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事例 |株式会社日立製作所株式会社日立製作所が「aPriori」を導入 日立グループ内への普及を推進

より多くの品目で高度なコスト査定力を

2017 年 4 月、株式会社日立製作所は「aPriori」の導入を決定。日立グループの目指す「最適設計」達成に向けプロジェクトを開始した。原価企画部の佐藤克成氏が aPriori の導入検討を開始したのは 2016 年のことだった。 「実は日立にはもともと自社開発したコストシミュレーターがあり、2004 年頃から一部の品目で運用していたんです。ところが徐々に対応しきれなくなっていました」。当然のことだが、日立グループが扱う部品には、さまざまなものがある。社外やサプライヤからの購入品は、多岐にわたる。それらには自社製シミュレーターは使えない。結果、原価管理がより複雑となり、本来あるべきバリューエンジニアリングの実現が困難であった。
左から 佐藤克成氏(日立製作所)、Mr. David Ondrias(aPriori Product Manager)、Mr. Mamoru Iguchi(aPriori Vice President Asia Pacific)
左から 佐藤克成氏(日立製作所)、Mr. David Ondrias(aPriori Product Manager)、Mr. Mamoru Iguchi(aPriori Vice President Asia Pacific)
「近年、ビジネスが複雑化する中で、社内外の製造コスト査定力の向上が必須となってきています。ところが自社製シミュレーターは 1 品目作るだけで数年かかります。必要な品目分を内製するなど現実的ではないわけです。ならば優れた市販品を探すべきでしょう」。そう考えた佐藤氏らがSCSKから紹介を受けたのが aPrioriだった。
児玉一行氏と佐藤克成氏
児玉一行氏と佐藤克成氏

設計者が aPriori を使い最適設計を

「製品選定にあたっては、丸1年の時間をかけ、さまざまな製品を検討しました」。原価企画部の主任技師 児玉一行氏はそう語る。検討を重ね、一年がかりで選び抜いた結論が aPrioriだった。「重視したのは 3DCAD との親和性、製造プロ セスが明確に出ること。またデータベース更新の確実さです」(児玉氏)。なぜ、3DCAD との親和性や製造工程を重視したのか。「できるだけ時間をかけずに、というのは当然ですね。加えて将来は設計だけでなく調達や製造、生産技術部門での活用も視野に入れているので、使いやすさも重要でした。その点、 aPriori なら、要件を満たし、簡単かつスピー ディに入力できる。製造工程も自動設定して計算するので、専門知識のない他部門スタッフも活用できると判断しました」(佐藤氏)。── 2019 年度の本格稼働を目指して、佐藤氏らはSCSKの協力も得ながら、プロジェクトを進めている。

日立製作所と SCSK、aPriori の三者による打合せ
日立製作所と SCSK、aPriori の三者による打合せ

「第一ステップは、原価企画におけるコスト査定ですが、それはあくまで通過点。私たちは、設計者自身にこれを使い日立グループの目指す「最適設計」を達成してもらいたいのです。これは、QCD の Q に加え C も担保された設計という事です。aPriori が 3DCAD と緊密に連携することできっと実現できる、そう期待しています」(佐藤氏)。

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