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事例から学ぶ!社内ヘルプデスク効率化と社員の自己解決率向上の方法とは?


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情報システム部門で、負担が大きい業務が社内ヘルプデスクです。システムの使い方やPCの不具合、ネットワーク関連など問い合わせ内容は多岐にわたり、その対応に多くの時間がとられています。電話やメールで受け付けているケースはまだ多く、「問い合わせの状況を把握しきれない」「特定の担当者に負担が偏ってしまう」などが課題となっている企業も多いのではないでしょうか。専用のヘルプデスクシステムを導入する企業もあるものの、社員に活用されず、問い合わせが相変わらず電話やメールできてしまうといった悩みも聞かれます。

SCSKのグループ会社で、IT活用により中堅企業の業務改善・生産性向上・DXといった課題解決を支援するSCSK Minoriソリューションズ株式会社では、SCSK独自開発のカスタマーサポートツール「CarePlus Cloud」を導入し、ヘルプデスク業務の効率化と社員の利便性向上に成功しました。そこで今回は、SCSK Minoriソリューションズの荷見氏、中山氏に、カスタマーサポートツール導入前に抱えていたヘルプデスク業務の課題やツールの選定・活用方法などを伺いました。

SCSK Minoriソリューションズ株式会社 執行役員 企画グループ 技術企画本部 情報システム部長 荷見 誠 氏

SCSK Minoriソリューションズ株式会社
執行役員
企画グループ 技術企画本部
情報システム部長
荷見 誠 氏
SCSK Minoriソリューションズ株式会社 企画グループ 技術企画本部 情報システム部 中山 雅弘 氏

SCSK Minoriソリューションズ株式会社
企画グループ 技術企画本部
情報システム部
中山 雅弘 氏

IT統制のために、カスタマーサポートツールの導入が課題

―― ツール導入前に社内ヘルプデスクが抱えていた課題について伺えますか?

荷見氏:社内システムのアカウントロックやPCの不調・故障サポート、社内ネットワーク障害といったヘルプデスク対応から、業務効率化支援、インフラ・基盤運用、中長期的なITインフラの検討まで幅広く担当しており、あらゆる問い合わせが寄せられます。以前は、電話やメールで問い合わせを受けていたため、特に電話では伝える側と受け取る側で認識に齟齬が出てしまうケースなどもありました。また、問い合わせを受けた担当者がその場で対応し完了していましたから、部署内での情報共有ができておらず、問い合わせた内容について再度連絡を受けても、改めて最初から内容を聞かなければならないといった二度手間が発生していました。

中山氏:問い合わせる社員からすると、さほど問題はなかったようですが、対応する担当にとっては、業務に割り込む形で電話やメールでの問い合わせがくるため、作業効率が悪くなっていました。また、お客様のオフィスなど、社外で勤務している社員については、電話やメールでの対応にも限界があり、ケアが行き届いていないという点も課題でした。

―― ツールを導入するきっかけはあったのでしょうか?

荷見氏:最大の理由はIT統制です。電話を受けた本人しか情報を把握できておらず、対応状況の管理が徹底できていない状況は問題だと判断し、ツールの導入を検討することになりました。以前、他のカスタマーサポートツールを導入していたのですが、活用されていませんでした。ツール利用の周知が足りなかったこともありますが、ツール導入後も電話やメールでも問い合わせを受けてしまっていたため、結局、気心が知れた情報システム担当者に電話で問い合わせが来てしまう状況が続いていました。

ツールの利用が定着しないため、社内ヘルプデスク側にもナレッジが蓄積されず、情報システム部内での情報共有も進みません。このままではよくないと、仕切り直して新たにツールを選定し、本気でヘルプデスクシステムの活用に取り組もうということになりました。

優れたUIで、社員・ヘルプデスク担当ともに使いやすい「CarePlus Cloud」を導入

―― そこでCarePlus Cloudの導入となったかと思いますが、導入の決め手を教えてください

荷見氏:いくつか製品を検討したのですが、CarePlus CloudはとにかくUIが優れていて、問い合わせする側・受ける側どちらにとっても非常に使いやすい画面設計だと感じました。ログインしたときに一目で何をすればよいかが分かり、「次はこうすればいいんだ」という対応もスピーディに行えます。
また、キーワード全文検索も評価したポイントです。社内ヘルプデスク業務では「問い合わせ対応の時間をいかに短くするか」が重要で、検索機能が使いやすければ過去の回答を素早く参照し、効率的に対応できます。さらに、社員向けにFAQや手順書などのドキュメントを掲載でき、検索の使い勝手もよいので、社員の自己解決にもつながっています。こうして問い合わせ件数自体を減らし、本当に対応が必要な案件のみ対応する形が理想です。

図1: CarePlus Cloudの画面例

図1: CarePlus Cloudの画面例

中山氏:ヘルプデスクシステム導入にあたっては、情報システム部門だけでなく、経理・総務・人事など複数部署への問い合わせを一元的に管理したいと考えていました。CarePlus Cloudは1つの窓口ですべての問い合わせを受け付け、部署ごとに振り分けることができます。この仕組みがあれば、社員は「どの部署に聞くべきか」を意識せずに問い合わせることができますし、担当者はすぐに問い合わせ内容を確認できます。
部署ごとに振り分けると言っても、1つの問い合わせに対して複数部署が関係するケースなどがあり、難しい部分もありました。しかし、SCSKに設計からサポートいただいたことで、問い合わせごとに担当する部署に関連付けるとともに、部署間でのエスカレーションや連携をスムーズに行える最適な形を実現できました。

図2 : 問い合わせから回答までの流れ

図2 : 問い合わせから回答までの流れ

SCSKの手厚いサポートで導入はスムーズ。社員の自己解決の促進に成功

―― 実際にCarePlus Cloudを導入されて、いかがでしたか?

