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Eisenwerk Martinlamitz社事例(ドイツ;鋳鉄):
良質な形状–鋳鉄ハウジングの歪み最適化

Eisenwerk Martinlamitz (EWM) 社は複雑なダクタイル鋳鉄及びねずみ鋳鉄の製造を専門としています。システムサプライヤーとして、高い信頼性をもって顧客に供給することが、同社の長期的な成長の鍵となります。これは、一貫して環境対策やエネルギーと資源の経済的な使用を考慮しながら実施されます。また、品質保証のために従来の材料試験やひび割れ試験に加え、同社は3Dレーザースキャナーを使った鋳物の寸法精度測定を社内で継続的に実施しています。

Martinlamitzは現代の溶接工程や塗装工程で使用される産業用ロボットの部品を製造しています。これらの用途は鋳物の重要な市場となっています。世界的には、2020年までには170万台以上の新しい産業用ロボットが設置され、その総数は300万台を超えると予想されます。※原著は2020年以前に書かれた事例になります。

Fig. 1:多くの鋳造品が現代の産業用ロボットに適用されている(画像:Fotolia/Nataliya Hora)
Fig. 1:多くの鋳造品が現代の産業用ロボットに適用されている(画像:Fotolia/Nataliya Hora)
産業用ロボットへの鋳造製品組み上げ時において最も要求される品質はは、当然のことながら、寸法精度と偏差になります。選定されたGJS500ダクタイル鋳鉄で鋳造された部品に対して許容される寸法精度は220mm±1.4mmとなっています。この寸法精度はゲートと押し湯を切除し、補強材を切断する機械加工プロセスを行った後の完成品に対して適用されます。
Fig. 2:寸法精度220mm±1.4mmを満たす鋳造品
Fig. 2:寸法精度220mm±1.4mmを満たす鋳造品
生産開始時には、鋳造品の歪みによってこの寸法精度を満足することができませんでした。この場合、「Ears」と呼ばれる上下の領域を表面研磨で広範囲に加工する必要があり、非常に高価となります。Fig.3では指定された寸法と比較した測定結果が示されており、オレンジ色の部分は1.5mm以上の偏差を示しています。

Fig. 3:補強材を切断した後の「Ears」部の偏差測定結果;(左)大きな「Ears」と(右)小さな「Ears」
Fig. 3:補強材を切断した後の「Ears」部の偏差測定結果;(左)大きな「Ears」と(右)小さな「Ears」
Martinlamitzは長年にわたり、鋳物の設計と最適化にMAGMASOFT®を活用しています。オートノマス・エンジニアリングの導入後、Martinlamitzは可能な限りこの最適化機能を使用しています。これによって、過去に計算された鋳型への充填、凝固、冷却から鋳物の型ばらしまでのシミュレーション結果を活用して、その温度場に基づいた残留応力と鋳物の歪みの分析が実施されました。

ハウジングの応力解析においては、鋳物と補強材だけでなく、砂中子によって拘束された鋳物収縮の影響も考慮されました。また、砂中子と鋳物間の接触力と摩擦も考慮されています。GJS500ダクタイル鋳鉄の熱機械的材料挙動を再現するため、MAGMASOFT®で利用可能な材料データと歪み速度依存型クリープモデルが使用されました。

Fig. 4:各ステップにおけるZ方向変位(変形倍率35倍)
Fig. 4:各ステップにおけるZ方向変位(変形倍率35倍)
最初のシミュレーションで型内での冷却中に生じる残留応力は、主に鋳物が砂中子に向かって収縮することで発生することが明らかになりました。型ばらし後も一部の残留応力が残り、それが鋳物の変形を引き起こします。

補強材を切断すると、さらに多くの残留応力の応力解放が生じ、鋳物の変形が加速します。その結果、2つの「Ears」部分が互いに近づきあい、大幅に歪んだ鋳物となります。よって、両方の「Ears」間の満たすべき寸法精度を満足することができませんでした。

歪みの原因を分析した後、鋳造工場で様々な補正措置が検討されました。Martinlamitzの専門家は鋳造プロセスで補正を行うことを選択し、歪みを補正するために模型型(パターンプレート)を変更することにしました。元の鋳造品と比較して、修正された模型型では製品の収縮を考慮した2.5mmの形状補正を加えることにしました。

MAGMASOFT®を用いた分析を追加で実施し、この補正によって要求される寸法精度に合致する鋳物を製造できることが示されました。試作を行い、その結果から鋳造工場で効果で大規模な加工を行うことなく、要求される寸法精度を確実に満足されることが確認されました。


会社紹介:Eisenwerk Martinlamitz社

Eisenwerk Martinlamitzは、その歴史を13世紀まで遡る鉄工所としての伝統を持つ、ドイツに拠点を置く企業です。現在はダクタイル鋳鉄とねずみ鋳鉄の部品を製造し、ドイツでのシステムサプライヤーとして成功を収めています。同社の鋳物は未加工品または加工済み部品、さらには組み立て品と様々な形態で提供され、その製品重量は20kg~350kgとなります。

本記事は、NMAGMA社の下記ウェブサイトに公開されている記事「https://www.magmasoft.de/en/solutions/cast-iron/reference/In-Good-Shape-Optimizing-Distortion-in-a-Cast-Iron-Housing/」を日本語訳したものです。

Eisenwerk Martinlamitz社

magmasoft

鋳造プロセスシミュレーションソフトウェア MAGMASOFT

MAGMASOFTは、幅広い鋳造プロセスに対応した鋳造プロセスシミュレーションソフトです。湯流れ・凝固から熱処理や残留応力・変形などの解析・評価できるハイエンドな機能を取り揃えており、使いやすいGUIや結果評価機能、標準搭載の最適化機能により、鋳造課題の見える化を実現します。