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テレワーク特集~ 製造業の設計・解析業務をテレワーク環境で実現するためのCAD/CAEソリューションとは

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テレワークの導入を進める企業が急増しています。しかし、テレワークソリューションの多くは事務など一般的な業務での利用を想定しているため、ハイスペックなマシンを必要とする3D CADやCAEへの対応はハードルが高くなっているのが現実です。

それでは、製造業の設計・解析業務の担当者が、社外でもオフィスとそん色無いテレワーク環境で働くためにはどのような手段が考えられるのでしょうか。今回は、SCSKのこれまでの経験やノウハウをもとに、製造業の現場で快適なテレワーク環境を実現するためのポイントや注意点、働き方改革の推進にも貢献する具体的なソリューションについて、製品担当者を交えた座談会をお届けします。

インタビュー対応者:
>解析ソリューション第一部長 樋口 康一
SCSK株式会社
プラットフォームソリューション事業部門
製造エンジニアリング事業本部
解析ソリューション第一部長 樋口 康一
解析ソリューション第二部長 川勝 徹郎
SCSK株式会社
プラットフォームソリューション事業部門
製造エンジニアリング事業本部
解析ソリューション第二部長 川勝 徹郎
解析ソリューション第四部長 原田 英輝
SCSK株式会社
プラットフォームソリューション事業部門
製造エンジニアリング事業本部
解析ソリューション第四部長 原田 英輝

第三課長 徳田 日出海
SCSK株式会社
プラットフォームソリューション事業部門
ITエンジニアリング事業本部
営業推進部 第三課長 徳田 日出海
営業推進部 宮田 有二
SCSK株式会社
プラットフォームソリューション事業部門
ITエンジニアリング事業本部
営業推進部 第三課 宮田 有二
第一課 堀場 豪人
SCSK株式会社
プラットフォームソリューション事業部門
事業推進グループ
営業推進部 第一課 堀場 豪人

この記事のポイント

製造業の現場におけるテレワークへの取組み
製造業の現場が直面している現状
日本と海外でのテレワーク、その普及率に差
テレワークの課題とその解決策
製造業の現場から求められるテレワークの要件
テレワークには充分なコミュニケーションと、個人を信じることが肝要
エンジニア視点で自社に合ったサービスの選定を
テレワークはこれからの新しいビジネススタイル

製造業の現場におけるテレワークへの取組み

堀場 この座談会では、製造業の現場におけるテレワークをテーマに話を進めていきたいと思います。まず現状、設計・解析業務におけるテレワークは、どの程度進んでいるのでしょうか。

樋口 ご存じの通り、昨今は世の中全体がテレワークに向けて前向きに取り組むようになっています。製造の現場に携わるエンジニアも、私のお客様に限っていえばかなりの割合でテレワークを行っています。ただし、オフィス同様の生産性を維持できているかといえば、それも容易ではないようです。

原田 すべてのエンジニアが会社と同じような業務(実験や解析など)ができるテレワーク環境を用意されているわけではないので、仕事が進まず困っているという声はよく耳にします。

製造業の現場が直面している現状

堀場 以前から製造業のお客様でエンジニアも含めた全社的なテレワークに取り組まれていた例はあるのでしょうか。

原田 国内で全社的という例は、メガサプライヤーでも聞いたことがありません。よくあるのは、社員が出張先で業務を行うことを想定したもので、1万人の社員のうち100名程度の同時アクセスに対応できる環境を用意しているケースです。ほかの企業はさらに小さい規模になると思います。

堀場 全社的なテレワーク体制がとられているものの、設計・解析のようなその環境では業務を行うことが難しいエンジニアは、どのように対処されているのでしょうか。

樋口 CADやCAEを使った本格的な業務は難しいので、できる範囲で業務を行われているケースが少なくないようです。

日本と海外でのテレワーク、その普及率に差

堀場 テレワーク導入の流れは日本中に広がっていますが、海外の事情も同様でしょうか。

原田 最近では製造業も含め、テレワークはかなり普及してきました。工場が閉鎖されているときや、現場に出られないときにはシミュレーションなど、デジタルで代用できることをしているようです。そのために追加ライセンスを購入する企業もあります。

樋口 日本と海外の普及率の差ですが、その理由の一つがモノづくりに対する考え方の違いがあるのだと思います。日本の製造業では解析やシミュレーションに対し、高精度なものを求め、情報管理も徹底しています。逆にいうとそれが実現できないとスタートしないところも多い。これに対し、海外は一定の基準を用意し、完全でなくともそこからデータを得ようとします。

テレワークの課題とその解決策

堀場 製造業の現場におけるテレワーク導入には、どのような課題があるのでしょうか。

原田 ひとことでいうと、CADやCAEを快適に使用できるパフォーマンスの確保とセキュアな環境の実現です。そのための手段としては、VDI(※1)やCAEクラウド(※2)が挙げられます。

※1 VDI(仮想デスクトップ)
サーバー上に仮想マシンを用意し、各端末からリモートで操作する。端末側には画面だけが転送され、データは保存されないため、情報漏洩対策に強みを持つ。
※2 CAEクラウド
大規模解析に最適化されたクラウドサービス。高性能な仮想環境と解析アプリケーションが用意されており、ユーザーは好きなときに必要なだけリソースを利用することができる。

