SCSK

ケーススタディ:LiuGong社 「aPrioriのShouldコストで生産コストを40%削減」

はじめに

世界有数の建機メーカーであるLiuGongは収益性を確保し、市場競争力を維持するため、aPrioriの「Should コスト」を活用し、より多くのコストダウンの機会を特定しています。 ここではLiuGong社が抱えていた課題とaPrioriを用い開発コストを40%削減した方法をご紹介します。

LiuGong社

会社概要

  • 産業:建設機械製造
  • 従業員数:17,000人以上
  • 売上高:39億7,000万ドル
  • ウェブサイト:https://www.liugong.com/en/
  • aPriori製品:aP Pro

1958年設立。中国の柳州に本社を置く、建機業界のリーディングカンパニー。中国国内では同業界初の上場企業。グローバルで20以上の製造拠点、5つの研究開発(R&D)センターを所有。 主要製品はホイールローダー、油圧ショベル、ロードローラー、フォークリフト、舗装機、グレーダー、フライス盤、およびその他のさまざまな建設機械など。

1. 課題:設計段階のコスト見積もりの不正確さから、予算超過や製品発売の遅延に

LiuGongの課題は、製品発売以降に実際にかかるコストが判明し、それも多くの場合、当初目標の20%以上上回っていることです。このギャップは、生産上の大きな課題となるため、改善が必要でした。 さらに深刻な課題は、設計段階で製品コストをリアルタイムでフィードバックできるコストモデルがなく、コスト管理ができていなかったことです。

そこで2022年初頭、同社はコスト超過分20%を削減するモデル構築を目標に、設計、生産技術者、コスト管理、IT担当で構成されるコスト管理チームを結成しました。このモデルは設計の初期段階におけるコスト見積もりとフィードバックを基に生成されます。これにより後工程で生じる手戻りを未然に防ぎ、製品化のスピードを上げ、市場競争力アップに寄与します。

2. 解決策: aPriori「Should Cost」活用による、生産コストの管理および削減

LiuGongは、aPrioriのManufacturing Insightsソフトウェアを導入し、リアルタイムかつ自動化されたコスティングツールを取得しました。aPrioriによるアプローチとメーカーの目標が合致していたことから、両社で共同プロジェクトチームを結成しました。このコラボレーションで、あらゆる生産プロセスのコストを迅速に見積もるモデル「LiuGong Master Digital Factory」が誕生しました。このデジタルファクトリには、板金、プレス加工、機械加工、鋳造/鍛造のあらゆるプロセスが搭載されています。同社はデジタルファクトリ上で最もコスト効率の高い生産プロセスによって選択されたコストを最適とし、「Shouldコスト」と定義しました。

Shouldコストは、製品の「真の」費用を計算します。LiuGongは、コスト削減対象となるターゲットの見極め、効果的な交渉に向けた基盤構築、またビジネス上の意思決定をShouldコストに基づき実践しています。さらにaPrioriによって生産、設計、材料などの代替案のコストを評価できます。 2023年、同社はこのコストモデルを本社の調達と経費管理に統合し、グローバル展開を計画しています。この統合は同社のデジタル設計、製造、データ管理におけるプロジェクト目標に戦略的ビジョンをいかに組み込んでいるかを示しています。

3. 結果:生産コストを40%削減

aPrioriは製品開発、調達、製造、原価計算、その他プロジェクト関係者間を横断してコストの情報共有を可能にし、LiuGongのデジタルコスト管理を強化します。このようにコストを共有できるプラットフォームは同社のサプライチェーンや財務レビューにおいて重要な役割を果たしています。 例えば、新製品(下の画像を参照)を発売時、従来の見積もりは不正確であることが多く、販売価格の決定を妨げていました。しかしaPrioriを使用し、同社は非常に正確なコストを生成し、実際の生産コストが当初概算よりも40%低いことが判明しました。

例:LIUGONGの新製品デザイン

同社は現在、aPrioriによって、出図前に完全なコストを入手できます。また、設計再考時にはリアルタイムでコスト比較が可能になり、設計の早期段階で製品コストを決定できるようになりました。これはコストがかかる後期設計変更指示(ECO)を回避し、開発期間を短縮し、設計効率向上に寄与します。

4. 次のステップ

LiuGongは、aPrioriのコスト計算機能を設計最適化、リーン生産、サプライヤーとのコラボ、工場投資管理など、さまざまな管理プロセスで利用することを計画しています。aPrioriは同社のグローバル事業全体で運用され、経営効率を高めるための重要なソリューションになる予定です。

本記事はaPriori社からの転載記事です。オリジナルのサイトで記事を読む。

資料ダウンロード

お気軽にお問い合わせください。

お問い合わせ

関連記事