担当者に聞く~
BtoBのサポート業務をWebポータル上で完結させることでサポート品質と業務効率を改善

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BtoB製品・サービスは、導入前の企画・設計プロセスから導入後の運用・保守・改善プロセスに至るまで、きめ細かな顧客サポートが欠かせません。しかし、電話やメールによる対応が中心で、関係者間で進捗が共有できない、ナレッジが属人化してしまうなどの課題にお悩みの企業も少なくないのではないでしょうか。
企業向けシステムやIT製品を多数提供しているSCSKも例外ではなく、以前は同様の課題に悩んでいました。SCSKでは、サポート現場が自らサポート業務を改善するためにBtoBサポート業務に特化したWebサポートプラットフォーム「CarePlus Cloud」を開発し、課題をクリアしました。
BtoBサポート業務にはどのような課題があり、具体的にどう変わったのか、社内外の事例を交えながらSCSKの担当者に話を聞きました。

インタビュー対応者:
ITエンジニアリング事情本部 営業推進部 第一課 樋口貴志
SCSK株式会社 プラットフォームソリューション事業部
ITエンジニアリング事情本部 営業推進部 第一課 樋口貴志
聞き手:
SCSK IT Platform Navigator事務局

この記事のポイント

BtoBビジネスに欠かせない迅速で的確な顧客サポート
人手不足、属人化、関係者の多さ・・・BtoBならではのサポート課題
Webポータルへの集約でBtoBサポートの業務効率と品質を改善
お客様の利便性向上がサポート業務の効率化につながる
BtoBサポートの多様な課題に応える。3つの活用事例
BtoBサポートの困難な課題に対応できるプラットフォームへ

BtoBビジネスに欠かせない迅速で的確な顧客サポート

企業活動に直結しているビジネス向けの製品・サービスは、安定して使い続けていただくために、迅速かつ的確な顧客サポートが欠かせません。的確なサポートは顧客満足度を向上させ、企業とお客様の信頼関係をより強固にします。

SCSKのプラットフォームソリューション事業部門では、数百を超える企業向けソフトウェア、ハードウェアなど、IT製品・サービスを提供しており、樋口はミドルウェア製品を多数提供する部署に所属していました。そこでは、エンジニアと営業が連携した丁寧なテクニカルサポートが特徴で、電話やメールを介してお客様に活発なサポートが展開されていました。しかし、導入社数や取り扱い製品数が増えるにしたがって、さまざまなサポートの課題が表面化してきたのです。また、それはSCSKに限らず、BtoBビジネスを行う企業全般に当てはまるといいます。

人手不足、属人化、関係者の多さ・・・BtoBならではのサポート課題

「課題のひとつは人手不足です。IT製品に限らず、BtoBの製品・サービスはサポートに高度な知識が求められます。そのため、サポートチームの人材を簡単に増やすことはできませんし、コンタクトセンターに完全に委託することも困難です。取り扱い製品が増えたり、製品が高度化してサポート内容が複雑になると、人手不足と業務負荷の増大に拍車がかかります」

積極的な業務効率化に取り組まない限り、今後、BtoBのサポート業務における人手不足はさらに深刻になると予想されます。

「もうひとつの課題は、属人化です。電話やメールでのサポートは、お客様が特定の担当者を指名して問い合わせを行うケースが多くなります。これまでの経緯がわかっている担当者や、スキルの高い担当者に対応してもらいたいと思うのは当然です。その結果、一部のサポート担当者に問い合わせが集中する事態を招いてしまいます。また、電話の場合は記録を残しにくく、メールの場合はサポートと関係のないメールと混ざってしまったり、後任者に過去の経緯を連携しづらいため、サポートの対応状況やナレッジを他の担当者に引き継ぐのも難しくなります」

BtoBビジネス特有の特徴として、サポート担当者のほかに、メーカーやリセラー、ディストリビューターなど、複数の業者が商流に関係しています。このような関係者の多さも、サポート業務のボトルネックとなっていました。

「電話やメールでは情報共有が上手くいかず、異なる担当者がお客様に同じ説明を求めたり、調整に手間取って回答に時間がかかったり、伝達ミスで間違った回答をしてしまうこともありました。これではサポート品質が低下し、お客様にも大きな負担をかけてしまいます」

Webポータルへの集約でBtoBサポートの業務効率と品質を改善

「SCSKにおいても、当初は電話とメールでお客様からの問い合わせに対応し、Excelで問い合わせ内容を管理する、という運用をしていました。しかしビジネスが拡大するとともに管理が困難になり、誰がどのお客様にどのような回答をしたかを迅速に把握できず、さらにナレッジの蓄積・共有ができていないため、似た内容の問い合わせに何度も対応するなど効率の悪さが目立ちはじめたのです。 また、お客様からも、問い合わせに関するSCSKの対応状況が分からないといったご不満や不安の声が寄せられるようになりました。」

このような状況を改善するために、樋口が所属していた部署でサポート業務担当者と営業担当者が一体となり、BtoB製品・サービスのサポート業務をWebポータル上で完結できるプラットフォーム「CarePlus Cloud」を開発しました。

近年では、電話やメール、Web、チャット、FAXなど、複数の問い合わせ窓口を組み合わせて連携させるサポート業務のマルチチャネル化が大きな注目を集めていますが、「CarePlus Cloud」は、問い合わせ窓口をWebポータルに限定しているのが特徴です。

