TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)

TNFD提言に基づく情報開示

SCSKグループは、自然資本への対応を企業の長期的価値を決定する重要な経営課題の一つと認識しており、不確実な状況変化に対応し得る戦略と柔軟性を持つことが重要であると考えております。

この考えに基づき、TNFD提言にて推奨される4つの要求項目に対して継続的な検討および情報開示を進め、さまざまなステークホルダーとの建設的な対話を通じて企業価値の向上を目指します。

TNFDが推奨する開示内容

2023年8月、SCSKグループは自然関連財務情報開示タスクフォース(以下、TNFD)の理念に賛同し、TNFDフォーラムに参画しました。
2024年度には、自然資本が事業活動に与える影響、および事業活動が自然資本に与える影響を評価するため、TNFDが提唱しているLEAPアプローチに沿って、SCSKグループの全事業領域を対象に分析を行いました。

LEAPアプローチに基づく分析

LEAPアプローチは、自社の事業活動、バリューチェーン、自然との接点および優先地域を特定する(Locate)、これらの地点における自然資本への依存および影響を把握・評価する(Evaluate)、その依存と影響に起因するリスクと機会を特定・評価する(Assess)、そしてそれらに対する対応策を講じ、情報を開示する(Prepare)という一連のステップで構成されるアプローチ方法です。

〈Locate・Evaluate〉

SCSKグループのバリューチェーン毎に、一般的に自然資本に対しどのような依存・影響関係があるかを、ENCORE(※1)を用いて分析しました。

分析した一般的な自然資本への依存・影響関係を、SCSKグループの事業内容や拠点の地理的情報などの定性的な情報と、各事業拠点の温室効果ガス排出量などの定量的なデータを用いて整理し、SCSKグループにとっての自然資本への依存と影響を特定・評価しました。

その結果、特にデータセンターの操業における水資源への依存や、データセンターやオフィスの操業に伴う、温室効果ガスや廃棄物の排出において、SCSKグループ単独で直ちに自然環境に及ぼす影響は確認できませんでした。 また、温室効果ガスの排出による影響、および大雨・洪水によるリスクについては、TCFD提言に基づく情報開示をご覧ください。

  • (※1)ENCORE:産業別の自然への潜在的な依存・影響などを把握することができるツール

〈Assess〉

特定した依存と影響に基づき、SCSKグループのリスク・機会を抽出しました。抽出する際には、TNFDガイダンス(※2)を参照した他、TCFD開示で特定した自然に関連するリスク・機会の項目についても再検討し、網羅的に洗い出しを行いました。抽出したリスク・機会については、ステークホルダーにとっての重要性と、SCSKグループにとっての重要性の観点から評価、特定するとともに、SCSKグループの対応策を整理しました。

  • (※2)Guidance on the identification and assessment of nature-related issues: the LEAP approach(version1.1)
リスクと機会とその対応策

〈Prepare〉

リスク・機会の分析結果を踏まえ、関連する指標について目標を掲げています。また、今般特定されたリスク・ 機会、および指標と目標については、定期的に見直し、対応策の検討を実施していきます。