スケールアウトな分散システム設計
HPE ProLiant DXは、最小で3台のサーバーあるいはノードから構成されるクラスタとして提供され、各ノードには、CPU、メモリ、フラッシュドライブ、ハードディスクドライブ、そしてハイパーバイザーが格納されています。各ノードは相互に10Gbイーサネットスイッチで接続され、HPE ProLiant DXのソフトウェアはクラスタの各ノードで、コントローラVM(CVM)と呼ばれるユーザーモードVMで稼動します。CVMは、相互に通信しながらクラスタの全ノードのストレージドライブを使って1つのストレージプールを生成し、これを分散ストレージファブリック(DSF)と呼びます。
DSFでは、データとメタデータをクラスタの全ノードに分散すると同時に、データの重複排除や圧縮、クローニング、階層化、自己回復機能などを完全な分散方式で提供することで、クラスタに単一障害点やホットスポットが発生することを排除します。このアーキテクチャーによって、必要な時に何の制約もなくクラスタにノードを追加し拡張(スケールアウト)することができます。また、クラスタのパフォーマンスやキャパシティは、追加・拡張したとおり、リニアに性能を発揮します。
HPE ProLiant DXのソフトウェア
ハイパーコンバージドのストレージ機能は、ソフトウェアで実現されます。HPE ProLiant DXは、今までのハードウェアで実現していたストレージアーキテクチャーをソフトウェアに置き換え、汎用的なx86サーバー上で実行されます。HPE ProLiant DXをご利用いただいているお客様は、最新版のソフトウェアリリースをワンクリックでインストールして、新たに実装された機能やメリットを即座に享受することができます。
- 総合管理ソリューション
- ●仮想化環境、ストレージ、クラスターなどインフラ全体を管理
- ●使用状況や傾向を予測・分析
- ●直観的でカスタマイズできるGUI
- ●AWS、AzureへバックアップできるAPIを提供
- 仮想化/ストレージ機能をビルトインしたプラットフォーム
- ●アプリケーション・モビリティ・ファブリック
- ●分散ストレージ・ファブリック
- ●マルチハイパーバイザーのサポート
- ⇒ESXi、Hyper-V、AHV、XenServerなどをサポート
インフラストラクチャー上の利点
HPE ProLiant DXは、インフラストラクチャーのライフサイクル全体をシンプル化します。スケールアウト可能なアーキテクチャーによって、現時点で必要な分のインフラストラクチャーを準備し、要件の拡大に従って順次拡大を図ることができるため、初期導入時に過大なコストをかけるリスクを避けることができます。
HPE ProLiant DXの導入は、わずか数分で完了します。複雑なファイバーチャネルネットワークのセットアップや、LUN、RAIDセットなどの設定も不要です。ソリューションは統合済みで、標準的な10Gbスイッチで稼動するため、相互接続の調査や検証にかける時間もほとんど発生しません。
HPE ProLiant DXのインフラストラクチャー全体は、同じ1つの画面から管理することができます。システム管理者は、コンシューマーグレードで直観的なGUIから、サーバーやストレージリソースを確認し、コントロールすることができます。専門知識を持たないIT担当者でも、容易にサーバーやストレージの管理を実施できるため、IT部門を大幅に簡素化することができます。
HPE ProLiant DXクラスタは、システムを停止することなく数分のうちに拡張することができ、事前に想定したとおりにキャパシティやパフォーマンスを向上させることができます。
さらに、HPE ProLiant DXの保守サポートは、ハードウェア、ソフトウェアを一括して提供されるため、問題解決に必要な時間を大幅に短縮することが可能です。