ウェアラブルデバイスとは

ウェアラブルデバイスとは、その名の通り「身につけられる（Wearable）」コンピュータ端末のことです。腕時計やメガネ、指輪のように身体に装着して利用することから、ウェアラブル端末とも呼ばれます。

スマートフォンがポケットや鞄に入れて持ち運ぶのに対し、ウェアラブルデバイスは常に身体と一体となって機能する点が大きな特徴です。そのため、多くの製品は小型・軽量で、長時間つけていてもストレスを感じさせないデザインになっています。

ウェアラブルデバイスと聞くと、多くの方がスマートウォッチを思い浮かべるでしょう。しかし、実際には装着する場所や目的に応じて、さまざまな形状のデバイスが存在します。ここでは、代表的なウェアラブルデバイスの種類とその特徴をご紹介します。

腕時計型

最も普及しているタイプが、Apple Watchに代表される腕時計型のスマートウォッチです。時刻表示はもちろん、スマートフォンに来た通知の確認や通話、電子マネー決済まで手元で完結できます。また、心拍数や歩数、睡眠の質などを計測する健康管理機能も充実しており、日常生活のあらゆる場面で活躍します。

リストバンド型

リストバンド型は、歩数や消費カロリー、睡眠時間といった健康管理やフィットネス機能に特化したデバイスです。機能を絞っている分、軽量でバッテリーの持ちが良く、価格も手頃なモデルが多いのが魅力です。

指輪型

指輪型のデバイスは、他のタイプに比べて圧倒的に小型で、着けていることを忘れるほど自然な装着感が特徴です。24時間身につけていても邪魔になりにくいため、特に睡眠中のデータを高い精度で計測することなどを得意としています。

眼鏡型

眼鏡型のスマートグラスは、作業員の手元にマニュアルを表示したり、遠隔地の専門家から指示を受けたりといった業務利用で注目されています。

イヤホン型

イヤホン型は、音楽を聴きながら心拍数を測ったり、外国語をリアルタイムで翻訳したりする機能を備え、私たちの能力を拡張してくれます。

ウェアラブルデバイスは、私たちの生活をさまざまな側面からサポートしてくれます。その用途は多岐にわたりますが、主に以下の3つのカテゴリーに分けられます。

健康管理・フィットネス

歩数や移動距離、消費カロリーを記録するだけでなく、心拍数や血中酸素の状態をモニタリングし、睡眠の質や深さを分析することも可能です。さらに、ランニングや水泳などの運動を自動的に記録する機能を備えているため、健康維持やトレーニングの効率化に役立ちます。

コミュニケーション

スマートフォンと連携することで、電話の着信通知や応答、LINEやメールの確認・返信が手元で簡単に行えます。スケジュールやリマインダーの通知機能も備えており、外出先でも予定管理がスムーズです。

日常生活の利便性向上

電子マネーによるキャッシュレス決済や音楽再生の操作、GPSを利用したナビゲーションなど、生活をより便利にする機能が充実しています。さらに、音声アシスタントを使えば、情報検索や家電の操作も声だけで行えるため、忙しい日常において大きな助けとなります。

ウェアラブルデバイスは、個人利用にとどまらず、ビジネス現場でも導入が進んでいます。ここでは、ビジネスにおける主な活用事例について解説します。

製造業

スマートグラスを使えば、作業指示や図面を視界に表示し、両手を使ったまま作業が可能です。さらに、遠隔地の専門家がリアルタイムで指示を送ることで、生産性と品質を同時に向上できます。

物流・倉庫業

リストバンド型スキャナーやスマートグラスを活用することで、ハンズフリーでバーコードを読み取れるようになり、作業効率が大幅に向上します。視界にピッキングリストを表示することで、誤出荷の削減にもつながります。

建設業

スマートウォッチやリストバンド型デバイスで作業員の心拍数や体温を常時モニタリングし、危険を早期に察知できます。これにより、安全管理が強化され、労働環境の改善にも貢献します。

医療・ヘルスケア

スマートウォッチやパッチ型センサーを使えば、患者の心拍数や睡眠状態を常時記録し、異常の早期発見や予防医療に役立ちます。医師は遠隔で患者の状態を把握できるため、適切な医療を迅速に提供できます。