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【動画あり】製造業における設計情報の連携による価値創出

製造業DXに取り組まれている企業が多いなか、DXを導入しても思うように進まず、新たな価値創出などの成果を実感できている企業はごく僅かです。 この記事では、製造業DXが進まない本質や、データ連携させることの重要性、製造業DX化を進める具体的な方法を動画を交えて解説します。

【データ活用】Aras Innovatorを核としたソリューション連携による価値創出 前編(15分22秒)

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目次

製造業DXの進め方・課題

製造業ではさまざまなプロセスやシステムで生成されるデータが多岐にわたります。生産ラインのセンサーデータ、製品の品質管理データ、サプライチェーンの情報などがそれぞれ異なる形式や場所で生成されています。これらのデータを統合し、一元化することが困難であるため、製造業DXが進まない場合があります。

デジタル化された様々なデータは保存しておくだけでなく、効率的な検索と必要なタイミングで適切な形でアクセスできる情報管理が重要です。

データ連携することで管理から活用へ

製造業において競合優位性を高め、新しい価値を創出するためには、データが重要な役割を果たします。データは製造プロセス全体を通して重要な情報となるため、全ての情報を効率的に保存し、検索・管理するシステムが不可欠です。このシステムにより、必要な図面を簡単にアクセスして、閲覧することが可能になります。さらに、部門間でのデータ連携が強化されることで連携が促進され、データの価値も向上します。製造業を取り巻く環境は大きく変化し、データは保存と管理から積極的な活用へと進化しています。

DX推進の要となるデータ連携

データ連携は、情報の一元化と正確性確保、効率と生産性の向上、リアルタイムの情報共有と迅速な意思決定、コスト削減とリスク管理の強化、革新と協業の促進を実現し、組織やプロジェクトの競争力を高める重要な役割を果たします。

効率の向上と生産性の向上

ツール間でデータを連携させることで、設計プロセス全体の効率が向上します。例えば、CADツールとPLM(製品ライフサイクル管理)システムを連携することで、設計から製造、サプライチェーン管理までの流れがスムーズになります。これにより、設計の変更や修正が容易になり、生産性が向上します。

情報の一元化とデータの正確性

複数の部門やチームが同じ設計データにアクセスし、そのデータを共有できるようになります。これにより、情報の一元化が実現され、データの整合性と正確性が向上します。異なるシステム間でのデータの矛盾を減らし、誤った情報に基づく問題を未然に防ぐことができます。

迅速な意思決定と透明性の向上

データ連携により、リアルタイムで最新の設計情報にアクセスできるようになり意思決定が迅速に行われプロジェクトの進捗状況や問題点に対する理解が深まります。また、関連する全てのステークホルダーが同じ情報を共有することで、透明性が増し、意思決定プロセスがより効果的になります。

コスト削減とリスク管理の強化

データ連携により、重複する作業やデータの再入力を減らすことができるので、作業時間の節約や人的ミスの削減が期待できます。また、正確なデータを基にした意思決定はリスク管理を強化し、プロジェクトのコストと時間のオーバーランを予防するのに役立ちます。

無償で利用可能  エンタープライズ PLMソフトウェア Aras Innovator

Aras Innovatorは、無償で利用開始することができる、誰にでも開かれたオープンなシステムです。さらにスライドに載せているようにあらかじめ、製品、商品、これが企画され、設計され、評価され、製造され、それを欲している誰かの手に渡って使われて、最後に廃棄されていくといったプロダクトライフサイクル全体を通じて、膨大に情報がやりとりされている。これらを管理するためテンプレートが最初から用意されています。

Aras InnovatorはPLMとして捉えていません。テンプレートとしてPLMと呼ばれるような情報の管理のあり方、これに対応できるとしてもAras Innovatorのテンプレートの形、これはあくまでも見本でしかなく、本質的には、Aras Innovatorの必要な形で情報を自由に組み立てて、そのつながり方、あり方というのを、それぞれの皆さんのニーズに合わせた形で構成するための自由なキャンバス、この柔軟性こそが、Aras Innovator最大の特徴です。

アイデア次第であらゆる種類の情報をマネジメントするためのプラットフォームとして使うことができる。この柔軟性に非常に富んだAras Innovatorは、情報マネジメントの手段として最良の選択肢の一つです。

Aras Innovator は、既存のシステムを置き換えることなく製品の企画・設計から製造、納品後のアフターサービスに至るまでのすべての製品ライフサイクルの各データをつなぐ「デジタルスレッド」を構築することが可能。過去の設計データや納品後の顧客の声を新たな製品開発に利用したり、サービス部門が設計や製造の情報を利用して、予防/保全を適切に実施することが可能です。

