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日本の再エネ証書比較~需要家の視点から~

日本では、世界でも稀なことに、複数の再エネ証書が存在しています。この記事では、日本で利用可能な4つの再エネ証書を取り上げ、需要家の視点からそれぞれの違いを比較します。

日本で使える再エネ証書 ~4つの選択肢~

日本で使用できる再エネ証書は4つあります。

① I-REC
I-REC(International Renewable Energy Certificate)は、国際的な「再エネ属性証書」です。電力の属性を証明することを目的としており、「いつ・どこで・誰が・どんな発電方法で・どれくらい発電したか」を明確にします。アジア、南米、アフリカなどで展開され、日本では2023年1月から利用可能になりました。

② 非化石証書
非化石証書は、日本の制度による独自の再エネ証書です。再生可能エネルギーの環境価値を取引し、収益化することを目的としています。国内で最も流通している再エネ証書です。

③ グリーン電力証書
グリーン電力証書は、日本独自の再エネ証書です。太陽光、風力、バイオマスなどから発電されたグリーン電力の「環境付加価値」を切り離して取引可能にしたものです。

④ Jクレジット(再エネ電力由来)
Jクレジット(再エネ電力由来)は、再生可能エネルギーの利用によるCO2削減量を「クレジット」として国が認証する制度です。「住宅・事業所における太陽光発電設備の導入」から生まれるクレジットが主となっています。

I-REC概要資料ダウンロード

需要家視点で再エネ証書を比較

再エネ証書にはそれぞれ異なる特徴があります(下表参照)。需要家の皆様には、使用目的に合致した証書を選ぶことをおすすめします。

たとえばI-RECは、次のような使用目的をもつ需要家におすすめです。

● オペレーション統一
I-RECは国際的に流通しているため、日本国内外での再エネ証書に関するオペレーションを統一できます。これにより、各国独自の証書ルール変更を常にチェックして、オペレーションを変更する手間を大幅に削減できます。

● 欧州などの規制対策
欧州をはじめとする海外と取引のある企業は、各国の規制に対応することが求められます。こうした状況下で、I-RECは国際基準のエネルギー属性証明書(EAC)として注目されています。

● 自由度の高い調達
I-RECはEneTrackのWEBマーケットプレイスでいつでも購入可能です。オークションを待たずに、必要な時に必要な量を調達できます。

需要家目線での再エネ証書比較 (SCSK調べ) ※scope2

I-REC 非化石証書 グリーン電力
証書
J-クレジット
(再エネ由来)
設立目的 再エネの属性証明
および再エネの拡大
高度化法達成
(国民負担の軽減)
企業・自治体の環境対策と日本のグリーン電力導入への貢献 日本の温室効果ガス排出削減量の拡大
証書発行対象 自家消費/系統に流した電力 系統に流した電力 自家消費/系統に流した再エネ電力 特定プロジェクトや
自家消費における
CO2排出削減量
属性の証明 できる(国際標準) できない(不完全) 不明 不明
国際認知度 ×
CDP・SBT・RE100への報告
温対法対応 ×
有効期限 なし あり なし なし
転売 × ×
他のエネルギー
証書との連携
× × ×

おわりに

日本で利用できる信頼性の高い電力属性証明(EAC:Energy Attribute Certificate)として、I-RECは有力な選択肢です。私たちは、需要家の企業価値の向上に貢献するため、I-RECの普及に努めてまいります。

参考文献

関連リンク