堀場 一般的な事務業務を行う際、テレワーク環境としてVDIを検討する企業が多いようですが、製造業の現場ではいかがでしょうか。

徳田 VDIはセキュアな環境は実現できても、CADやCAEといった高パフォーマンスを要求する業務で使うのは難しいケースが多いです。VDIの場合、同じ物理サーバーの上で複数の仮想マシンを動かしているため、クライアントの数が増えると個々のパフォーマンスが落ちてしまう可能性があります。また、同時に多くのアクセスが集中し、サーバーへの負荷が大きくなった場合の影響も少なくありません。さらに、設計段階から将来の利用規模を想定したサイジングを正確に行うことが難しいため、導入の当初は全社員が使えるシステムになっていない場合もあります。

宮田 これらの課題はSCSKが提供する「Workspot Cloud VDI」で解決可能です。「Workspot Cloud VDI」は高パフォーマンスの仮想マシン環境をDaaS (クラウド Azureベース)として提供しているため、オンプレミスでインフラを用意する必要がありません。よって、手間をかけずに短期間で環境を用意でき、柔軟に拡張していくことが可能です。

川勝 CAEの分野では、SCSKは大規模なシミュレーションや解析などの並列演算機能(High Performance Computing、HPC)をクラウドで提供するサービス「SCSK CAE Cloud」を提供しており、大規模な演算を高速に処理することが可能です。もちろん同サービスでは高水準のセキュリティも担保しています。

製造業の現場から求められるテレワークの要件

堀場 こうしたサービスを利用するお客様は、大企業の方が多いのでしょうか。

川勝 そうでもありません。企業の規模は問わず、業務のデジタル化へ積極的に取り組まれている企業からの問い合わせが目立ちます。分野でいうと、自動車を中心に、重工業、建設、機械分野のお客様が多いです。

堀場 パフォーマンス以外でお客様が気にされる点はありますか。

川勝 やはりセキュリティです。一昔前は、データを社外へ出すことをタブー視されるお客様が多かったのですが、クラウド化が進んだ昨今ではそういうこともなくなりました。その代わり、どの国にクラウドのサーバーを置くのかを気にされる方が増えました。この点、「Workspot Cloud VDI」のAzureには国内リージョンが用意されていますし、「SCSK CAE Cloud」はSCSKのデータセンターを使用しています。当然、各サービスには非常に高度なセキュリティ技術を取り入れているため、お客様にも満足いただけています。今後は国内リージョンにさえこだわらないお客様が増えてくるかもしれませんね。

堀場 ほかにもお客様が求められる要件はありますか。

原田 トレーニングです。テレワーク体制をとることをいい機会として、普段は設計をしているエンジニアに解析の知識を身に付けてもらうことで、よりよい設計ができるようにしたい、そのためのトレーニングをしてほしいといった要望を多くいただきます。さらに、自宅ではなくクラウド上に操作環境を作ってテレワークでアクセスできるようしてほしいとも。

徳田 米国の例ですが、「Workspot Cloud VDI」について、3DCADアプリケーションのトレーニングを提供している企業から需要が高まっていると聞いています。ニューノーマルを見据えて、ハンズオン(対面)で行っていたトレーニングをリモートトレーニングに切り替えている動きもあるようです。

テレワークには充分なコミュニケーションと、個人を信じることが肝要

堀場 エンジニアがテレワークに取り組む上での注意点やアドバイスはありますか。

川勝 何よりコミュニケーションが重要だと思います。テレワークでは一人で作業に没頭してしまい、時間の感覚が失われてしまう傾向があります。ですから管理者をはじめ周りの人は各メンバーが孤独にならないよう配慮し、プロセスをしっかり管理する必要があります。ちゃんと見守られていることを本人に感じてもらうことですね。

しかしこれが束縛になってしまってはいけません。たとえば時間ごとの細かな進捗を把握し、報告つまり業務のための業務をむやみに増やさないようにすることも大切です。さらに言えば、これを機会に今までのプロセスを見直し、それが本当に必要だったかどうかをよく検討していただきたいと思います。

堀場 SCSKがテレワークを実施してきた中での失敗談はありますか。

川勝 スタート直後はこれまで以上に会議が増えてしまいました。各メンバーの業務をしっかり管理しようとマネージャー層が確認を行った事が原因です。これによりお互いの拘束時間が増え、生産性にも悪影響を与えてしまいました。こういった事態を防ぐためにも、会議はしなくともプロセス情報をしっかりと共有できる環境を整える、というのがカギになると思います。

エンジニア視点で自社に合ったサービスの選定を

堀場 エンジニア視点から、テレワークのソリューションを選択するにあたって、ここを重視すべきというポイントはありますか。

川勝 スピードです。クラウドへのアクセスや計算データの転送に手間が多くかかったり、待ち時間が長くなることはエンジニアには大きなストレスです。そういう意味では、できるだけリアルタイム性を実現できるサービスを選ぶことが重要です。

SCSKの「SCSK CAE Cloud」は、クラウド上にHPC環境を構成しています。HPCをより高速なシステムとして運用できるようにするにはノウハウが必要ですが、SCSKにはオンプレミス時代から20年来のノウハウがあり、これを応用して最適のチューニングを施しています。また、クラウドサービスのため、スモールスタートし、使うぶんだけ柔軟に拡張することが可能です。

徳田 「Workspot Cloud VDI」も同様で、高いパフォーマンスによりスピード感をもって業務を進めることが可能です。また、高度なセキュリティや構築の速さといった強みもあります。

テレワークはこれからの新しいビジネススタイル

堀場 今後のテレワークについて、企業やエンジニアはどのようなアプローチが必要になると思いますか。

樋口 テレワークは、業務を効率化し社員に気持ちよく働いてもらえる新たなビジネススタイルを実現するものです。われわれは今後も、お客様の満足度をさらに高めていくために、SCSKの人間力を加えたハイブリッドなサービスへの取り組みを推進していきます。

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