仮想ADC/ロードバランサ Ivanti Virtual Traffic Manager

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導入事例 | USiZE(ユーサイズ)

  • ※記事中のデータや役職等の内容は取材当時(2017年1月)のものです。
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「使いたいとき、使いたい分だけ、使える」データセンターサービスの変革で、Ivanti Virtual Traffic Managerが果たす役割

現在、SCSKは「サービス提供型ビジネスへのシフト」を掲げ、クラウド時代に適した新しいビジネスモデルへの転換を図っている。データセンター、ネットワーク、セキュリティといったIT共通インフラを、各業種・業界、機能別に編成された組織に対して横断的に提供する役割を担っているSCSKのデータセンターnetXDCでは、ネットワークを「使いたいとき、使いたい分だけ、使えるネットワーク」へ進化させることが必要だった。
そこで2016年7月、ネットワーク機能仮想化(NFV)により、複数のデータセンター設備とネットワーク環境を有機的に統合し、一元管理を実現する「USiZE Virtual Network Service」をリリースした。ここで重要な役割を果たすのが、仮想ADC「Ivanti Virtual Traffic Manager(以下、vTM)」(旧名:Pulse Secure Virtual Traffic Manager)である。

仮題と効果

サービス提供型ビジネスへの転換で必要となったデータセンター機能の仮想化

SCSKは、中期経営計画で2020年を目標に「サービス提供型ビジネスへのシフト」を打ち出している。これは、従来の労働集約型の受託型ビジネスから、SCSKならではの高付加価値サービスを創り出し、長期間に渡って顧客に提供するビジネスへの転換を目指すものだ。

これまでSCSKは、製造、通信、流通、金融など、さまざまな業界の企業のITシステムを構築・運用してきた。その中核にあるのが、SCSKのデータセンター netXDCだ。netXDCは、SCSKのすべての事業を支えるインフラとして、重要な役割を果たしてきた。しかし、サービス提供型ビジネスへ転換するには、データセンターの改革、特にネットワークサービスをよりスピーディかつ柔軟に提供する新しい仕組みが求められていたと、ITマネジメント事業部門netXデータセンター事業本部 ネットワークサービス部第二課長 石川光春 は次のように説明する。

石川 光春 氏
SCSK株式会社
ITマネジメント事業部門
netXデータセンター事業本部
ネットワークサービス部 第二課長
石川光春

「弊社では、これまでnetXDCを活用しUSiZEというブランドで、クラウドサービスを提供してきました。USiZEは、電気・ガス・水道などの公共サービスと同様にITリソースも使用量に応じて利用できるというコンセプトで提供されるサービスで、上場企業を中心に400社以上のお客様にご活用いただいています。一方、netXDCのデータセンターサービスとしては、ルータ、スイッチ等の機器、ケーブルを組み合わせたハードウェアで個別に構築するに留まっていました。クラウド時代に必要とされるスピードや柔軟性を実現するためには、データセンターのネットワーク仮想化をさらにすすめる必要があったのです。」(石川)

“ 私達は、製造、通信、流通、金融など、さまざまな業界のお客様のニーズに対応しなければなりません。NFV製品である、仮想ADC「vTM」を採用したのも、私達が必要と考える機能と性能を十分に満たしていたからです。 ”

ITサービスを「使いたいとき、使いたい分だけ」提供するために

ネットワークの仮想化に必要となるのが、ネットワーク機能の仮想化(NFV:Network Functions Virtualization)と、ソフトウェアによる集中制御(SDN:Software Defined Network)だ。仮想化されたサーバやストレージはすぐに準備できても、ネットワークの提供に時間がかかっては、「使いたいときに使いたい分だけ」という理想は実現できない。

そこでSCSKは、SDN/NFVを実現する基盤として他メーカのSDNコントローラを導入、ソフトウェアベースでネットワークを提供できる仕組みを構築し、データセンターサービスとして新たに「USiZE Virtual NetworkService」をリリースした。 さらに、SDNでコントロール可能な通信キャリアの回線をデータセンターに引き込むことで、通信キャリアの回線も含めて、ネットワークサービスをワンストップで迅速に提供、マネジメントできる環境を実現した。

