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テレワーク特集~ テレワークでも効果を発揮!紙の電子化や自動化で実現する業務の高度化

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テレワークが急速に普及しつつある日本のビジネスシーン。多くの企業が取り組むなかで、それぞれの企業が直面している課題が少しずつ明らかになってきました。なかには単純なテレワークにとどまらず、これまでの業務を見直し、変化させていく企業もあるようです。その代表的な取り組みが、紙の電子化と、RPAによる業務の自動化です。

今回は、テレワークの普及で勢いが増すデジタルシフトの先を見据えながら、電子化・自動化されたさまざまな業務が高度に効率化されていく未来について、SCSKの製品担当者を交えた座談会を実施しました。

インタビュー対応者:
嶋田剛志
SCSK株式会社
プラットフォームソリューション事業部門
ITエンジニアリング事業本部
ミドルウェア第二部 第二課 嶋田 剛志
二関 優介
SCSK株式会社
プラットフォームソリューション事業部門
ITエンジニアリング事業本部
ミドルウェア第一部 第三課 二関 優介
堀場 豪人
SCSK株式会社
プラットフォームソリューション事業部門
事業推進グループ 営業推進部
第一課 堀場 豪人

この記事のポイント

テレワーク下の紙問題は不便さだけではないという事実
デジタルシフトがRPAによる業務効率化を加速させる
テレワーク実施以前と以降の紙の電子化への取組みの違い
紙の運用で生じるマネジメントのリスクとセキュリティのリスク
紙の電子化を高精度な読み取り精度と自動化で支援する「SPA」
サブスクリプション感覚で手軽に使えるRPAサービスRaaSの実現

テレワーク下の紙問題は不便さだけではないという事実

堀場 今回は、テレワーク下における業務の高度化について議論を深めたいと思います。2020年は日本の多くの企業がテレワークに取り組む年となりました。 SCSKは、システムインテグレータ(SIer)としてお客様のテレワークを支援していますが、その活動を通して、また調査会社のレポートからも、テレワークに取り組む企業の声が多数寄せられています。とりわけよく耳にするのが、紙問題です。

嶋田 そうですね。多くのお客様から紙の運用がテレワークを難しくしているというご意見を聞きます。公表された調査結果(※1)の中でも、テレワークを実施した企業の実に4割で「紙の書類の処理」のために出社する必要が発生したとされています。またあるお客様は、紙を電子化する重要性をこのテレワーク期間で実感したとおっしゃっていました。テレワークでは、紙の書類を見ることができず、業務を円滑に進められないケースもあります。例えば、営業担当者が自宅で業務中に取引先の契約書を確認したいと思っても、契約書はオフィスに保管されているため見ることはできません。そのため、オフィスに電話をし、たまたま出社していた同僚をつかまえて、スキャンしてメールで送ってもらう必要があります。これは業務効率の低下や、同僚の業務負荷増大、さらには機密情報の不適切な取扱いといったさまざまな問題に発展します。もし、社外から安全に閲覧する仕組みがあれば、自宅からでも契約書を確認することができ、これらの問題は何ら生じなくなります。

※1 日本 CFO 協会、「新型コロナウイルスによる日本企業の経理財務業務への影響」についての調査結果と考察を発表

デジタルシフトがRPAによる業務効率化を加速させる

堀場 テレワーク下の紙問題は単純な不便さだけにとどまらない重要な経営課題ということですね。ところで、紙の電子化が実現すればRPA(※2)で扱えるようになるので、業務の自動化という観点でも非常に大きなメリットがありそうですね。

※2 RPA(Robotic Process Automation)ソフトウェアロボットを活用したオフィスでの定型業務を自動化する技術

二関 まさにその通りです。業務で扱う情報がデジタル化されれば、RPAで自動化できる業務の範囲がいま以上に広がります。このようなデジタルシフトはまさに業務効率化の追い風になります。RPAは非効率な業務の解消といった部分に目を向ける論調もありますが、デジタル化の推進と併せて今までできなかった新しいことに取り組むことができたり、利益や品質を追求できたりするようなプラスの効果も充分に期待できます。

