NVIDIA GTC 2024イベントレポート ~Keynote(基調講演)から見る生成AIの世界~
- NVIDIA
- GTC
- イベントレポート
- ../../../article/2024/04/gtc2024.html

FPGAとは、Field Programmable Gate Arrayの略称で、直訳すると「現場で書き換え可能な論理回路の多数配列」を意味する。訳の通り、実際の現場(フィールド)で回路構成(ゲート)をプログラムで変更できる集積回路(IC)のことを指す。家電製品から自動車産業、通信システム、産業機器まで、さまざまなシーンで使用されている。
FPGA(Field Programmable Gate Array)とは、論理回路の構成をプログラムで変更できる集積回路(IC)です。基本的にICは製造後に論理回路を変更することはできません。通常、CPUといった汎用型のICは開発後に回路の構成を変更できないため、苦手なタスクを実施する場合は必要以上の時間や負荷がかかります。一方FPGAはハードウェア記述言語を用いて目的やニーズに合わせて変更が可能で、仕様変更があった際にも対応できます。
FPGAはプログラミングによって目的に応じた回路設計をすることで、無駄なく高速で処理を実行できるので、AIやディープラーニングの並列処理にも適しています。また、消費電力も小さく発熱が少ないことから、IoT機器にも組み込まれています。今後IoTやAIがさらに普及すれば、FPGAの需要はますます高まることが予想されます。
以下に、FPGAと同一視されやすいICをご紹介します。
マイクロコントローラー(Microcontroller Unit、MCU)の略称で、自動車や家電製品、産業機器まで幅広く利用されている汎用的な大規模集積回路(LSI)です。並列処理が可能なFPGAとは異なり、メモリからプログラムを読み出し、一つずつ処理を実行するため、多くの計算を行うには時間がかかります。
CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)の略称で、マイクロプロセッサ(MPU)と呼ばれることもあります。コンピュータやサーバに主に使用されており、他の装置・回路の制御やデータの演算などを行う装置です、CPUは汎用性が高く、幅広いタスクに対応できますが、FPGAとは異なり、特定の処理を高速化させるカスタマイズはできません。
GPU(Graphics Processing Unit:画像処理装置)とは、3Dグラフィックスなど画像を描画するために作られた装置です。大量の並列計算を高速に実行する能力があり、GPUはディープラーニングやビッグデータ処理に適しています。費用対効果の面ではGPUに分がありますが、消費電力や通信速度の安定性ではFPGAが優れています。
CPLD(Complex Programmable Logic Device)とは、FPGAと同じくプログラムをあとから変更することができるICです。CPLDとFPGAは、その規模に大きな違いがあります。安価なCLPDよりもFPGAは高価な分、高い集積度をもっており、より高度な処理を実行することが可能です。
ASIC(Application Specific Integrated Circuit)とは、特定の用途や製品に合わせて設計されるICのことです。特定用途に応じて回路の設計を行うため、開発には多くのコストと時間がかかります。ただし、FPGAとは異なり、一度開発をすると変更はできません。
FPGAの主なメリットとして、演算効率の良さと消費電力の少なさが挙げられます。FPGAは特定の用途に特化した回路構成により効率的な処理が可能で、汎用バスを経由せずデータに直接アクセスできるため、処理速度を一定に保てます。また、必要な処理をプログラミングによって構築できるため、消費電力を抑えることができます。
デメリットとしては、プログラミング難易度の高さがあります。回路設計に用いられるハードウェア記述言語(HDL)は命令型プログラミング言語に比べて高度な知識や技術が求められます。
FPGAの実際の活用事例をいくつかご紹介します。
家電製品 | プラズマ・液晶テレビ、デジタルカメラに組み込まれている。FPGAを組み込むことで、画質の向上やリアルタイム処理が可能になる。 |
---|---|
自動車 | カメラからの入力情報から歩行者や車両を識別し、運転手に危険を知らせるなど、多くの並列処理を必要とする先進運転支援システム(ADAS)に使用されている。 |
工場 | 産業用の画像処理システムから設備稼働監視システムやロボットまで幅広く使用されている。その柔軟性から素早い市場投入や製品の改良が可能になる。 |