LANとは

LANとは「Local Area Network」の略称で、直訳すると「限られた範囲のネットワーク」。その名の通り、自宅やオフィス、学校の校舎内など、特定の狭い範囲でコンピュータやスマートフォン、プリンターなどをつなぐネットワークのことを指す。LANを利用することで、複数の機器が同じインターネット回線を共有できるほか、ファイルの送受信やプリンターの共有なども簡単に行えるようになる。

LANとは|概要

「LAN(Local Area Network:ローカルエリアネットワーク)」とは、オフィスや家庭など限られた範囲内で機器同士を接続し、データのやり取りを可能にするネットワークです。

例えば、パソコンに保存されている写真をプリンターで印刷したり、別のパソコンにデータを送ったりできるのは、このLANのおかげです。つまり、LANは私たちの身近な場所で機器同士をつなぐ、重要な役割を担っています。

LANとWANの違い

LANとよく比較される言葉に「WAN」があります。WANは、地理的に離れた場所にあるLAN同士をつなぐ、より広範囲なネットワークを指します。東京本社と大阪支社をつなぐ企業ネットワークや、世界中のコンピュータをつなぐインターネットは、このWANの代表例です。

LANとWANの最も大きな違いは、ネットワークがカバーする「範囲」です。LANを「家の中のネットワーク」とすれば、WANは「家と外の世界をつなぐ道路網」のようなイメージです。

項目 LAN WAN
範囲 自宅、オフィスなど限定的で狭い範囲 都市間、国境を越える広範囲
具体例 家庭内ネットワーク、社内ネットワーク インターネット、企業の拠点間ネットワーク
通信速度 高速 LANに比べると低速な場合が多い
管理主体 個人や企業 通信事業者

LANの種類

LANの接続方法には、大きく分けて「有線LAN」と「無線LAN」の2種類があります。以下に、それぞれの特徴を説明します。

有線LAN

有線LANは、「LANケーブル」という専用の線を使って、パソコンなどの機器をルーターやハブに直接接続する方法。物理的なケーブルでつながっているため、通信が非常に安定しており、速度が速いのが最大の特長です。

一方で、ケーブルが届く範囲でしか利用できず、配線が煩雑になりやすいというデメリットもあります。

無線LAN(Wi-Fi)

無線LANは、LANケーブルを使わずに、電波を利用してネットワークに接続する方法です。ケーブルが不要なため、部屋の中の好きな場所でパソコンやスマートフォン、タブレットなどをインターネットに接続できるのが大きな魅力です。

ただし、電波で通信するため、壁などの障害物や他の電化製品の影響を受けて、通信が不安定になったり速度が遅くなったりすることがあります。

LANの仕組みとは?

LANは、複数の機器が互いに通信するための仕組みですが、その中心的な役割を担っているのが「ルーター」です。ルーターは、ネットワークに参加している各機器に「IPアドレス」というインターネット上の住所を割り振ります。そして、データの送受信が行われる際には、その住所をもとに、正しい宛先へデータを届ける交通整理役を果たします。

また、ルーターはLANとWAN(インターネット)をつなぐ橋渡しの役割も担っています。家の中(LAN)からの「このサイトが見たい」というリクエストを、外の世界(WAN)へ伝え、受け取った情報を家の中の正しい機器に届けてくれるのです。

LAN接続に必要な機材

ご家庭やオフィスでLANを構築するためには、いくつかの機材が必要です。ここでは、基本的な機材とその役割について解説します。

機材名 役割 選び方のポイント
ルーター 複数の機器をネットワークに接続し、交通整理を行う中心的な装置。 利用する部屋の広さや接続したい機器の台数に合った性能のものを選びます。
LANケーブル パソコンなどをルーターに有線接続するためのケーブル。 「カテゴリ(CAT)」という規格があり、数字が大きいほど高速通信に対応します。
パソコン・スマホなど ネットワークに接続する端末。無線LANを利用する場合はWi-Fi対応が必須。 ほとんどの現代の機器は無線LANに対応しています。
ハブ / スイッチ (必要な場合) 有線LANの接続口(ポート)を増やすための装置。 ルーターのポート数が足りない場合に使用します。

LANのメリット

LANを構築することで、私たちは多くの恩恵を受けることができます。主なメリットは以下の通りです。

インターネット接続の共有

1つのインターネット回線を、複数のパソコンやスマートフォンで同時に利用でき、コスト削減にもつながります。

ファイルやデータの共有

同じLANに接続されたパソコン同士で、写真や書類などのファイルを簡単にやり取りできます。

周辺機器の共有

1台のプリンターやハードディスクを、複数のパソコンから共有して利用が可能です。

LANのデメリット

便利で欠かせないLANですが、利用する上で注意すべき点も存在します。

セキュリティ対策の必要性

特に無線LANは電波で通信するため、悪意のある第三者に不正アクセスされるリスクがあります。ルーターのパスワードを複雑なものに設定するなど、適切なセキュリティ対策が不可欠です。

導入コストと設定の手間

ルーターなどの機材購入に初期費用がかかります。また、初めて利用する際には、機器の接続や初期設定を行う必要があります。

トラブル対応

「インターネットにつながらない」といったトラブルが発生した場合、原因がどこにあるのかを自分で切り分ける必要があります。

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