「電話やメールなどは、お客様が手軽に問い合わせできるため、一見便利に思えます。しかし、BtoBサポート業務にはBtoCとは異なる独特な課題があります。お客様側のご担当者が異動や退職をされれば後任者に引き継がれますが、過去の問い合わせ内容を把握しにくい状況だと、同じような質問を再度確認されるケースも良くあります。このような状況を踏まえ、長期的な視点で考えると、BtoBサポートでは履歴の可視化や情報共有のしやすさが大変重要であり、電話やメールを含むマルチチャネルサポートが最善の策とは限らないのです」

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「問い合わせに対応する複数の関係者が、適切に情報を共有できることが大切です。そこで、Webポータルにアクセスすれば、どのお客様が、いつ、どのような問い合わせをし、誰が対応して、現在どのような状況にあるのか、いつでもどこでもリアルタイムで把握できるようにしました」

お客様とのやりとりは、チャット形式でタイムラインに沿って記録されるため、電話やメールで起こりがちな情報の共有漏れ、伝達ミス、誤送信、漏えいなどのトラブルを防ぐことにも効果的です。また、これによって、効率的な状況把握と迅速な顧客対応が可能になります。

「お客様とのチャットはナレッジとして常に蓄積され、ベテラン担当者の知見や回答例はFAQにまとめることができ、それらは簡単に全文検索することが可能です。また、チャットのタイムライン上には、ベテラン担当者やエンジニアがお客様から見えないメモを投稿し、サポート担当者を支援することもできます。これらの機能によって、知識レベルやサポートスキルに左右されることなく、どの担当者でも安定したサポート品質で対応できるようになります」

チャット形式の問い合わせ対応画面

顧客側の画面
顧客側の画面
サポート側の画面
サポート側の画面

お客様の利便性向上がサポート業務の効率化につながる

「CarePlus Cloud」による情報共有は、サポートチームのみならず、お客様にもさまざまなメリットがあります。

チャットのタイムラインはお客様からも投稿・閲覧できるため、問い合わせへの対応状況を容易に把握することができます。例えば、部署異動や転職でお客様側の担当者が変わった場合でも、過去のやりとりを参照するだけで引き継ぎが可能です。

「チャットやFAQの全文検索も利用できるため、お客様自身がナレッジを参照し、自己解決するケースも多く見られます。情報の共有や可視化によってお客様の利便性を高めることが、サポート担当者の業務負荷を軽減することにつながっているのです」

全文検索画面

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BtoBビジネスでは、複数の製品を同じお客様にご購入いただくケースがよくあります。
「同じ業者から購入しているにもかかわらず、製品やサービスごとにサポート窓口が分かれていると、お客様にとっては手間が増えてしまう場合があります。『CarePlus Cloud』であれば、お客様はひとつのWebポータルを通して複数製品のサポートを受けることが可能になります」

ITエンジニアリング事情本部 営業推進部 第一課 樋口貴志

BtoBサポートの多様な課題に応える「CarePlus Cloud」3つの活用事例

当初SCSKの一部署で利用されていた「CarePlus Cloud」でしたが、社内のさまざまな部署で活用され、同様のサポート課題を抱えているBtoB事業が多いことを知り、社外への提供をスタートしました。

事例①システムインテグレーター:スモールスタートという利点を活かしスクラッチ開発案件の保守サービスに活用

ITソリューションのサポートプラットフォームとして、SCSKで豊富な利用実績があることが評価され、同業であるシステムインテグレーターやソフトウェア開発会社などで数多く導入いただいております。クラウドサービスなので、スモールスタートや部署単位での導入が容易であり、短期構築が可能であることから、スクラッチ開発されたシステムの保守サポートなどに利用されています。

事例②ケーブルテレビ:複数のケーブルテレビ局がナレッジを共有し、問い合わせ対応を効率化

あるケーブルテレビ事業者では、複数の局ブランドが共同でコールセンターやヘルプデスクを運営するためのプラットフォームとして採用されています。従来は局ブランドごとにコールセンターが運用されていたのですが、それではなかなかナレッジが蓄積されません。「CarePlus Cloud」で業務報告書などを共有することにより、問い合わせ対応を効率化し、サポート品質の向上にも役立っています。

事例③銀行:ATMメンテナンス時に必要となる関係者間での連絡業務を効率化

ある銀行では、ATMの現金補充・回収業務で情報共有するために利用されています。ATMの運用には、メンテナンスなどで3時間以上通電が止まる場合、現金を回収しなければいけないというルールがあります。回収するためには、銀行の担当者はもちろん、現金の補充・回収を行う警備会社と作業員、ATMのあるテナントなどと効率的に連絡をとる必要があります。その情報共有プラットフォームとして「CarePlus Cloud」が採用されています。

BtoBサポートの困難な課題に対応できるプラットフォームへ

BtoBビジネスにとって、顧客サポートは製品・サービスの価値を高め、お客様との信頼関係を育む重要なサービスですが、同時に業務負荷の大きなコストセンターとみなされるケースも少なくありません。

「サポート品質の向上を図りながら業務を効率化し、人件費を抑えていくことは、今後、BtoBサポート業務の大きな課題となっていくでしょう。両立は困難に思えますが、『CarePlus Cloud』は、まさにこのような課題に立ち向かうべく開発されたプラットフォームです。SCSKでは、お客様の声にしっかりと耳を傾けながら、さまざまな業種のBtoBビジネスにフィットできるサービスにしていきたいと考えています」

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