レガシーシステムとは

過去の技術で構築されたシステム。独自に開発された仕様のため最新のITシステムとの互換性が無いものが多く、老朽化やブラックボックス化が進んでいる状態のまま、現在も使い続けられているものを指す。保守・運用に費用がかかり先端技術をもつIT人材の浪費につながることから、日本の多くの企業におけるDXを妨げる要因として、経済産業省が警鐘を鳴らしている。

レガシーシステムとは|概要

レガシーシステムとは、過去の古い技術で構築され、現在に至るまで長期間にわたって使用されてきたシステムやソフトウェアを指します。

経済産業省は「DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~(本文)」の中で、「技術面の老朽化、システムの肥大化・複雑化、ブラックボックス化等の問題があり、その結果として経営・事業戦略上の足かせ、高コスト構造の原因となっているシステム」とレガシーシステムを定義しています。

レガシーシステムが抱える問題とリスク

レガシーシステムは、2024年現在において使われているITシステムから数年~数十年前に開発された「過去の技術」で構築されているため、最新のITシステムとの互換性が低くなっています。そのためレガシーシステムが残存している企業では、最新のセキュリティ対策を講じることや汎用性の高いネットワークシステムとの連携が難しく、脆弱性を抱えた状態になることが懸念されています。

それ以外にも、以下のような問題点があります。

保守・運用の属人化

独自OSで稼働するものや、その企業の業務に合わせて独自開発されたシステムのため、仕様を理解している技術者でなければ改修などが難しい問題があります。

技術者の高齢化による人材不足

老朽化したシステムの仕様を把握し対応できる技術者の高齢化が進んでおり、今後の人材の枯渇が予測され深刻な課題となっています。

企業のIT人材の浪費

IT人材資源、特に先端的な技術を担う人材は慢性的に不足していますが、その貴重なリソースがレガシーシステムの保守・運用に割かれていることでせっかくの高い能力を活かせず離職が進むなど、全体への悪影響も懸念されます。

(参考)レガシーシステムが存在することによるリスク・課題

(参考)レガシーシステムが存在することによるリスク・課題

(出典)経済産業省:DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~(サマリー), p5

経済産業省の調査から、レガシーシステムはすでに老朽化が進んでおり運用負担も増大、今後も使い続けられる保証は無いと事業者の多くが考えていることがわかります。一方で具体的に新しいシステムに乗り換える方策を知らなかったり、予算がなかったりする企業も多く、ベンダーロックインに陥る原因やDX(デジタルトランスフォーメーション)の妨げの一因となっていると考えられます。

レガシーシステムのフルアウトソーシング|課題/目的から探す|クラウド移行だけでは描けない、理想のDXを実現する (scsk.jp)

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