テレワーク実施以前と以降の紙の電子化への取組みの違い

堀場 紙の電子化はテレワーク下の業務改善だけでなく効率化も実現しうる手段であることがよくわかりました。では、具体的にお客様は紙の電子化にどのように取り組んでいるのでしょうか。

嶋田 以前から紙の電子化はペーパーレス対応として企業が取り組む課題の一つでした。単純にスキャンしてデータ管理すればいいと考えがちですが、FAX、証憑書類、営業資料など、多くの種類・サイズの紙を一枚ごとにスキャンする手間や、電子化した後の保管や運用など、実に多くの課題が内包されています。押印文化が残っていることも関連します。テレワークが促進される中で課題を感じつつも、紙をどうするかについては考えを留保にしているお客様も多いのです。日本ではまだまだ紙文化が根強いという印象を改めて感じますね。

堀場 ペーパーレス対応は確かに長い間掲げられてきたテーマですね。ところで、従来のペーパーレス対応と、テレワーク実施以降の紙の電子化にはどのような違いがあるのでしょうか。

嶋田 テレワーク実施以前のいわゆるペーパーレス対応は、キャビネットなど保管スペースの削減、印刷コストの削減といったコストを減らすことを目的としたご相談が多く見受けられました。また、電子化した文書を監査などで効率的に活用したいというものや、最近では働き方改革の一環としても取り組まれてきました。テレワーク以降は、会社など紙を保管している場所に行くことができない、紙を直接見ることができないという問題に直面したお客様から電子化したいというご相談が増えています。

紙の運用で生じるマネジメントのリスクとセキュリティのリスク

堀場 テレワーク下の紙問題は経営課題であるということについて、もう少し詳しく聞かせてください。紙の運用にはリスクが潜んでいる場合もあるということでしたが。

嶋田 やはりセキュリティの問題が大きいと思います。本来、契約書などの重要書類は厳密なアクセス権が設定されてしかるべきです。しかし、共有キャビネットは鍵の在りかさえ知っていれば誰でも開けられるようになっていることが多いので、権限がない人でも閲覧できてしまいます。紙を電子化して、データごとにアクセス権をつければ、権限がない人は閲覧できません。また、権限の付与や削除も容易で、権限設定によっては一時的な情報の共有化もできます。情報の制限と共有を両方実現できるのが電子化のメリットといえるでしょう。

二関 マネジメントのリスクもあると思います。紙保管の場合、普段から触れている人なら保管場所を分かっていますが、その他の人はどのキャビネットにどんな書類が保管されているか分からない場合が多いでしょう。管理者が異動や退職すれば混乱することもあります。紙は属人的な要素が強いのです。それを電子化することによって、属人的な運用をリセットし、誰もがツールで検索しやすくすることはマネジメントの観点から非常に重要です。

紙の電子化を高精度な読み取り精度と自動化で支援する「SPA」

嶋田 そうしたお客様の紙の電子化を実現できるのがウイングアーク1st社の「SPA」、AI(人工知能)による高度なOCRと文書管理機能が統合されたシステムです。紙の書類をスキャンしPDF化された文書ファイルを「SPA」はファイル名やプロパティの値、もしくはOCR機能を利用した場合はデータのタイトルや項目を解析して自動でフォルダーに振り分け保管することが可能です。内部に異なる4つのOCRエンジンを備え、文書の種類によって使い分けることができるのも特徴です。AIで読み取り能力を向上させ、PDF化した手書きの文章も高精度に読み取るほか、最先端のオープンソース技術を使って保存された文書の検索も高速化しています。また、「SPA」は読み込んだ文書を、特殊なフォーマットではなく標準的なPDFで電子化するので、普遍的に情報資産を活用できるのも大きなメリットです。さらに、オンプレミス版のほかにクラウド版も提供しているので、スモールスタートでご活用を始め、その後需要に応じて拡大していただくことも可能です。

堀場 お客様のお困りごとに「SPA」導入をご提案した事例として何かご紹介いただけるものはありますか。

嶋田 ペーパーレス対応にはなりますが、一つは領収書の電子化事例です。お客様がスマートフォンのカメラで領収書を撮影し、その画像を専用のアプリケーションでアップロードするとPDF化されて「SPA」に送信され、「SPA」が保管するというシステムです。また、もう一つは基幹システムと連携した活用事例です。そのお客様のシステムでは、請求書などを基幹システムから印刷すると、プリンターから紙で出力するだけでなく、同時にPDF化も行われ、「SPA」でフォルダーに自動保管するというシステムを実現しています。電子保管で検索性を強化し、自動保管で手間の削減も可能にした事例です。