埋もれた情報・データを “今” に繋げる CAEデータクローラー

SCSKが提供するCAEデータクローラーを利用すると、解析の入力ファイルや出力ファイル、解析の種類、要素名、要素数から並列プロセス所要時間、物性値といった情報をルールベースで抽出し、Aras Innovatorの中に自動的に集約することが可能です。

CAEデータクローラーを使って連携を行うことで、情報がさらに新しい情報を生んでいく、情報創造の連鎖を作ることができます。 CAEデータクローラーは、解析結果、ファイルもしくはアウトプットとして出てきた様々な情報、インプットの情報をAras Innovatorの中に集約し、 必要に応じて解析技術者がプラスアルファのパラメーターをセットし、その結果はまたAras Innovatorに集約されます。

資料ダウンロード:埋もれた情報・データを今に繋げるCAEデータクローラー

計算プロセスの自動化で設計業務効率化を実現 pSeven

多種多様な計算プロセスを自動化し、新たな情報を創出するためのソリューション pSeven。 課題を解くために必要なモデルの事前加工、メッシング、ソルバによる計算、さらにその計算結果をもとにした別のソルバによる計算、さらに得られた結果からその内容を分析し、可視化するといった一連のプロセスの連なりを自動処理して行くためのソフトウェアです。

多彩な処理を自動的に流せるソフトウェアで、pSevenを使うと技術者はある決まった順番で処理をして行く連成解析、一定のルールでパラメーターを変化させながら最適の形状を求めて行く最適化の計算、計算結果を学習させることで、従来のソルバの代わりに高速で代理演算のできるサロゲートモデルを構築できます。このような価値をpSevenを使うことで、技術者は得ることができます。

設計の効率化をするうえで直面する課題とは

解析技術者、生産技術者に、既存のシステム上に蓄えられた3Dモデルや図面、設計BOM等の情報が届いていますか? よくある課題として、システムのサイロ化があります。 本来はその人たちだけではなく、ほかの人たちもいろいろな情報を欲しがっているにもかかわらず、このサイロ化されたシステム、分断されたシステムの状態では、届くべき情報がその人たちに届かなくなります。 設計者にとってはこれを使って管理するということが日常であり、PDMが設計されている以上、非常に使いやすいはずです。それを全部別のシステム、例えばAras Innovatorに引っ越す必要はありません。

本当に必要なことは、今の便利な道具を捨てることではなく、あくまでも集めることは手段なので、必要な情報が必要なところに集まりさえすればいい。そのためにソリューション連携をすることが必要です。 それぞれのシステムの役割は、そのまま。やらなければならないことは、今までどおりで何をしなくとも、必要な誰かのもとに情報が届きます。

例えばPDMの中に登録されている設計プロジェクトに関する単位情報があったとして、PDMの中にある限りはその情報の寿命は終わってしまいますが、ソリューション連携によって特にユーザーが特別なことをしなくても、PDMの中に登録されたプロジェクトの情報が、Aras Innovatorに連携されます。

Aras Innovator側では、このプロジェクトの情報をさらにブレイクダウンして、例えばそのプロジェクトの進行管理のために新たに使っていくことができるようになります。

設計の自動化

例えばPDMの中のE-BOM、設計BOMですが、エクセルに出して、別の部署に渡すという場合、ひと手間ふた手間かかります。 Aras Innovatorと連携することで本来PDMの中で閉じてしまっていた設計BOMが次の工程の設計者に対して、工程設計のための素材や調達計画の素材、もしくは設備設計の素材といった今までとは異なる新しい役割を担うことができ、そして必要な姿へとどんどん変容を繰り返しながら、意義を広げていくといった価値が生まれていきます。
これが、Aras Innovatorと既存のPDMなどのシステムとのソリューション連携を通じて、私たちが創出したいと考えているテーマになります。

設計情報の連携で新たな情報を

設計者により創造された部品、必要な情報は3Dモデルや図面の他にもあります。例えば、加工方法、製造コスト、CO2排出量。 またPDMのの中には、とても重要な成果物として3Dモデル・図面ファイルといった設計、成果物が格納されていると思います。

これらはそれだけでも製品を生み出して行くための非常に貴重な情報ですが、本当に必要な情報はそれで終わりかというと、本当はもっと他に欲しい情報ってありますよね? 例えば、その部品はどうやって作ればいいのか。それを作ることで、どのぐらい環境に影響を与えるか?CO2排出量など本当に欲しいプラスアルファな情報として本来あるはずです。

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