OSSがリードする「AI/Deep Learning」「自動運転」「ロボット開発」(3/3)

OSSがリードする「AI/Deep Learning」「自動運転」「ロボット開発」(3/3)

OSSがリードする「AI/Deep Learning」「自動運転」「ロボット開発」(3/3)

2018年3月12日に開催された特別セミナー「OSSがリードする先進分野の技術」について、全3回に分けてセミナーレポートとしてご紹介します。

■「OSSがリードする先進分野の技術」セミナーレポート目次

第3回は、セッション「日本生まれのオープンソース、Deep LearningフレームワークのChainer」と、「懇親会/ライトニングトーク」の模様についてレポートします。

日本生まれのオープンソース、Deep Learning フレームワークの「Chainer」

次に、「Deep LearningとChainerの貢献」というテーマで、株式会社Preferred Networks Chainerエバンジェリスト 梅澤慶介氏が講演されました。

Chainerとは、Preferred Networksが開発を行っている、オープンソースの日本製ディープラーニングフレームワークです。世界中で利用されており、特に日本で人気があるフレームワークです。また、GPU計算を担当するライブラリが「CuPy」として独立しており、GPUでの処理を容易に行える特徴があります。

Chainerには、多くの追加パッケージ/ツールが用意されているため、さまざまな用途に対応できます。例えば、以下のようなパッケージがあります。
・分散深層学習用追加パッケージ「ChainerMN」
・深層強化学習ライブラリ「ChainerRL」
・画像認識アルゴリズム「ChainerCV」
・可視化ツール「ChainerUI」
・Biology/Chemistry分野特化ライブラリ「Chainer Chemistry」 など

既存の機械学習では、人間が画像などから特徴量を抽出する作業が必要であったため、時間とコストの面において大きなハードルになっていました。一方、ディープラーニングでは、人間は生データを入力するだけでよく、手間をかけずに、機械学習と同等、もしくは、それ以上の結果を得られるため、大きな注目を集めています。

ただ、ディープラーニングには多くの課題があるそうですが、それらの課題を克服するための手段も生み出されているとのことです。

例えば、計算パワーが不足して、学習するために数十時間~数日かかる場合があります。その解決策としては、「GPU」「FPGA」「専用プロセッサ」などを利用したり、大規模分散処理により高速化できます。

ディープラーニングの精度を上げるためには、大量の学習データが必要ですが、そのデータを揃えることがハードルになっている、という課題については、シミュレーションにより学習させる「強化学習」という手法が期待されているとのことです。これにより、ロボット制御やドローンの制御、自動運転などの分野で、さらにディープラーニングが活用されるだろうとのことでした。

梅澤氏は、Chainer User Groupの活動内容や開催予定のイベントに触れ、参加を呼びかけられていました。

講演資料はこちら:「Deep LearningとChainerの貢献」

株式会社Preferred Networks Chainerエバンジェリストの
梅澤慶介氏

最後に

勉強会の終了後、恒例となっている懇親会が行われ、講演者への質問や参加者同士での情報交換、有志による複数のライトニング・トーク(LT)も披露されました。講師の方に質問したり、参加者同士で歓談したりと、それぞれに親睦を深めていました。

LT資料はこちら:

最後に、SCSK株式会社 R&Dセンター 歌原副センター長より、講演者および参加者へのお礼と、2018年度も「OSSユーザーのための勉強会」を継続し、OSSの市場活性化と人材交流に一層努めたいと語りました。