導入メリット |
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森ビル株式会社では、「MORI LIVING」のブランドにて、賃貸レジデンスやサービス アパートメント、分譲レジデンスなどを提供しています。同社は、賃貸事業向けにスクラッチで作られていた住宅営業・運営管理システムで顧客管理などを行っていましたが、賃貸と分譲の両方の事業を統合させたシステムを求めてMicrosoft Dynamics CRM 2013を導入。賃貸営業・分譲営業から建物の運営管理までをサポートするシステムを構築することによって、業務効率化と顧客満足度の向上を目指しています。
森ビル株式会社
住宅事業部 事業推進部
プロジェクト推進グループ
チームリーダー
長谷川 雅 氏
森ビル株式会社
住宅事業部 事業推進部
プロジェクト推進グループ
リーダー
畑山 朋広 氏
森ビル株式会社
情報システム部
開発グループ
チームリーダー
常倍 徹也 氏
SCSK株式会社
流通システム第二事業本部
流通・CRMサービス部
プロジェクトリーダー
菅原 清一郎 氏
不動産賃貸・分譲および運営管理事業を行っている森ビル株式会社 (以下、森ビル) の住宅事業部では、スクラッチで構築された住宅営業・運営管理システムで顧客管理や物件管理を行っていましたが、住宅事業の拡大やサービスの多様化に対応しきれていないことが課題となっていました。「従来の住宅営業・運営管理システムでは、お客様からの問い合わせへの対応など、営業行為や業務フローの記録を有効活用しにくい状態でした。新たに CRM を構築することによって、情報を有効活用して業務効率を向上したいと考えたのです」と森ビル株式会社 住宅事業部 事業推進部 プロジェクト推進グループ チームリーダーの長谷川 雅氏は話します。
また、従来の住宅営業・運営管理システムは、分譲事業を本格的に展開する前に構築されており、分譲事業の情報は住宅営業・運営管理システムとは別で管理されていたため、賃貸事業と分譲事業の両方で利用できるシステムにする必要もありました。「賃貸レジデンスのお客様が分譲レジデンスの購入を検討したり、分譲レジデンスを当社が借り上げて賃貸レジデンスとして運用されることを希望されるお客様もいます。両方の物件を検討されるお客様もいますので、賃貸レジデンスと分譲レジデンスを一つのデータベースで管理する必要がありました」と森ビル株式会社 住宅事業部 事業推進部 プロジェクト推進グループ リーダーの畑山 朋広氏は話します。さらに、年々複雑化し、変化していく業務に合わせて、住宅営業・運営管理システムの機能も改変する必要がありましたが、スクラッチで開発されたシステムを改修するには、膨大なコストと時間がかかることも課題でした。そのため、改修を控えてしまうことも多く、新たな業務要件とシステムが乖離している面も見受けられました。
森ビルでは当初、独自性の高い業務にあったシステムをパッケージ構築することは困難だと考え、スクラッチで構築することを検討していました。しかし、「必要な機能を独自開発で提供するためには、非常に大きなコストと時間がかかることが問題でした」と森ビル株式会社 情報システム部 開発グループ チームリーダーの常倍 徹也氏は話します。たとえば、スクラッチでは異なるデータ間の項目に関連付けを多数設定し、設定した関連付けに基づいて各コンテンツ間をシームレスに遷移できるようにするためには膨大なコストが必要になります。ただ、営業支援だけでなく、運営管理業務も同じシステムで管理する必要があり、それらを満たすパッケージ製品はないと考えられていました。
最終的に森ビルが選択したのは、Microsoft Dynamics CRMをカスタマイズする SCSK株式会社(以下、SCSK)の提案でした。「営業支援と運営管理業務の両方で利用でき、以前のシステムの機能も搭載したいというご要望の中で、Microsoft Dynamics CRMであれば、.NET Frameworkでアドオンを容易に開発でき、柔軟なカスタマイズができると考えました。スクラッチに比べて、短い開発期間でコストを大幅に下げられることを提案させていただきました」とSCSK株式会社 流通システム第二事業本部 流通・CRMサービス部 プロジェクトリーダーの菅原 清一郎氏は話します。
