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デジタルトランスフォーメーションのための超高速開発基盤! Vol.1

2016.06.21 Progress Corticon

本エントリーは株式会社アシスト様が寄稿したエントリー(https://www.ashisuto.co.jp/tech-note/article/20160621_progress.html)を転載したものとなります。

デジタルトランスフォーメーションのための超高速開発基盤! Vol.1

台頭するデジタル破壊を前に、企業はビジネス革新を迫られています。米国ではデジタルトランスフォーメーションが重要なキーワードとしてあげられ、情報システムが担う役割はますます重要になっています。今回から5回シリーズで、「デジタルトランスフォーメーション」実現のための、新規ビジネスモデル開発、業務改善、超高速開発基盤の確立といった概念や具体的な手法について解説します。(全5回連載)

Vol.1 意思決定のモデル化がなぜ重要なのか ― 最新モデリング技法から読み解く、新しい時代のシステム開発


企業をとりまく環境が激変する中で、システムに求められるものも従来とは様変わりしています。新規システム開発のプロジェクトにしても、従来のようにまずは要件を定義し、それを順次構築していくというあり方では、スピード、開発コスト、さらには完成したシステムの内容に至るまで、あらゆる面で要求に応えることが難しくなっています。

今回は、新しい時代のシステム開発を考える前に必ず通るべき概念として、「意思決定の構造化」について説明します。また最新のモデリング技法についても合わせて紹介していきましょう。

従来のシステム開発の問題点とは


ビッグデータ、ビジネス・アナリティクス、機械学習、オムニチャネル、マーケティング・オートメーション、IoT、そして人工知能。いずれもここ数年で大きく取り上げられているIT関連のキーワードです。これらのアイデアはどれも技術面における革新的なブレイクスルーであり、ビジネスに新しいイノベーションをもたらすものです。

目まぐるしい環境の中で、新たな技術や膨大な情報をどうシステムに活かしていくか、それをどれだけスピーディに行えるか、専門化・細分化が進む中でいかに手間なく運用していくか、または自動化していくか――、あらゆる面で変革が求められています。

一方で従来の企業システムは、アプリケーションを動かす上で必要なロジックだけでなく、ビジネスにおける制約条件(ビジネスルール)もあわせてロジックとして扱い、すべてをアプリケーションコードで構築してきました。こうして作られたシステムには柔軟性がなく、変更を加えるにしても影響が計り知れません。そのため改修を簡単に行うことができず、時がたつにつれビジネスの実態とかい離し、結局数年おきにリプレイスすることになる――、こんなことが日常的に行われてきました。特にビジネスルールについては、企業をとりまく環境の変化に合わせてたびたび変更が起こる部分でもあり、変更頻度が高くなっています。そのボリュームはシステム全体の変更個所のうち5~10%を占めるとも言われます。

この現状からどのように脱却すべきなのか、そのために必要なものは何かという問いに対する答えとして注目を集めているのが、「何のために、どう意思決定していくのか」という問いに答えるための「意思決定のモデル化」です。

なぜ今「意思決定モデル」が注目されるのか


いち早く意思決定プロセスの重要性に気付いて新たな規格を策定したのは、UML、BPMN等で知られる米標準化コンソーシアムのOMG(Object Management Group)です。彼らは新たな標準化規格「DMN(Decision Model and Notation)1.0」を策定し、図を用いて意思決定の流れを描くための構成物を公開し、普及に努めています。一方でビジネス・アナリストの知識体系「BABOK (Business Analysis Body of Knowledge)」を編纂しているIIBA(International Institute of Business Analysis)は、その最新版(BABOK V3.0)で、ビジネス・アナリストの必須テクニックとしてDMNを採用しています。

日本における両団体は現状では欧米ほどの知名度はありませんが、先の課題を背景に注目度が上がってきており、感度の高いITマネージャ層が採用に向けて動き出しているといったフェーズにあります。

DMNから導き出されるもの


以下はDMNによる意思決定のモデル化の一例です。

DMNによる意思決定のモデル化の一例


DMNは、ビジネス目標からはじまる意思決定要求をビジネスアナリシスによりモデル化するための表記法であり、経営サイドが策定したビジネス目標を標準化されたモデルにより表記することで、極めてITに落とし込みやすい、整理された形にするものです。こうして作られた一連の流れは、そのままBRMS(Business Rule Management System)に取り込むことが可能です。

例えば「Progress Corticon」のような、DMNをそのままの形で表現できるBRMSも存在します。BRMSを単なるビジネスルールエンジンと捉えるのであれば、オープンソースのものでもBPMS(Business Process Management System)に付属するものでも、機能に大差はないと思われがちです。しかし、いかに意思決定をモデル化するかという観点から見た場合には大きな違いが見出せます。Progress Corticonはノンコーディングで意思決定モデルをルールに落とし込み、さらに完全性、曖昧性、論理性について1クリックで自動検証するといった機能も持ちます。このため、ビジネス要求により素早く追従・対応することが可能になるのです。

Progress Corticonによる開発画面の例

これからのIT部門に求められる役割とは


改革やイノベーションの視点を持たずに、ただ製品を選んで導入するだけでは、もはやIT部門の存在価値はありません。製品を導入してプロジェクトを終了し、そして次のプロジェクトへ......、こうした対処療法的なITプロジェクトのあり方から脱却するために、システム開発の構造そのものを変革したいという意向が高まってきています。そのためには、意思決定モデルを押さえることがやはり成功への近道です。BRMSによる容易な開発/スピード化といったメリットは、その後おのずと視野に入ってくるでしょう。

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デジタルトランスフォーメーションのための超高速開発基盤! Vol.5

執筆者のご紹介

アシスト佐藤 彰広

佐藤 彰広
東日本技術本部

2002年入社。Oracle Databaseのエンジニアとして、企画・プロジェクト管理に従事。その後、ビジネス開発部隊として新規ソフトウェアの調査・発掘を経て、ルールベースAI「Progress Corticon」の日本での立ち上げを担う。

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