開しています。

利用拡大の方法

榎本 当社の場合、社内展開の仕方を予め決めていました。

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榎本 なかでも、最初の説明会でいかにRPAを理解してもらうかが非常に重要だと感じています。

武居 説明会では、実業務で動いているシナリオを動画に記録したものを見せて実際のイメージをつかんでもらっています。RPAは文字や絵で説明してもなかなか伝わらないものなので、実際に動いているものを見てもらうことはとても有効です。そして、「できないこと」も一緒に説明することで、「できること」をより具体的にイメージできるように心がけています。

内製化について

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榎本 実際、内製化は良い面と悪い面があると思います。シナリオ作成担当者は本来の業務がありながら並行してシナリオも作るため、一時的に業務負荷はかかってしまいます。

武居 とはいえ、シナリオ作成を外注することでかかるコストは決して低くありません。やはり費用がかからないことは内製化の良さですね。

大木 業務を現場にヒアリングする作業はとても大変なのですが、実はヒアリング自体が業務を効率化するきっかけにもなっているのです。

大木 実際詳しく聞いてみると、操作しているアプリケーションの便利機能があるのに、それを使わずに時間をかけて操作していたり、エクセルでも関数を知らないからと手作業でこなしていたりもします。

大木 結果的に、RPA化するのではなく、エクセルの使い方など、アプリケーションの便利な操作方法を教えて終わることも少なくありません。RPA化だけが効率化のすべてではないので、これも想定していた成果ではあります。

RPAを導入したことの成果

榎本 従来は、今期このようなシステムを導入しました、とか機能追加しました、という書き方で全社に情報共有していましたが、RPAでは違います。同じようなシステム導入であっても、その結果として、何十時間削減できました、といった効果を明確に示すことができるのです。

榎本 経営層に対しても成果を可視化して報告することができるようになりました。RPA導入一年目で一定の成果を経営層に示せた結果、社長が全社目標としてRPAの活用を掲げてくれたのは非常に嬉しいものでした。これは、他のシステム導入ではではなかなかないことです。

武居 そうですね。もともと情報システム部から全社に対してその効果を数字で示すということがあまり無かったのですが、RPAの場合は社内ポータルに作業時間の削減効果を掲示し定期的に情報発信できているので、情報システム部の活動を広く知ってもらうことにも役立っています。

WinActorにして良かった点

武居 まずは、直感的に操作できる点、そして予め用意されているライブラリが多くあったり、インターネット上に多く情報が集まっている点でしょうか。メジャーな製品ですので、ちょっと躓いてもネット検索すれば対処方法や回避方法が分かるのが良いですね。躓くところはみな同じですね。

大木 当社の場合、内製化の方針でしたので、やはりサーバ型の製品よりもデスクトップ型であるWinActorの方がよりシンプルで良かったと思います。万が一失敗した場合はすぐに別の製品に乗り換えが検討できる、初期投資の安さも魅力でしたね。

武居 ライブラリに関してはメーカであるNTTアドバンステクノロジ社の提供もありますが、SCSKさんが追加してくれるSCSK独自ライブラリが、かゆいところに手が届くようなものが揃っており、とても便利に感じています。

WinActorに期待すること

武居 WinActorで実現できないことを、別の手段でどう実現するかは事実、課題としてあります。また、WinActorで自動化させるために前準備としてエクセル入力作業を標準化するなどの準備作業が必要な場合もあります。そういったことに労力を割かなくて良いよう、外部システムとの連携を強化してくれると非常に嬉しいです。

榎本 シナリオのなかで画像認識を行っていると、アプリケーションのバージョンアップでユーザインターフェースが変わることがあり、画像を取り直す必要がでてきます。これはメンテナンス性を非常に下げていると思いますので、AIを利用するなどして、画像認識をより柔軟に行ってくれるようになるとメンテナンス性が上がり、ユーザは本当に楽になると思います。

今後の取組み

武居 まずは、RPAの運用を今後どうしていくかです。現在は43本程度のシナリオ数ですが、これが100、200と増えたときのことを想定してその対策を考える必要があります。

武居 当社の場合、WinActor Manager on Cloudを導入する予定ですが、平時の運用はそれで良いとして、エラー発生時は人間系の対応も必要です。その対応をどうするかといった、体制作りや手順の検討は今後の課題です。

榎本 そして、AI-OCRに取組む予定です。売買計上時の確証として、取引先様からいただいた納品書を使用していますが、EDIで受領する以外は、すべて紙の納品書をシステムに手打ちしている状況です。

榎本 納品書だけでなく、受注をFAXで受けていたり、ほかにも色々紙をシステムに手打ちしている業務がありますので、そういったところにどんどん展開していきたいですね。

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