• アフターレポート
  • モノづくり
  • 導入事例
  • CAE

ADVENTUREClusterユーザー会2019
-日本の製造業を代表する企業が、構造解析ソフトウェアの活用事例を講演-

advc2019_article.jpg

2019年7月12日(金)株式会社アライドエンジニアリングとSCSK株式会社は、構造解析ソフトウェア「ADVENTURECluster ユーザー会2019」を開催しました。
11回目となる今回は、日本の製造業界を代表するユーザー企業様の先進的な活用事例や、開発元であるアライドエンジニアリングによる最新バージョンの発表などを行い、300名を超える多くのお客様にご来場いただきました。
本記事では、講演内容を中心に、ユーザー会の模様をお伝えいたします。

■「ADVENTURECluster」とは

「ADVENTURECluster」は、株式会社アライドエンジニアリングが開発した構造解析ソフトウェアです。
独立行政法人日本学術振興会の未来開拓推進事業「ADVENTUREプロジェクト(設計用大規模計算力学システム開発プロジェクト)」の成果をもとに、SCSKグループである株式会社アライドエンジニアリングが開発しました。独自のアルゴリズムを採用しており、数千万~1億自由度を超える大規模な解析を実用的な時間内で可能にし、大学や研究機関での利用はもとより、製造業における開発工数の短縮やコスト低減に貢献しています。
「ADVENTURECluster」製品サイトはこちら

ユーザー会 開催概要
主催: 株式会社アライドエンジニアリング、SCSK株式会社
日時: 2019年7月12日(金)
会場: 東京コンファレンスセンター・品川

この記事のポイント

講演プログラム
展示・懇親会

講演プログラム

開会のご挨拶、将来展望

株式会社アライドエンジニアリング 
取締役社長 上野 裕治

開会に先立ち、株式会社アライドエンジニアリング 取締役社長 上野より、開会のご挨拶とともに「ADVENTURECluster」の将来展望についてご説明しました。

advc2019_1.jpg

基調講演:「マツダのものづくり ~貧乏も悪くない~」

マツダ株式会社 
シニアイノベーションフェロー 人見 光夫 様

マツダ様では、バブル崩壊、リーマンショックなど、たびたび危機に直面されています。大気汚染の防止やCO2削減など環境規制が拡大する中、自動車メーカーは企業としての対応が迫られ、他社はハイブリッド車や電気自動車などを導入していきました。一方で、マツダ様には将来に向けて技術を開発する人材が大幅に不足しており、他社のような対応を取ることが困難でした。そこでマツダ様では、多くの課題に通じる共通課題を見つけ、そこに集中するという方針を打ち立てました。

本基調講演では、マツダ様流の「選択と集中」の考えのもと、将来発生しうるリスクを踏まえたうえで、現在取り組まなければならない課題に対して徹底的に考え、導き出された技術開発手法、開発プロセス革新などの取り組みに関して、ご紹介いただきました。

advc2019_2.jpg

ユーザー様事例①「Honda二輪車エンジン開発における ADVENTURECluster 適応状況の紹介」

本田技研工業株式会社 
二輪事業本部 ものづくりセンター パワーユニット開発部 動力設計課
小倉 久功 様

本田技研工業様では、二輪車のエンジン設計において、開発費・開発期間短縮を目的に「ADVENTURECluster」を活用いただいています。本田技研工業様の二輪車は世界各地で利用されており、地域によってエンジン形式が異なります。そのため、設計の初期段階で車両全体の部品を三次元データで作成し、コンピュータ上で試作車を作り上げる「DPM(Data Proto Model)」で評価・検証を行うことが必須となっています。
本セッションでは、「ADVENTURECluster」による衝撃系強度解析やフレッティング疲労解析をはじめとしたCAE評価・検証の適用事例や、本田技研工業様の持つCAE技術の強みや今後の課題についてご講演いただきました。

advc2019_3.jpg

ユーザー様事例②「ADVENTURECluster のアルミダイカストへの適応事例紹介」

ホンダエンジニアリング株式会社
パワーユニット生産技術部 パワーユニットDE分室
長谷川 太郎 様

本田技研工業様の生産技術研究・開発部門が分離・独立してできたホンダエンジニアリング様では、鋳造・溶接・樹脂成型の研究・開発領域において、量産性と機能の両立やコスト削減、納期厳守を目的として「ADVENTURECluster」を活用いただいています。ホンダエンジニアリング様の社内では、金型の寿命や製品の変形/応力予測精度の向上に対するニーズがありました。

本セッションでは、予測技術確立に関する主要な課題についてご説明いただくとともに、それらの課題解決のための潜熱機能を活用した鋳造温度解析方法、金型の疲労解析方法、製品の材料モデルの妥当性評価における活用事例をご紹介いただきました。

advc2019_4.jpg

ユーザー様事例③「ENG大規模モデルにおける疲労オプション導入検討」

マツダ株式会社
パワートレイン開発本部 MBD革新部 第1解析グループ
中野 徹 様

マツダ様では、エンジン開発における開発項目の増加や多様な運転条件への対応を背景に、「ADVENTURECluster」疲労オプションを導入し、詳細形跡と簡易完成期を組み合わせた評価プロセスの構築、知識と経験が求められる強度予測の評価プロセスの構築に活用いただいています。
本セッションでは、解析評価プロセス構築に至るまでの経緯や、CAE適用事例としてシリンダーヘッドの強度予測についてご紹介いただきました。

マツダ様は、2030年を見据えた技術開発の長期ビジョン「サステイナブルZoom-Zoom宣言2030」 の中で、環境負荷軽減のための目標を掲げ、車単体としてのCO2削減にとどまらず、石油の採掘からエネルギー変換までの効率化に取り組んでいます。その主要な策として、内燃機関の徹底的な理想追及と、その内燃機関と電動化技術の効率的な組み合わせを重要な施策としています。
内燃機関の効率改善には、各種のエネルギー損失の低減が鍵となります。本セッションでは、「ADVENTURECluster」疲労オプションの有効性を検討したプロセスも併せてご説明いただきました。

