第二回目はINFINIDATのInfiniBox®(インフィニボックス)のハードウェアに触れましたが、今回は少し深堀をしたいと思います。
INFINIDATのInfiniBox®のハードウェアデザインおよびストレージメディアの配分についてご説明いたします。
ペタバイトを超える大容量データを3種類のストレージメディアを駆使し、いかに安全にかつ効率よく保存、管理しているのか紹介いたします。
InfiniBox®は、常にお客様の利益を追求し製品開発を行っています。
InfiniBox®はエンタープライズストレージに求められる要件を満たしながら、
お客様のTCOを最大限に削減するような設計がされています。
ペタバイトを超えるストレージシステムのコストを考えてみると、ユーザデータを保存するための永続ストレージ領域に使われるストレージメディア(フラッシュやHDD)の
コストがシステム全体の80%から90%以上を占めるようになります。
ストレージメディアの選択はストレージ全体のコストに対して重要な要素となります。
主なストレージメディアはI/O処理性能の早い順に 1.)DRAM、2.)フラッシュ(SSD)、3.)HDD とありますが、I/O処理性能が早ければ早いほどバイト単価が高くなります。
InfiniBox®では、主要なストレージメディアにはバイト単価の安い 3.)HDD を選択し、キャッシュ用途として 1.)DRAM および 2.)フラッシュ(SSD)を選択しています。
大容量のエンタープライズストレージのアクセスパターンを分析すると、ストレージ全体の領域に満遍なくアクセスするのではなく、約6%の領域にしかアクセスしていないことが
知られています。
これは氷山に例えることができ、頻繁にアクセスされる領域が海上に出ており、あまり頻繁にアクセスされない残りの大部分が海面下に隠れています。
InfiniBox®では海面上の頻繁にアクセスされる部分に大容量キャッシュ領域としてDRAMおよびフラッシュ(SSD)を、海面下の永続ストレージ領域には大容量な
NL-SAS HDDを配置するようなデザインになっています。
ストレージメディアの配分について、「図1」に示します。
このストレージメディア配分と独自のハードウェアおよびソフトウェアのデザインにより90%以上のアクセスはDRAMおよびフラッシュ(SSD)のキャッシュ領域で処理することを
可能とし、オールフラッシュストレージと同等以上の性能を発揮いたします。
InfiniBox®は3種類のストレージメディアが配置されていますが、それぞれの特性に合わせて、最適な性能が得られるようI/Oフローを制御しています。各ストレージメディアに対するI/Oフローを「図2」に示します。
InfiniBox®ではストレージメディアの最適化以外にも、コントローラノードのリソースを最適化するようなデータ管理方式が採用されています。
InfiniBox®内のストレージ領域は6つのVirtual Unit(VU)で管理されます。
各コントローラノードには2つのVUが割り振られ、対象のVUに対するI/O処理を担当します。
特にホストまたはクライアントがアクセスするデータセット(ボリュームまたはファイルシステム)は6つのVUにまたがるように均等に配置されるため、
ストレージにアクセスするだけで全てのコントローラノードが均等にデータの処理を行います。
万が一コントローラノードに障害が発生した場合、代替コントローラノードがVUを引き継ぎI/O処理は継続されます。
●Point
今回は、InfiniBox®のハードウェアデザインのうち
特にストレージメディアの配分とI/Oフローについて紹介しました。さらに最後にデータ管理方式についても触れました。