NVIDIA GTC 2025 Keynote(基調講演)レポート~AIファクトリーとフィジカルAIで訪れるAI時代の転換点~
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GPU(Graphics Processing Unit)とは、本来は3Dグラフィックスや動画描画を高速化するために設計された半導体チップ。大量の計算を同時並行で処理する「並列処理」に特化している。膨大なピクセルの色・明るさを一斉に計算できるため、ゲームや動画編集で滑らかな描画を実現できるほか、近年はこの並列処理能力が評価され、AIや画像認識、科学技術計算といった分野でも不可欠な計算基盤になっている。
GPUとは「Graphics Processing Unit」の略称です。その名の通り、もともとは画像や映像といったグラフィックス処理を専門に行うために開発された半導体チップです。最大の特徴は、同じ種類の単純計算を同時に大量実行できる「並列処理」性能にあります。GPUは多数の演算器(コア)を搭載し、同一処理を一斉に回すことに長けているため、画面を構成する無数のピクセルそれぞれの色や明るさを同時に計算し、滑らかな表示を実現します。
この高い並列計算能力は、グラフィックス以外の分野でも力を発揮します。例えば機械学習・ディープラーニングで頻出する行列演算やベクトル演算は膨大な並列計算を必要とし、GPUで処理することで学習時間の短縮や推論の高速化が可能です。さらに、動画エンコード、3DCGレンダリングといった大量データの一括処理にも適しており、今日のPCからデータセンターまで、GPUはAI時代において欠かせない存在となっています。

(出典)【デジタルツイン入門第4回】画像処理技術とAIでデジタルツインを支えるNVIDIA GPU
パソコンの頭脳としてよく知られる「CPU(Central Processing Unit)」も計算を行う装置ですが、GPUとは得意なことが異なります。CPUは複雑で連続した処理の司令塔、GPUは単純な大量処理を実行する専門部隊とイメージすると分かりやすいでしょう。どちらが優れているというわけではなく、お互いの役割を分担することで、パソコン全体の快適な動作を実現しています。
| 特徴 | CPU | GPU |
|---|---|---|
| 得意な処理 | 複雑な計算や論理的な判断を一つずつ順番に処理する | 単純な計算を大量に、同時に並行して処理する |
| コア数 | 数個〜数十個 | 数百個〜数千個以上 |
| 具体的な処理 | OSの管理、アプリの起動、文書作成、Web閲覧など | 3Dグラフィックスの描画、動画の再生・編集、AIの計算など |
GPUは「グラフィックボード(グラボ)」と混同されがちですが、厳密には以下のような違いがあります。
ちなみに、CPUにGPUの機能が内蔵されている「内蔵GPU」という形態もあります。
かつてはゲームや専門的な映像制作が主な活躍の場でしたが、現在ではGPUの用途は大きく広がっています。
高精細でリアルな3Dグラフィックスを滑らかに動かすためには、高性能なGPUが不可欠です。特に、光の反射や影を現実世界のように再現する「レイトレーシング」技術は、GPUの強力な計算能力があってこそ実現します。
4K/8Kといった高解像度の動画編集や、3DCGの制作、CAD(設計支援ツール)などでもGPUは活躍します。GPUを使うことで、編集中のプレビューがスムーズになったり、完成した作品を書き出す時間(レンダリング)を大幅に短縮したりできます。
近年、急速に発展しているChatGPTのような生成AIや、画像認識技術の裏側では、GPUがフル稼働しています。AIが学習(ディープラーニング)する際には、膨大な量のデータを並列で計算する必要があり、まさにGPUの得意分野です。
例えば、新薬の開発、天候の予測、金融市場の分析、医療画像の解析(CTスキャンなど)といった専門分野で、シミュレーションや膨大なデータ解析にも活用されています。
私たちの身近なデバイスにもGPUは搭載されています。パソコンやスマートフォンでOSの画面が滑らかに動いたり、動画をきれいに再生できたりするのは、内蔵されたGPUのおかげです。