ポートフォワーディングとは

ポートフォワーディングとは、外部から特定のポート番号宛てに送信されてきた通信を、あらかじめ設定しておいた特定の機器に転送する仕組みや技術。主にルーターから設定でき、リモートワークやウェブサーバーの公開などに利用されている。

ポートフォワーディングとは|概要

ポートフォワーディングとは、特定の通信を指定した機器に届ける「通信の案内役」のような技術です。インターネットから特定のポート番号宛てに届いたパケットを、あらかじめ設定しておいたLAN 側の機器に転送します。「ポート開放」や「ポート転送」とも呼ばれますが、これらは基本的に同じ意味で使われる言葉です。

なぜ必要?背景にあるNAT/NAPTの仕組み

その背景には、インターネットの住所である「グローバルIPアドレス」の数が限られているという問題があります。この問題を解決するのが「NAT/NAPT」という、ルーターが持つ住所変換の仕組みです。

NATは、プライベート IP アドレスをグローバル IP アドレスに変換する技術です。例えば、LAN内の192.168.1.10というプライベートIPを、インターネットに接続するために203.0.113.1というグローバルIPに置き換えます。

さらに、NAPTはIPアドレスだけでなくポート番号も使って、複数の端末が同時にインターネットへアクセスできるようにします。仕組みとしては、ローカルネットワーク内の各デバイスに対して異なるポート番号を割り当て、同じグローバルIPアドレスを共有します。

例:
・PC→203.0.113.1:1000
・スマホ→203.0.113.1:2000

ポート番号で区別することで、インターネット上のサーバーは「どの機器に応答すべきか」を判断できます。つまり、1つのグローバルIPでも複数の通信を同時に処理できるのです。

(参考)グローバルIPアドレスとプライベートIPアドレス

グローバルIPアドレス プライベートIPアドレス
役割 インターネット上の住所(世界で一つ) 自宅や社内など限定的な範囲での住所
203.0.113.1 192.168.1.10
特徴 インターネットに直接接続可能 そのままではインターネットに接続不可

ただしNAT/NAPTを実現するルーターは、セキュリティのため、基本的に「内側から外側へ」の通信しか許可せず、「外側から内側へ」の通信はブロックします。ポートフォワーディングは、このルールに特定の例外を作り、必要な通信だけを内側に通すための設定です。

ポートフォワーディングの仕組み・流れ

では、実際にポートフォワーディングはどのように通信を案内するのでしょうか。外部のパソコンから自宅のWebサーバーにアクセスする場合を例に見ていきましょう。この例では、ルーターに「外部からの80番ポートへの通信は、内部の192.168.1.10の80番ポートへ転送する」という設定がされているとします。

1.外部からの接続要求

インターネット上のパソコンが、あなたの家のグローバルIPアドレスの80番ポートにアクセス要求を送ります。この時点では、通信の宛先はルーターです。

2.ルーターによる宛先の書き換え

要求を受け取ったルーターは、ポートフォワーディングの設定を確認します。そして、「80番ポート宛の通信だ」と判断し、パケットの宛先を内部のWebサーバー(192.168.1.10:80)に書き換えて転送します。

3.サーバーからの応答と送信元の書き換え

Webサーバーは要求に応答パケットを返します。ルーターはその応答パケットを受け取ると、今度は送信元をWebサーバーのアドレスからルーター自身のグローバルIPアドレスに書き換えます。これにより、外部のパソコンはルーターと直接通信しているように見え、スムーズなやり取りが成立します。

ポートフォワーディングの活用例

ポートフォワーディングは、様々な場面で活躍します。具体的な利用シーンと、そのメリットを下の表にまとめました。

利用シーン 主な目的 どう活用しているか ポート番号例
Webサーバー公開 自宅や社内のWebサイトを外部に公開 自外部からのHTTP通信(80番ポート)をWebサーバーに転送 80 (HTTP), 443 (HTTPS)
リモートデスクトップ 外出先から自宅PCを操作 外部からのRDP通信(3389番ポート)を自宅PCに転送 3389 (RDP)
ファイルサーバー (NAS) 外部から自宅のファイルにアクセス FTPやSMB通信をNASに転送 21 (FTP), 445 (SMB)
監視カメラ 遠隔地から映像を確認 カメラ専用ポートへの通信をカメラに転送 機種により異なる

このように、ポートフォワーディングを正しく設定することで、ネットワークの可能性は大きく広がります。ただし、外部にポートを公開することはセキュリティリスクも伴うため、安全なパスワードを設定したり、必要なポートだけを開放したりといった対策が重要です。

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