株式会社本田技術研究所様は、1960年に本田技研工業株式会社(Honda)の研究開発部門が分離独立することにより設立されました。未来の技術が最初の一歩を踏み出す場所として、Hondaの新技術の基礎応用研究と技術開発、新価値商品の研究開発を進められています。そして近年要求の高まる環境領域では、環境負荷ゼロ社会に向けたカーボンニュートラルに加え、クリーンエネルギーシフトとリソースサーキュレーションの三つの柱に注力されています。今回は、その中核を担う燃料電池(Fuel Cell;FC)の材料研究として、GeoDictを用いたFCスタック用MEA(Membrane Electrode Assembly)の開発事例をご紹介いただきます。
研究開発向け材料開発シミュレーション GeoDict
GeoDictは、リチウムイオン二次電池や燃料電池、全固体電池、フィルター濾材、複合材、構造部材/高機能材、織物、不織布などのさまざまな多孔質材料構造の生成を容易にし、それらの材料特性や機能を最適化できる革新的な材料開発シミュレーションです。FIB-SEM画像などの画像処理/読込や、幾何的パラメータ入力によるnm~mmスケール3次元構造の生成、幾何形状分析、性能評価のための幅広い解析機能を提供します。GeoDictのシミュレーションによるデジタルツインを、従来から行われている試料やテストピース有りきの材料開発プロセスと併用または置き換えをすることにより、新素材や高機能材料の開発を加速させます。