ITマネジメント事業部門 netXデータセンター事業本部 ネットワークサービス部 第二課 丸田真功 は、次のように説明する。

仕組みが求められていたと、ITマネジメント事業部門netXデータセンター事業本部 ネットワークサービス部第二課長 石川光春 は次のように説明する。

 

丸田 真功 氏
SCSK株式会社
ITマネジメント事業部門
netXデータセンター事業本部
ネットワークサービス部 第二課
丸田真功

「お客様拠点から弊社のデータセンターに接続するには、通信キャリアの閉域網ネットワークが必要です。しかし、通常、通信キャリアのネットワークを新しく敷設するには、1~2ヶ月かかります。そこで、弊社では、複数の通信キャリアの回線をあらかじめデータセンターに引き込み、マルチテナントで利用できる環境をご用意しました。そして、netXDCの仮想ネットワークと、SDNに対応した通信キャリアサービスとを組み合わせることで、クラウドサービスからお客様拠点ネットワークまでエンドツーエンドでサービスを提供することが可能になりました。」(丸田)

ルータやロードバランサ/アプリケーション・デリバリー・コントローラー(ADC)についても、これまではハードウェア製品を利用していたが、仮想製品が必要となったのである。そこで採用されたのが、NFV製品である仮想ADC「vTM」だった。

“ vTM以外の仮想ADCには、ハードウェアと同様に買い切り型しか用意されていなかったり、制約があったりと、コスト削減や迅速かつ柔軟なサービス提供を満たさない可能性がありました。一方、仮想ADC「vTM」により、柔軟なサービス の提供を可能にすることができました。 ”

vTMを採用した理由

vTMは、すでに多くの企業で導入実績を持つ仮想ADCだ。インテリジェントな負荷分散に加え、他社の仮想ADCと比較して最大17倍*のSSL暗号化/復号化機能を備える。 (*SCSK調べ)

石川は、自社が扱っているから製品を選んだわけではないと、次のように強調する。

「私達は、厳しい規制への対応が必要な金融業界、キャンペーン等で急激なトラフィック変動が当たり前の流通業界など、さまざまなお客様のニーズに対応しなければなりません。そのために、中立的な立場で必要な製品を採用しています。vTMを採用したのも、私達が必要と考える機能と性能を十分に満たしていたからです。弊社の検証で、サービス基盤として採用した他メーカのSDNコントローラとスムーズな連携を確認したことも製品選択の大きなポイントです。」(石川)

「使いたいとき、使いたい分だけ」柔軟なサービスを実現

仮想ADC「vTM」を採用した理由は、もう1つあった。それは、月額ライセンスが用意されていたことだ。

「仮想ADCを利用すれば、ハードウェアが不要なので、コスト削減や迅速かつ柔軟なサービス提供が可能です。ところが、vTM以外の仮想ADCには、ハードウェアと同様に買い切り型しか用意されていなかったり、制約があったりと、コスト削減や迅速なサービス提供につながらない可能性がありました。」(丸田)

仮想ADC「vTM」のライセンス体系は、利用に応じた課金を実現する。これにより、USiZE Virtual Network Service では、1ヶ月だけ運用するキャンペーンサイト用に、仮想ADCを1ヶ月だけ使うといった柔軟な提供が可能になった。

じつは、仮想ADC「vTM」の月額ライセンスは、SCSKからのリクエストにより実現したものだ。 2010年に、クラウド事業者向けに仮想ADCの月額ライセンスを提供開始した。

データセンター変革の実現に、vTMが役割を担う

vTMにより、USiZEのクラウドサービスのみならず、データセンターサービスにおいても、ADCのネットワーク機能を「使いたいとき、使いたい分だけ」使えることが可能になった。すでにUSiZEのパブリッククラウドサービスを活用している400を超える企業や、基幹システムなどをデータセンターの仮想基盤に移設・構築することを検討している企業にとっても、仮想ネットワークサービス「USiZE Virtual Network Service」は有力な選択肢になるはずだ。

USiZE Virtual NW Serviceの図

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