DXを推進させるデータ活用は「カルチャーの変革」がカギ!
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データマート(Data Mart)は、企業が保有する大量のデータから特定の目的や部門に必要なデータを抽出・整理したデータベース。例えば、営業やマーケティングの部門が全社のデータベースから「顧客名」「過去の購入履歴」「商談ステータス」「流入元」などを抽出して、キャンペーンの企画や施策の立案に活用するといったケースがある。用途や目的が絞られており、取り扱うデータ量が少ないため、必要なデータに素早くアクセスすることができる。
データマート(Data Mart)とは、企業が持つ膨大なデータの中から、特定の目的や部門に合わせて必要なデータだけを抽出し、格納した小規模なデータベースのことです。全社的なデータを網羅的に保管する「データウェアハウス 」が百貨店だとすれば、データマートは特定のテーマ(例えば紳士服や化粧品)に特化した「専門店」に例えられます。百貨店(データウェアハウス)にはあらゆる商品が揃っていますが、目的のものを探すのは大変です。
そこで、あらかじめ専門店(データマート)に必要な商品だけを集めておくことで、データ分析者は素早く目的のデータにたどり着き、分析や意思決定に集中できます。
データ基盤に関する話題では、「データマート」の他にも「データウェアハウス」「データレイク」といった類似の用語が多く登場し、混乱のもとになることがあります。ここでは、データマートと関連用語との違いについてご紹介します。
データウェアハウス(DWH)は、社内の様々な場所に蓄積されたデータを、すぐに分析に使える形に整理し、一元的に格納しておく「データの倉庫」のようなものです。データマートは、このデータウェアハウスから特定の部門(例:営業部、マーケティング部)や目的(例:顧客分析、売上分析)に必要なデータだけを切り出して構築されることが多くあります。
データレイクは、さまざまな形式のデータを加工しない「生」の状態のまま貯蔵できます。さまざまな形式のデータを加工せずにそのまま保管できるものです。今後の使用用途が決まっていなくても、データを貯蔵しておく場所として機能します。一方、データマートに保管されているデータは、特定の目的のために整理・加工されていたデータです。
| 用語 | 主な目的 |
|---|---|
| データウェアハウス | すぐに分析に使える形で大量のデータを保管 |
| データレイク | 多様なデータの保管 |
| データマート | 特定目的部門での分析 |
データマートは、その成り立ち(データソース)によって大きく3つの種類に分けられます。それぞれのメリットやデメリットを理解し、自社のデータ基盤の状況や目的に合わせて最適なタイプを選ぶことが重要です。
データウェアハウスからのデータをもとに構築される最も一般的なタイプです。全社あるいは一定の組織レベルで統一されたデータウェアハウスのデータをもとにするため、部門間でデータの定義がずれることがあまりなく、一貫性のある分析が可能です。データガバナンスが効かせやすく、信頼性の高いデータ活用基盤を築きたい大企業などに向いています。
データウェアハウスを介さず、特定の業務システムなどからデータを直接抽出して構築されるタイプです。データウェアハウスが未整備の場合や、迅速に特定の部門だけでデータ分析を始めたい場合に適しています。手軽に始められる反面、部門ごとにばらばらに作られると、データがサイロ化してしまうリスクがあります。
データウェアハウスのデータと、それ以外の外部データや部門独自のデータソースを組み合わせて構築するタイプです。例えば、データウェアハウスの売上データに、外部の市場調査データを組み合わせて分析したい場合などに利用されます。柔軟な分析が可能になる一方で、データソースが増えるため、設計や運用管理の難易度が上がります。
データマートを導入することで、企業はデータ活用において多くのメリットを得ることができます。
ここでは、代表的な4つのメリットについて解説します。
データマートは分析対象が特定のテーマや目的に絞られているため、データ量が少なく、シンプルな構造になっています。そのため、データウェアハウス全体を検索するよりも応答が格段に速くなります。これによって、PDCAのサイクルをより素早く回すことができ、意思決定のスピード向上に直結します。
データマートには、その部門の業務に必要なデータしか含まれていません。そのため、人事情報や財務情報といった機密性の高いデータへの不要なアクセスを根本から防ぐことができます。部門ごとにアクセス権限を設定することで、データガバナンスを徹底し、情報漏洩のリスクを低減させることが可能です。
全社規模のデータウェアハウス構築は大規模なプロジェクトになりがちですが、データマートは部門単位でスモールスタートが可能です。特定の課題を解決するために必要なデータマートから構築を始めることで、初期投資を抑え、短期間で成果を出すことができます。これにより、費用対効果の高いデータ活用を実現できます。
データマートは、さまざまな業界で課題解決の手段として活用されています。以下に代表的な事例をご紹介します。
全社のデータ基盤から販売記録や会員情報、Webサイトの閲覧履歴などを統合したマーケティング用のデータマートを構築。顧客の購買行動を分析し、LTV(顧客生涯価値)の向上や売上増加につなげています。
機会や設備から取得したセンサーデータをもとにした品質管理用のデータマートにより、設備の異常検知や故障予測を行い、生産性の向上を実現しています。
取引履歴やアクセス情報を統合した不正検知データマートを使って、リアルタイムで不正を監視し、リスク管理を強化しています。