「SCSKは、これまでもよい提案をしてくれるという印象がありました。今回のCRM構築では、我々の複雑な業務を理解し、イメージしやすい具体的な提案を行ってくれました。日本マイクロソフト社との連携が緊密であり、Microsoft Dynamics CRMの構築経験も豊富で、納得できるコストを提示してくれました」と常倍氏はSCSKを評価します。
Microsoft Dynamics CRM以外のパッケージを使った提案もありましたが、約600人が利用する新たな住宅営業・運営管理システムを5年間利用した場合のコスト比較では、Microsoft Dynamics CRMのほうがコストを抑制した開発・運用が可能であったと言います。また、重要な顧客情報や物件情報を扱うため、クラウドではなく、オンプレミスで運用することが望まれました。
2014年8月から約13か月間の構築期間中のSCSKについて、畑山氏は、「複雑な業務を非常によく理解してくれて、的確にシステムに落とし込んでくれました。SCSKが非常にうまくプロジェクトをコントロールしてくれたので、限られた期間のなかでのリリースが実現できました」と評価しています。
新たなシステムでは、複雑なデータを多様な切り口で柔軟に出力できるようになり、便利になったというユーザーの声も出ています。検索機能などのユーザーが求める機能も実装させ、賃貸レジデンスと分譲レジデンスの両方の情報を有効に活用させるなど、今後さまざまな効果が出てくることが期待されています。
森ビルが扱う物件の中には、一つの建物の中に賃貸レジデンスと分譲レジデンスの両方が含まれているものもありますが、これらの情報を一つにまとめてグラフィカルに表示することで、全体像を捉えやすくなりました。また、これまで運営管理の情報はオペレーションの指示と完了の情報が記録されているだけでしたが、今後は蓄積したデータを検索・分析することで、現場の業務効率の改善や居住者のニーズに即した運営管理仕様の改善立案などに役立てられます。
賃貸レジデンスと分譲レジデンスで別々であった情報をまとめることで、一気通貫で情報を参照でき、顧客サービスに役立てられることも大きなメリットです。物件/顧客/営業/運営管理の各情報を賃貸レジデンスと分譲レジデンスの両方で連携させることによって、過去のデータを活用して顧客ごとに丁寧な対応を行うことで、顧客満足度の向上と競争力強化が期待できます。
業務の変化に迅速に対応することも、新たな住宅営業・運営管理システムの導入の目的の一つでした。カット オーバー後は、実際に利用しながら操作感や機能などを見直すことでMicrosoft Dynamics CRMの特長を活かし、低コストかつ迅速な改修が行われています。
優先順位を付けつつも、気がついた部分は速やかに改善する、というコンセプトを持つことで、新たな住宅営業・運営管理システムはより進化し、2016年3月には、理想的なシステムになることを目指しています。また、今後は、環境や業務の変化に合わせて柔軟に改善していくことで、常に業務に最適なシステムを利用できるようにしていく予定です。
「今回構築したシステムを活用して業務のスピードを上げ、お客様のご要望にスピーディにお応えできる営業や運営管理を実現していきたいと考えています」と話す長谷川氏。
賃貸と分譲、営業と運営管理を統合させたシステムで、業務を見直し、サービスの向上を目指す森ビルでは、今後も良質なレジデンスの提供を通じて、より豊かな都市生活を提案し続けていきます。
Customer Profile | |||
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会社名 | 森ビル株式会社 | ||
所在地 | 〒106-6155 東京都港区六本木6丁目10番1号 六本木ヒルズ森タワー | ||
社員数 | 1,287名(2015年4月) | ||
URL | http://www.mori.co.jp/ | ||
概要 | 「都市を創り、都市を育む」というビジョンのもと、森ビル株式会社では東京都心部を中心に六本木ヒルズなどの都市開発・運営を手掛けており、また、虎ノ門などにて新たな都市開発プロジェクトを推進しています。住宅事業においては「MORI LIVING」のブランドにて賃貸レジデンスやサービス アパートメント、分譲レジデンスなどを提供しています。 |
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