名古屋大学大学院工学研究科・工学部は、世界を代表するものづくり産業の集積地である中部地区の中心的研究大学の一組織として、工学全般の分野を網羅した7学科17専攻を有しており、数学や科学的知見を駆使した社会に貢献するための様々な研究を進められています。その中のひとつ化学システム工学専攻では、先進化学工学システム講座、材料化学講座の2講座で、環境や循環型社会、安心安全な社会に向けた化学的な研究や解析、開発等に取り組まれています。今回はその中からGeoDictを活用した触媒細孔中の拡散シミュレーションについての取り組みをご紹介いただきます。
研究開発向け材料開発シミュレーション GeoDict
GeoDictは、リチウムイオン二次電池や燃料電池、全固体電池、フィルター濾材、複合材、構造部材/高機能材、織物、不織布などのさまざまな多孔質材料構造の生成を容易にし、それらの材料特性や機能を最適化できる革新的な材料開発シミュレーションです。FIB-SEM画像などの画像処理/読込や、幾何的パラメータ入力によるnm~mmスケール3次元構造の生成、幾何形状分析、性能評価のための幅広い解析機能を提供します。GeoDictのシミュレーションによるデジタルツインを、従来から行われている試料やテストピース有りきの材料開発プロセスと併用または置き換えをすることにより、新素材や高機能材料の開発を加速させます。