コラム/技術的な情報

ネットワーク監視が不十分な組織のリスクとは(2)

把握していない機会損失(信用低下、購買機会喪失)

Webサイトでの真のユーザー体験を把握

 検索エンジンの世界的なトップシェアを獲得しているGoogleは近年、ユーザーエクスペリエンスの向上のため、Webサイトの表示速度の評価をGoogleの検索ランキングに反映させるようになりました。
 そのため、マーケティング担当者の多くがサイトの表示速度の改善に乗り出し、これまでのSEO施策同様、各種マーケティングツールを駆使しながら試行錯誤を繰り返す状況が続いています。
 しかし、マーケティング関連のテストツールの多くはSEOや速度など、それぞれに特化した指標をKPIとするものが多く、あくまでもユーザーが体験するであろう事象を想定した結果にすぎません。そのため、実際にユーザーが体験したことやトラフィックの詳細を把握していないマーケティング担当者は多く、場合によってはコンバージョンが減少した原因を誤認しているケースもあります。
 その要因を誤認したまま改善されなければ、本来得られたであろう機会や利益を失うことにもなりかねません。

コンバージョン低下やクレームの原因は思わぬところに

 資料ダウンロード数や問い合わせ件数、ECサイトでの売上が減少した場合、多くのマーケティング担当者はコンテンツの質の見直しやページの表示速度の改善、SEO施策の実施に乗り出すことがほとんどだと思います。
 確かにこれらもコンバージョン低下の要因となりうるものではありますが、よくよく調査をしてみると、実はある特定の時間にネットワーク上に問題があったということも散見されます。具体的には以下のようなケースです。

  • ①ECシステムや問い合わせに使用している外部サービスがダウンまたは不安定な時間があった
  • ②ユーザーが使用している回線が混雑しているなど、たまたま問題があって接続できなかった
  • ③Webサーバに一時的な問題が発生し、サイトがダウンまたは表示できなかった
  • ④メールサーバに問題が発生し、正常に送受信ができなかった

 特にWebサイトが一時的に閲覧できない状態になっていた場合、ユーザーのほとんどはコンテンツの閲覧をあきらめ別のサイトに流れ、そのサイトを再度訪れることは非常に稀だといわれています。また、メールサーバなど、顧客とのコミュニケーションをとるのに重要なシステムで問題が発生すれば業務に支障が出るだけでなく、クレームにつながることもあります。
 確かにコンテンツの質やサイトの表示速度は重要ですが、システム上の問題によっても機会損失・信用低下というリスクがあることを忘れてはいけません。

原因追究は特定のツールだけでなく、多角的に見ることも必要

 SEO施策はこれまで通りマーケティングツールを活用することに変わりはありませんが、今後は、ネットワーク側の問題が影響している可能性も視野に問題を検討していくことで新たな課題が見えてくる可能性があります。
 ネットワーク側の問題は継続して長期間にわたって見ることでより明確に、そして問題が発生しそうな予兆に気付くことも可能となります。また、ネットワークの監視を続けることは、障害発生時、発生個所の見極めから障害復旧にかかる時間の短縮にもつながります。
 こうした積み重ねが機会損失や社会的な信用低下の防止につながっていくのではないでしょうか。

原因追究は特定のツールだけでなく、多角的に見ることも必要

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