モニタリング製品導入における効果と価値(3)
キャパシティプランニングのための効率的データ収集とは
前回はキャパシティプランニングによるITの適正投資についてお伝えいたしました。
システムやネットワークが不安定になれば、業務の停滞による生産効率低下や、サービスの遅延・停滞等による信頼低下につながりかねません。
そのため、対象となるシステムに必要なシステムやネットワークのリソースをしっかりと計算し、プランニングしていく必要があります。キャパシティプランニングを行うことで、キャパシティ不足による障害や、過剰なシステム投資を防止することができます。
今回は前回お伝えしきれなかったコンポーネント・キャパシティ管理を正確かつ効率的に行うためのプロセスについてお伝えしてみたいと思います。
パフォーマンス劣化や見逃していた障害予兆データの収集が適切な判断を可能に
過去に情報システム部門により障害原因を調査した履歴は把握されており、データとして蓄積されていることがほとんどです。これらの蓄積された運用データは、システムやネットワーク更改時のキャパシティプランニングにおける判断材料として活用することができます。
ただその一方で、システム運用担当者が気付かなかった障害が隠れていることもあります。
この中には、将来的に大きな問題に発展しうるケースや、ユーザーの生産効率の低下につながるケースが含まれています。そのため、ネットワーク運用担当者はこうした隠れた障害予兆や、ネットワークのパフォーマンス劣化についてもきちんと把握し、今後の対応方針を慎重に判断することが必要となります。
専門ツールによるデータ収集・分析が的確なキャパシティプランニングの成功に
運用担当者が気付けなかった障害予兆にも目を向けたキャパシティプランニングを実施する場合、ネットワークに流れるトラフィックを常時取得することが有効な手段となります。
さて、ここで問題となるのが蓄積された大量データの解析です。トラフィックデータの収集に特別なツールを導入していない場合、専門スキルを持つ人材が多大な労力と時間をかけてその大量のデータから必要なデータを検索し解析するのが一般的ですが、工数やコスト、人材確保といった面から考えても、その手法は非効率で現実的とは言えません。
そうした中で昨今、効率的にネットワークのデータを収集・保存し、すぐに使えるデータに統計化・可視化するツールが注目を集めています。
障害発生前提でネットワークのデータ収集と可視化で障害対応が効率的に
近年、特に注目が集まっているこれらのツールですが、実は既に導入している企業は多数あり、何年も前から運用に活かされてきました。元々これらのツールを積極的に導入していた企業としては主に金融、官公庁、キャリアが挙げられます。これらの企業が先駆けて導入を行った背景としては、障害や問題が起こることを前提とした証跡保存、ユーザーやステークホルダーへ向けた的確な報告、復旧時間短縮に加え、ネットワーク改善を目的としたキャパシティプランニングが重要視されていたためだと考えられます。現在では、これらの対応は限られた企業にのみ求められるものではなく、より幅広い企業に必須のものとなりました。平時からデータを収集しているからこそ、ネットワークの改善を目的としたキャパシティプランニングの際には具体的な根拠として計画に反映させることができます。
運用データがキャパシティプランニングの精度を上げる、最適なコストで安定したネットワーク運用を
ネットワーク、システム更改の計画策定が必要になった時点で、常時蓄積された統計データを過去にさかのぼり、さまざまな角度からネットワーク性能を可視化することができれば、キャパシティプランニングのプロセスは大幅に短縮され、プランニングの精度を上げることができます。
キャパシティプランニングの精度が上がれば、安定したシステム、ネットワーク運用を可能とし、かつ、過剰なコスト負担を避けることにつながります。
キャパシティプランニングのためのデータ収集と解析を正確かつ効率的に行う上で、本記事がご参考になれば幸いです。詳細についてご関心がございましたら当社営業担当者にお気軽にお問い合わせください。また、下記より製品資料のダウンロードも可能です。ぜひご活用ください。
https://www.scsk.jp/sp/netscout/catalog/index.html