参考リンク:「サステイナブルZoom-Zoom宣言2030」(外部リンク)

advc2019_5.jpg

ユーザー様事例④「ADVENTUREClusterを活用した排気部品の疲労寿命評価」

ヤンマー株式会社
中央研究所 基盤技術研究部 生産技術グループ
安食 拓哉 様

ヤンマー様では、ダウンタイム低減による製品価値の最大化を目指し、「ADVENTURECluster」のオプション機能RDNLK(速度依存型非線形移動硬化)関数をエンジンの排気部品における疲労寿命評価に適用いただいております。

本セッションでは、排気部品における熱疲労破壊についてご説明いただいたのち、「ADVENTURECluster」のRDNLK関数を導入した背景とその効果、さらには熱疲労寿命の可視化方法についてご紹介いただきました。最後に、排気部品の熱疲労解析における「ADVENTURECluster」の有効性について検証した事例をご紹介いただきました。

advc2019_6.jpg

ユーザー様事例⑤「ADVENTURECluster を活用したバンパー生産準備効率化への貢献」

トヨタ自動車株式会社
MS成形塗装生技部 機能部品技術室 機能部品G
水谷 慈 様

トヨタ自動車様では、近年、車両製造だけでなくモビリティに関わるあらゆるサービスを提供するモビリティカンパニーへの変革を進めており、Connected(接続性)・Autonomous(自動運転)・Shared(共有)・Electric(電動化)の頭文字を取った自動車業界における技術革新キーワード「CASE」のもと、さまざまな取り組みを進めています。そのような中、樹脂で車体を軽くすることで燃料効率化を図るべく、バンパー製造におけるCAE解析において「ADVENTURECluster」を活用いただいております。

本セッションでは、バンパー製造の工程およびそのCAE解析方法と、「ADVENTURECluster」を用いた剛性解析の検証内容およびその効果についてご紹介いただきました。

advc2019_7.jpg

ユーザー様事例⑥「ADVENTUREClusterと pSeven を活用した非線形問題の設計ツール開発検証」

日立建機株式会社
実験解析評価センタ
三井 和麻 様

日立建機様では、「ADVENTURECluster」を用いてさまざまな構造解析の高速化に取り組んできました。
近年では、CAEを活用した解析業務に加えて設計者CAEの推進活動も行っているが、非線形問題のような技術や解析リソースを必要とするような案件については課題が多く、代替手段が必要となっていました。

本セッションでは、それらを解決する手段としてサロゲートモデルを活用した設計ツール開発を検討し、設計空間探索ソフト「pSeven」と「ADVENTURECluster」を連携して、非線形問題におけるサロゲートモデル構築の高速化について検証した結果を紹介いただきました。

参考リンク:「pSeven」

advc2019_8.jpg

「ADVENTURECluster」連携解析事例と最新トピックスのご紹介

SCSK株式会社
製造エンジニアリング事業本部 解析ソリューション第三部
佐藤 充、中原 諒

SCSKでは、「ADVENTURECluster」 をコアとし、各種解析ソフトウェアとの連携を強化しています。本セッションでは、新たに連携する解析ソフトウェアである、多孔質メディア、風剛材料を分析・設計する「GeoDict」 、SCSKのクラウド型CAE計算環境提供サービス「SCSK CAE Cloud」 、ユーザー様向けソフトウェア製品サポートサービス「CarePlus SPSS」のコンテンツ拡充についてご紹介しました。

参考リンク:「GeoDict」 「SCSK CAE Cloud」

また、多数のCAEソフトウェアが存在する現在の状況をふまえ、CAEのデータ管理を行うソフトウェア「Aras Comet SPDM」についてご紹介しました。「Aras Comet SPDM」はCAEの属人化を解消する自動化機能、CAEデータの整理および管理機能、データのトレーサビリティを担保するワークフロー機能を有しています。「ADVENTURECluster」と連携することによって、お客様の業務改善を加速させてまいります。


SCSK株式会社 製造エンジニアリング事業本部
解析ソリューション第三部 佐藤 充

SCSK株式会社 製造エンジニアリング事業本部
解析ソリューション第三部 中原 諒

「ADVENTURECluster」プリポスト、ソルバ最新バージョン(v2019)の機能のご紹介

株式会社アライドエンジニアリング
ADVC事業部
大山 知信、柴田 良教

「ADVENTURECluster ソルバ」の新機能や改善点についてご説明するとともに、「ADVENTURECluster」プリポストの新機能として、「ADVENTURECluster Builder、Visual」の新機能およびパフォーマンス向上ポイントについてご紹介しました。


株式会社アライドエンジニアリング
ADVC事業部 大山 知信

   株式会社アライドエンジニアリング
ADVC事業部 柴田 良教

閉会のご挨拶

SCSK株式会社
製造エンジニアリング事業本部
副本部長 小峰 正樹

本ユーザー会の閉会に際し、SCSK プラットフォームソリューション事業部門 製造エンジニアリング事業本部 副本部長 小峰より、閉会のご挨拶をいたしました。

advc2019_13.jpg

展示・懇親会

展示スペースでは、「ADVENTURECluster」の関連ソリューションや、モノづくりに関するSCSKのソリューションを多数ご紹介しました。

懇親会

講演終了後、講演者や来場者の皆様にお集まりいただき、懇親会を開催しました。

当日は非常に多くのお客様にお集まりいただき、誠にありがとうございました。

最新情報などをメールでお届けします。
メールマガジン登録