VPNとは

VPNとは"Virtual Private Network"の略称。日本語では「仮想専用通信網」の意。物理的な専用回線を構築するのではなく、インターネット上に仮想的な専用回線を構築することで安全に通信を行うための技術を指す。物理回線を構築するよりコストがかからず、共用回線を使用しながらセキュリティ性の高い通信が可能となるなどのメリットがある。一方、セキュリティが物理的な専用回線ほどは高くないこと、接続速度の低下が起こる可能性があることなどのデメリットがある。

VPNとは|概要

VPN(Virtual Private Network)とは、インターネット上に仮想的なプライベートネットワークを構築し、安全にデータを送受信するための技術です。日本語では「仮想専用通信網」の意味になります。

VPNを使用すると、公開されたネットワーク(インターネット)上で、まるでプライベートなネットワーク(例えば、企業の内部ネットワーク)上で通信しているかのように、安全にデータ通信を行うことが可能になります。

VPNはデータを暗号化し、一種の「トンネル」を作り出すことで動作します(後述)。このトンネルは通信経路全体を通じてデータを保護し、データが途中で傍受されるのを防ぎます。トンネルはインターネット上に存在しますが、通信内容はVPNによって暗号化され安全性が向上しています。

VPNで使われる4つの技術

VPNは、4つの技術を用いて安全な通信を実現しています。

(1)トンネリング

トンネリング(tunneling)とは「トンネルを開通する」という意味です。VPNにおける「トンネル」とは、ネットワーク上に構築された仮想回線を指します。通常は開かれた公衆的な回線であるインターネット上に、2つの拠点を作り、ここを仮想的な回線でトンネルのようにつなぐことで共用通信網の中に閉じられたネットワークを構成し、データを受け渡しするイメージです。

なお、トンネルは、パケット(IP=Internet Protocolによって分割されたデータ片)をカプセル化することによって機能します。

(2)カプセル化

通信データ(パケット)をカプセルで包むように保護し、インターネット上の仮想回線内を通過できるようにします。なお暗号化されたパケットは、そのままの状態ではネットワーク上を移動できませんが、別の暗号化されていないパケットで包まれることで通常のデータと見なされ移動できるようになる仕組みです。

(3)認証

仮想回線への接続を許可するためのシステム。VPN接続では二段階認証シングルサインオンが使われることが多くなっています。

(4)暗号化

通信データ自体を暗号化することで、第三者に通信内容を盗み見られることを防ぎます。

VPNのメリットとデメリット

VPNを用いた接続には、以下のメリットとデメリットがあります。

VPNのメリット

  1. セキュリティ向上とプライバシー保護が叶う
    通信データを暗号化することで第三者による情報漏洩を防ぎ、セキュリティの向上を図り、プライバシーを保護することができます。
  2. コストが軽減できる
    物理的な専用回線を構築するよりもコストが抑えられます。

VPNのデメリットと注意点

  1. 接続速度の低下
    暗号化・復号化のプロセスやトンネリング処理によって、接続速度が低下する場合があります。
  2. 信頼性の確保が重要
    全てのVPNサービスが同等のセキュリティを提供するわけではないため、信頼できるプロバイダを選択することが重要です。
  3. 設定が複雑で難しいことがある
    VPNサービスによっては、暗号化する装置、複合化する装置、鍵(キーフレーズ)交換の装置を作らなければならないなど、設定・構成が複雑になる場合があります。
  4. コストが必要
    無料のVPNサービスもありますが、多くの場合は有料になります。物理回線ほどのコストはかかりませんが、選択したサービスによってコストが増減するため、慎重に検討する必要があります。

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