中山氏:CarePlus Cloudはクラウドで提供されるため、インフラ構築などは不要です。導入作業自体も自分たちで進めましたが、特に問題なくスムーズに終わったという印象です。SCSKからも、こちらのやりたいことに対して「どの機能をどう使うと、最適な形で実現できるか」などを提案いただきました。社内向けFAQなどは既存の資料をベースに作成しましたが、登録する画面も分かりやすく、特に困ることはありませんでした。

荷見氏:最初に導入したツールでの反省もあり、啓蒙が大切だと意識してCarePlus Cloudに関する情報発信をかなり積極的に行いました。例えば、これまで社内ポータルやファイルサーバに散在していた手順書などをCarePlus Cloudに格納し、電話で問い合わせがきても「CarePlus Cloudの手順書を見てください」と案内するなど、CarePlus Cloudの利用を促進しています。その結果、社員が自分自身で必要な手順書を入手できるようになりましたし、CarePlus Cloudの認知度も上がり、FAQによる自己解決はかなり進みました。

中山氏:これまでは面倒だから問い合わせていなかったけれど、CarePlus Cloudの導入をきっかけに問い合わせてみようという社員が多かったようです。ネットワークの切替えやシステムの統合など問い合わせが増えそうな内容については、FAQなどに掲載することで件数をかなり削減できました。あくまでも体感ですが、電話やメールなどでの問い合わせは7割近く減ったという印象です。啓蒙の効果ももちろんありますが、CarePlus Cloudは、問い合わせも検索もしやすく、使い勝手が良いので、自然と使われるようになったと感じています。

CarePlus CloudのFAQ・ドキュメントが充実し、社員同士でのフォローも可能に

―― 部署内での情報共有などはいかがでしょうか?

中山氏:電話での問い合わせを受けると、次回からはCarePlus Cloudを使うよう案内すると同時に、電話やメールで受けた問い合わせ内容をサポート担当者が代理でQAに投稿する機能を使って記録を残しています。きちんとナレッジがたまるようになり、ヘルプデスクとしての情報共有・蓄積がスムーズにできるようになりました。

荷見氏:CarePlus Cloudはインターネットさえあれば使えることがメリットですが、お客様のオフィスなど、社外で勤務している社員は、クラウドサービスの利用が制限されているケースもあります。この場合、社外にいる社員はCarePlus Cloudにアクセスできないのですが、社内の上司や同僚などが代わりにCarePlus Cloudを見て、社外の社員に回答するという使われ方が増えています。ヘルプデスク担当者ではない社員も問い合わせに対応できるというのは、想定していなかったうれしい効果です。

他部署からCarePlus Cloud利用の要望が来るほど浸透

―― 2021年5月にCarePlus Cloudを導入。10月にはMinoriソリューションズ社・CSIソリューションズ社・Winテクノロジ社が統合し、現在の「SCSK Minoriソリューションズ」となりました。その後の活用状況はいかがでしょうか?

荷見氏:Minoriソリューションズ社はCarePlus Cloudを、CSIソリューションズ社・Winテクノロジ社は他のツールを使っていたのですが、統合時に改めて検討し、CarePlus Cloudが最も使いやすく、ベストだという結論になりました。まだ、全社的なシステムを統合しきれていない状況で、並行してヘルプデスク業務も統合を進めている最中ですが、CarePlus Cloudの利用は浸透していると感じます。
特に、これまでCarePlus Cloudの対象外だった組織から「自分たちも問い合わせを受けるのにCarePlus Cloudを利用したい」と要望がありました。新たにサービス提供する際に、問い合わせ・情報発信の場としてCarePlus Cloudが候補に挙がるほど、しっかり浸透したと実感しました。

―― 今後の活用などについてお聞かせください

荷見氏:まずは3社のシステム統合の完了と合わせ、問い合わせ窓口も完全に一本化することを目指します。そして、初回の応答率向上を進めていきたいと考えています。問い合わせをしても、なかなか回答がこなければ「もう問い合わせない」となってしまうので、重要な指標としています。CarePlus Cloudでは、対応状況も簡単に確認できるので、情報システム部内でも1件ずつ状況をチェックしており、人事や経理など他部署の状況も確認しながら、回答に時間がかかっているものがあれば声をかけるようにしています。あとは、探している情報のリコメンドといったサービス向上へのAI活用にも興味があります。

図3:3社統合後の問い合わせ窓口完全一本化イメージ

図3:3社統合後の問い合わせ窓口完全一本化イメージ

中山氏:ヘルプデスク担当者は、その日の対応状況をCarePlus Cloudに入力するのですが、この作業を弊社のRPAツール「MinoRobo」を活用することで効率化できるのではと考えています。
また、FAQやドキュメントの充実にも注力していきたいです。特に今は、統合を進めている最中ということもあり、ネットワーク環境など情報が随時変わっていっており、マニュアルなどのドキュメントが少しでも古いと信頼性が失われてしまいます。常に最新の状態を維持することで、「CarePlus Cloudを確認すれば間違いない」と思ってもらえるツールを目指しています。
CarePlus Cloudを導入したことで、電話やメールでの対応では見えなかった問い合わせ件数などが可視化できるようになりました。現状では、件数や対応完了率などを月次報告に活用していますが、さらに内容や傾向を分析して各担当者にフィードバックすることで、FAQ改善やそもそもの運用フローの見直しといった改善にもつなげられます。社内のカスタマーサポートツールとして、さまざまな活用ができるのではと期待しています。

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