堀場 テレワーク下における紙の電子化事例はこれからということでしょうか。

嶋田 そうですね。まさに現在ご支援している最中ですので、近日中に事例として発表し、多くのお客様の参考になればと考えています。

サブスクリプション感覚で手軽に使えるRPAサービスRaaSの実現

堀場 テレワーク下で紙の電子化以外に多くの企業が取組んでいるのが、RPAによる業務の自動化ですね。

二関 テレワークの普及で加速しているデジタルシフトによって、まさにその環境が整ってきたと言えます。紙の電子化によってRPAで自動化できる業務の対象が広がっているというのも要因の一つですが、テレワークにともない業務を見直すことをきっかけに、さらにRPAを活用しようというお客様のマインドシフトも生まれていると感じています。

堀場 具体的にはどのような変化が起こっているのでしょうか。

二関 従来RPAは、ソフトウェアロボットを作成できる人材を育成して、その限られた人が中心となって活用していくケースが多かったのです。もちろんRPAを導入した企業の中には、多くの社員が使えるよう取り組んでいるところもあります。しかし、実際にはそこまで至っている企業はそれほど多くないというのが実感でした。ところが、テレワークをきっかけにRPAを活用してみたいという人が増えていると考えられる事象がありました。SCSKでは国産RPAの「WinActor」を販売し、その後の製品サポートまで行っていますが、明らかに問い合わせ件数が増加しています。しかも初学者と思われるような方の増加が顕著です。このような変化を通して感じたのは、誰でも便利に使える環境をもっと進化させる必要性です。

堀場 RPAは従来のアプリケーション開発のようにSIerに作ってもらうものではなく、自ら作って使うものなので、すでに便利に使えているのではないのでしょうか。

二関 もちろんそうです。しかし、誰でも便利に使えるはずのRPAが、従来のようなシステム導入の手法にとらわれ、気軽に利用できていないのではという懸念は以前からありました。社員一人ひとりがもっと気楽にRPAを使えるサービスがあれば、より多くの人が便利になるのではと。

堀場 社員一人ひとりが、それぞれの個人的な都合で便利に使えるイメージでしょうか。

二関 その通りです。例えば、テレワーク中の社員が急に1,000件ものデータ入力をする必要が発生した時や、繰り返し行わなければならない単純な作業に対して、気軽にロボットを作って活用し、使い終わったら無くしてしまえるような、気楽にRPAを使うシーンを想定しています。一般的に、RPAはまず業務の棚卸しをして自動化したい業務を選定し、ワークフローをロボット化した上で恒常的に使い続けるといった手法がとられています。そうではない、個人の利便性や使い勝手に特化した新しいRPAサービスです。

堀場 それは便利ですね。気楽に使ってもらうためには、環境面以外についても、例えば費用面では使った分だけ課金するような仕組みが必要になると思いますがいかがでしょう。

二関 その通りです。SCSKはSIerとして、長年にわたりサービス化されたシステムの構築や運用を行ってきたノウハウがあるので、課金の仕組みはもちろん、お客様のニーズに合わせてテーラリング(標準策定)しながらサービス基盤を提供していくことはさほど難しいことではありません。

嶋田 「SPA」はオンプレミスだけでなく、クラウドサービスとしても提供していますが、もしRPAをクラウドサービスで実現できれば、同じクラウドサービス同士で連携もスムーズになります。SCSKは「SPA」「WinActor」ともに自社内にサポート体制を構築し、ライセンスの販売だけでなく、導入支援から導入後のサポートまで手厚いご支援が可能ですから、ぜひトータルにご利用いただきたいですね。

堀場 今回はテレワーク下の業務効率化に取り組む企業に向けた紙の電子化、RPAによる業務の自動化をテーマにお届けしました。SCSKはお客様の課題やニーズに共鳴し、その解決策を多角的にご提案することで、お客様とともに「共創」していく企業として、これからも社会の役に立てるよう努めてまいります。

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